続ストーカー23

2023-02-26 09:45:27 | 日記
ひとしきり楽しい時間を過ごして坂元は帰って行った。

「たける、ごめんね。」

たけるが眠る時間をとうに過ぎていた。

「いいよ。大丈夫だよ。」

「…楽しかった?」

「…うん。」

少し間があってからの返事。
たぶん私に気を付かっているんだろう。



忘年会のシーズンがやってきた。

七美は、くじ引きで『幹事』を引き当てた💦

本当に苦手な仕事だ。

なんと、となりの課も合同になってしまったから、人数も多くて厄介だ。

「ひとりじゃ大変だから…誰か補佐してあげて欲しい」

上司の言葉に、すっと手を上げたのはとなりの課の原田だった。

続ストーカー22

2023-02-21 10:12:14 | 日記
久しぶりのデート。

映画を観て、食事をして、楽しい会話。

最近、誤解のせいから少し気まずい雰囲気だったけど、それは勘違いだった…と思わせる時間だった。

「これから、七美の家に行こうかな?」

「え?」

「ダメ?」

「今日は…ちょっと…」

「…誰か来るの?」

「そうじゃないけど…」

まだ、坂元を自宅に招いたことはなかった。

たけるには面識もあるけど…、変な気を使わせたくないから、気軽に自宅には招き入れたくはない…と思っていた。

「何かあるの?」

「お茶くらいしか無いけど…」

「それで十分だよ」

結局、坂元は、ほぼ強引に自宅へ来た。

寝ていたたけるも起きてきて挨拶をする。

「久しぶりだね~!」

たけるとハイタッチをして、笑い合う。

…たけるは、眠そうだ…。


続ストーカー21

2023-02-18 08:54:09 | 日記
居酒屋で待ち合わせた。

「先日は迎えに来てくれてありがとう。」

「いや、いいよ。自分がしたくてしたことだから」

「今度からは大丈夫だからね」

「大丈夫って…?迎えに行ったらまずかった?」

「いえ、そんなことじゃ…」

「あ、もしかしたら邪魔しちゃった?」

「…そんなこと…」

それから少し会話が途絶え、気まずい空気が漂った。

それでも気を取り直して仕事の話しと子供の話しをして、その日は別れた。

…やっぱり誤解してるんだ。



続ストーカー20

2023-02-14 10:39:16 | 日記
それから少し、坂元はよそよそしかった。

たぶん、原田さんとのことを誤解しているんだろう…。

それでも、仕事が忙しかったせいもあって、その件には触れることもなく、数日が過ぎた。

「今夜会える?」

坂元からLINEが来た。

付き合うようになって、丸々一日LINEが無かったのは初めてだった。

誤解を解くべき?

…しかし、ただ単に立ち話をしただけなのに、勘違いで笑われてしまうかも知れない。


続ストーカー19

2023-02-11 08:44:08 | 日記
飲み会の帰り道、隣の課の先輩の原田さんと少し立ち話をして別れた。


「七美…」

「え?」
 
車がすうっ…と、近づいた。坂元だ。

「坂元さん…」

「迎えに来たよ」

「ありがとう!」

少し酔いが回っていたので、迎えの車は嬉しかった。

「今の人、誰?」

「原田先輩」

「あ、総務の?」

「うん。あ、原田先輩は、坂元さんの同期?」

「うん」

その日は、まっすぐに家まで送ると、坂元は帰って行った。

口数も少なかった…。

原田先輩の事を誤解しなければいいが…。