旅館55 2024-02-28 10:22:32 | 日記 「…この鍵、白い箱の鍵だったりして…」やはり、白い箱の鍵だった。白い箱の中にも、同じように白い布に包まれたものが入っていた。白い布をゆっくり剥ぐと、「こっちは、お雛様…」「出てきたものを、並べろって、ばあちゃんが」3人は、物置小屋の奥の窓の近くの棚に二つの雛人形を並べた。「…これでいいのかな…?」3人は衣栄おばあちゃんからのミッションを完成させた。
旅館54 2024-02-25 08:45:16 | 日記 中には、白い、…というか、年月が経って灰色になった布にぐるぐるに包まれた"何か"が出てきた。そっと取り出すと布を静かに剥いでいく。そして、出てきたのは、、、「……雛人形?」「お内裏さま?」空になった箱を持ち上げるとカラン…と音がした。「鍵…。」「だから、カラカラ音がしたんだね。」「あ、この鍵、白い箱の鍵だったりして…」
旅館53 2024-02-20 09:52:24 | 日記 3人は、奥の観音開きの戸棚を開けた。すると、じゃらじゃらとたくさんの鍵がついている大きな輪っかの金具が見つかった。「いっぱいあるな…。」「片っ端から試してみよう」数十個はある鍵をひとつ、ひとつ、鍵穴に差し込み、開くかどうか試した。そもそも、鍵穴にも入らないものや、入っても何の手応えのないものばかりで、諦めかけていた頃、「カチッ」ー開いた。物置小屋で最初に見つけて、幹太が興味津々だった箱が開けられる。スッとスライドすると、中には、白い、…というか、年月が経って灰色になった布にぐるぐるに包まれた"何か"が出てきた。
旅館52 2024-02-17 09:33:28 | 日記 早速白い箱を防空壕から物置小屋に持ってきた。そして、夕美は、箱の表面をパズルのように右に左に、上に下に…と、スライドさせた。「あった!!鍵穴!」いくつかのパズルを解くと、箱の隅に小さな鍵穴が出てきた。そして、白い箱も、同じように右に左に、上に下にと、パズルをスライドさせて、鍵穴を見つけ出した。「さて、問題は鍵だ…。どこにあるんだ」「衣栄ばあちゃんから聞かなかったの?」「鍵のありかまではわからないって…」「あっ!旅館のオープン前に旅館回りの草刈りをさせられた時、オーナーが鍬を出した奥の観音開きの戸棚の上の方に、鍵の束があったのを見た」「それじゃ、その鍵の中に、箱の鍵があるかも」3人は、奥の観音開きの戸棚を開けた。
旅館51 2024-02-13 09:41:30 | 日記 夏も終わりに近づいた頃…。「やっぱり白い箱は、防空壕から出してあげた方がいいらしい!やっとばあちゃん、話しが出来たよ。大丈夫!今度は全部聞いてきたから!」衣栄おばあちゃんは、例の祈祷師も知っていたが、なんと、その太郎の母親の親族で、その話しを噂話しのレベルではなく、しっかりと聞いていた。「白い箱も、もともとあった箱も開けるといいらしい」「開けられるの?」「寄せ木細工の箱は、からくり…というか、パズルみたいなものだから、私が得意だから、任せて!」夕美はワクワクしていた。