「…ッツ…」
「…キャ…」
ネコのような、何かが壁を突っつくような音が続いていた。
「二階からだと思うけど…。本当に二階に行くの?」
松田が急に不安げな声を出した。
「え?行かないの?ここまで来たのに!」
正人は強気だ。
さっきから直樹は、好奇心と恐怖が入り混ざり、何も言えないでいた。
「直樹は?どう思う?」
「うん…。ここまで来たし…。このまま帰るのは、勿体無いような…」
「だよな!」
今の直樹は、ほんの少しだけ好奇心が勝っていた。
「とりあえず、二階は、後にしよう。」
直樹は、少し時間ぎ経てば、状況も変わっていることを願った。
「次は、理科室」
「人体模型、あるのかな?」
「剥製とかあったら怖いよな…」
理科室の前に来た。
中は真っ暗。
懐中電灯をあてたが、
テーブルがひっくり返っていたり、棚が視界を塞いでいたり、人体模型も剥製も見えない。