続ストーカー47

2023-05-30 09:21:08 | 日記
「昨日の音、何だったんだろう…」

朝起きてきたたけるが不安そうに話す。

「たけるにも聞こえたの?」

「うん。気になって…」

「たぶん、ご近所さんの生活音が、たまたま通路に響いただけなんじゃない?」

「そっか…。そうかもね。」

そうだよ。自分にも言い聞かせた。

「行ってきま~す!」

学校へ出掛けようとするたけるが家の扉を開けた。

…カランコロン…!

「何の音?」

「玄関先にビールの空き缶が置いてあった…。」

扉を開けた瞬間に扉前に置いてあったビールの空き缶を倒して転がした音だった。

誰かが、玄関先に空き缶を置いたの…?💦


続ストーカー46

2023-05-26 09:13:40 | 日記
コトン…コトン…と、変な音がして、
ドアスコープを覗いたが、何も見えない…。

…気のせいか…。

「気にしないようにしよう…。」

布団に入ると、再び、コトン…。

…まただ。

再び恐る恐るドアスコープを覗くが…、やはり何もない。

お隣さんかも知れない…。

お隣さんか上の階の人の生活音が、たまたま通路で音がするように聞こえているだけかも知れない…。

そう思い込むことにした。

その夜は、その後も2、3度、コトン…という音が鳴ったが、気にせずに寝てしまった。


続ストーカー45

2023-05-22 10:40:12 | 日記
その後しばらくは、坂元も忙しそうだった。

なので、七美も不安になる事もなく過ごしていた。

「特に変わりない?」

時々原田からも心配するLINEが来ていたが、

「大丈夫です。縁が切れて2カ月くらいになりますが、とりあえず坂元さんからは音沙汰もなく過ごしているので、もう大丈夫かも知れません。過去にはいろいろあったのかも知れませんが、もう彼は変わったのかも知れません。」

「そうだね。まぁ、そのうちお酒でも飲もう」

「はい。ありがとうございます。」

坂元と別れて2カ月…。

平和を取り戻した日常が戻ってきて、たけるを実家に預ける心配もなく、穏やかに過ごしはじめていた。

ある日の夜…。

深夜、トイレに起きた七美。

布団に戻ろうとした時…、

コトン…。

聞いたことの無い音に足を止めた。

コトン…。

なんだろう…。

玄関前の通路から聞こえる。

ドアスコープを見ても何もない。

続ストーカー44

2023-05-18 08:54:26 | 日記
「…僕もあのあと、坂元の過去の恋愛を知る友人にいろいろ聞いてみたんだ」

「…どうでしたか?」

「プライドが高くて、自分がフラれる…という状況が理解できないんだと思う。過去の恋愛でも、何度も別れ話しをされてもずっと無視して、恋愛関係を維持しているような行動を取り続けていたらしい」

「……それで、相手の女性は…どうしたんです?」

「会社を辞めた」

「それで終わったんですか?」

「うん。引っ越しもしたから、もう坂元は相手を追うことが出来なくなったからね…」

「……」

「坂元…、前の恋愛の時よりは、少しは良くなったんじゃないかと思うんだけど…。」

「会社も辞めたくないし、引っ越しもしたくない…」

続ストーカー43

2023-05-14 08:02:07 | 日記
「なかなか、難しい状況だね…」

翌日、帰り際、静かなカフェで原田と会った。

「息子くん、ひとりで留守番をさせない方がいいんじゃないかな?誰か預かってくれる人がいれば…。」

「はい。そう思いました。」

「どうしても断りきれずに、家に入れてしまうと思うんだ」

「そうですよね。出来るだけ実家に預かってもらうようにします」

「それと、息子くん小学生なら、思いきって、彼と別れた事は話した方がいいと思う。母親が思っているより、いろんなこと理解しているから。」

「そうですね…。そのつもりではあるんですが、今喘息が悪化していて、体調も心配なんです。だから、余計な心配をかけたくなくて…」

「そうなんだね…」

「いろいろすみません…」