ヒトコワ21

2024-05-29 08:53:59 | 日記
『ガタン…』

…まただ…。

ある時から、玄関ポストに"何か"を投函するような音がするようになった。

もちろん、何も入れられていない。

また、不動産屋に相談してみる?

だけど、相談した後から何も起きなかったら、自分がただのクリーマーになってしまう。

そうだ、動画を撮ろう!

ただ、いつ、どのタイミングでこの事象が起こるのかがわからない…。ずっと待ってるワケにもいかない…。

深夜遅く…。

『ガタン…』

突然音がした。


ヒトコワ20

2024-05-25 16:41:17 | 日記
宮本さんも、何かを察したのか、それ以来は音を立てることも無くなって、大人しく過ごしてくれていた。

ある日のこと、、、

『ガタン…』

手紙?

玄関ポストの音。

ポストを覗くと、何も無い。

気のせいか…。

すると、その日の夜、再び『ガタン…』

何かを投函したような音だ…。

もしかしたら…。

宮本さんが頭をよぎった。

抗議の手紙?

…が、しかし、手紙らしにものをポストに投函している様子は無い…。

風で…?

そんなはずはない。

ここへ来てから強い風の日も経験しているが、ポスト扉の開閉までバタバタするようなことなどない…。


ヒトコワ19

2024-05-21 11:17:46 | 日記
「あんな大きな音なのに?」

…と、あえて言ってみた。

不動産屋の女性は「もう一度聞いてみます」と帰って行った。

ーーそして、しばらくして、再び不動産の女性がやって来た。

「宮本さん、なんて言ってましたか?」

「『そんな、大きな音じゃない。カリカリと壁を引っ掻くような程度だ』と、いってました」

「宮本さん、最初は、何も聞こえない…と言ってたのに…。」

「『大きな音』と嘘を言ってしまって、すみません。宮本さんがなんて答えるのかを知りたくて…」

「…そうですね。音の正体を宮本さんは知っているみたいな言い方ですよね。もう一度あらためて、確認してみます」

「あ、もういいです。お隣さんと揉めたくないので、我慢します。あの程度の音なら、イヤホンでもして過ごせば気にしなくて済みそうなので…」

「…そうですか…。」

ヒトコワ18

2024-05-16 10:07:36 | 日記
安子からの苦情を受けて不動産屋が動いた…。

「宮本さんに聞いてみたんです…」

家を訪ねてきた、不動産屋の若い女性が、隣りの宮本さんに聞こえないように…の配慮なのか、ひそひそと話す。

「私では無い」と言ってました。

…そりゃそうですよ!迷惑行為をしていて、素直に『私です』とは自白しませんよ!

…と、文句を言いそうになったが、ぐっとこらえた。

「宮本さんのお宅には、何も聞こえないんですか?」

宮本さんで無いなら、彼女も謎の音に迷惑を被っているのではないか…と、質問の方向性を変えてみた。

「あ、それも、聞きましたが、宮本さんは夜に異音を聞くことは無いそうです」

「あんなに大きな音なのに?!」

確かに気にしなければ気にしないで過ごせる音かも知れないが、"あんな音(大きい音)に気付かずに過ごすのはおかしい…"と、カマをかけてみた。

「…そ、そうなんですね💦そんな大きな音とは知らず💦もう一度聞いてみます💦」


ヒトコワ17

2024-05-13 09:57:25 | 日記
…キリキリ…。

キリキリ…。

なんの音だろう…。

深夜遅くに暗闇に響く謎の音…。

音のする方を探すと、お隣…宮本さんの家の壁から聞こえる。

よく耳を澄ますと、何かの工具などで壁を傷つけているように聞こえる。

その日から、毎晩毎晩、『キリキリ…』が続いた。

その音は、深夜の闇に響いて眠れない…。

安子は耐えきれず、大家に相談することにした。

「う~ん、明らかに宮本さんかどうかわからないのに、宮本さんに苦情を言うのは…ちょっと…。不動産屋に相談してみますね」

まぁ、大家が言うのも一理ある…。

必ずしも宮本さんの家からとは言えない…。

不動産屋からの回答を待った。