続ストーカー39

2023-04-30 08:28:12 | 日記
「さ、坂元さん……どうして?」

「たけるの宿題を見てやってたんだ」

『たけるくん』と呼んでたのに…『たける』になった…。

「坂元さんが来て…」

たけるが気まずそうに言う…。

たけるには別れたことを言ってなかった。

しかし、勝手に人を家に入れるな…という七美との約束を破ってしまった…という思いと、母親の動揺を感じ取って、『いけないことをしてしまった』と思ったのかも知れない。

「坂元さん…。来るなら来ると連絡ください」

「連絡したら断るでしょ」

断られるのはわかっているんだ…。


続ストーカー38

2023-04-26 09:31:51 | 日記
坂元と上手く別れるには、まだ時間が必要なのか…。

無駄に時間ばかりをかけても、必ずしも良い別れ方が出来るかどうかわからない。


それから少しして…、
そういえば、別れ話しをしても、何も変わらないように、すぐにLINEをしてきた坂元が、2、3日LINEが無い…。

会社には来ているようだが、姿も見ない。

さすがに納得してくれたのだろうか…。

その日は、少し仕事が長引いて夕食の買い物もそこそこに急いで帰宅した。

たけるがお腹を空かして待ってるだろう。


「おかえり」

…え?!

声の主は坂元だった。

テーブルにたけると向き合い座っていた。


続ストーカー37

2023-04-22 09:38:56 | 日記
「…そうなんだ…。」

原田は、腕組みをして深くうなずいた。

「実はね、坂元は、君と付き合う数ヶ月前に同期の子と付き合っていて、しつこくされたらしい…という話しをしたよね…」

「はい」

「あの後、気になったから、その子と連絡を取ってみたんだ。」

「…そうなんですか」

「彼女、坂元と別れて1ヶ月くらいして会社を辞めたんだけど、メンタル的に追い詰められて、会社に出社出来なくなってしまったらしいんだ」

「…え?…それは、坂元さんのせい?」

「うん。別れ話しをしても、受け入れてもらえず、ずいぶんしつこく付きまとってきたらしいんだ」

「…つきまとい…?!💦」

「朝はアパートの前に車を停めて『送るから』と待っていたり。もちろん帰りもそう。ランチタイムも待ち伏せされたらしい。」

「ランチまで…💦」

「しかも、別れ話をしてから激しくなったらしくて…。」

「……」

「知ってたら、君に話したのに…」

「この件を前もって知ったら、別れることができなかったかも知れません」


続ストーカー36

2023-04-18 09:42:14 | 日記
「今日は、ありがとう。またLINEするね」

坂元からのLINEだ。

まるで、起きている現実を受け止めようとしていない。

七美の方から「別れよう」と告げたのがプライドを傷つけたのか…、

それとも、本当に坂元が言うように、別れるにも、お互いの理解が必要と、思っているからなのか。。。

しかし、別れる事に坂元の許可が必要なら、別れられないかも知れない。




「どうした?大丈夫?」

何かあったら相談に乗るよ…と言ってくれた原田と翌日、待ち合わせをした。

「…実は…、」

坂元へ別れ話を告げた後の彼の行動に違和感があることを話した。

「うん…そうなんだ…。」

原田は、腕組みをして深くうなずいた。


続ストーカー35

2023-04-14 10:58:44 | 日記
「ちょっと待ってください。私たち別れましたよね。」

「え?ダメなの?」

「はい。すみませんが…。」

「交際を始める時は、『付き合ってください』『はい、付き合いましょう』って、お互いの合意が必要なのに、別れる時は、一方的なの?僕は別れることに合意してないよ」

「…え?」
唖然とした。。。

そのあと坂元は、
戸惑い食事にもほとんど手をつけない七美を気にすることもなく、一方的にその日、会社であった出来事を楽しげに話し続けた。

「今度、いつ?」

「え?」

「今度いつ会う?」

帰り際、楽しそうに話し掛ける。

「すみません。会えません。」

「え?さっき、イチゴのパフェ、食べに行くって言ってたじゃない」

「言ってないです。」

「イチゴ嫌い?」

「そんな話しじゃないんです。とにかく、もう会いません」

「……」

坂元はしばらく沈黙をして、七美をじっと見つめた。

「わかった。今度また、連絡するよ」

…そう言って、静かに帰って行った。

「わかった…?わかってない…!」

思わずつぶやいた。