現在北海道産のマルハナバチの撮影をしているが、自宅周辺(旭川市)は普通種のはずのエゾコマルハナバチが全然見つからない。
平地はセイヨウオオマルハナ、エゾオオマルハナ、ニセハイイロマルハナばかり。ハイイロマルハナは稀にいる。
山地はアカマルハナ、エゾナガマルハナばかり。エゾトラマルハナは少ない。
エゾコマルハナは早い時期に巣を解散してしまうので今を逃すと今年は見れなくなってしまう。
そこで旭川から離れて夕張まで移動し探してみることにした。
天気が悪い中、すんなり見つかったエゾコマルハナバチ(働きバチ)
この辺りはニセハイイロマルハナ、エゾトラマルハナ、アカマルハナが多い。
道路脇で探したのでお気楽な反面、通り掛かる住民に不審な目で見られる。
しかしエゾコマルハナは働きバチばかりで女王が見つからなかった。雄バチは時期的にもう少し後だろう。
女王・雄バチも撮影しないと意味がないので6月下旬~7月上旬に再度訪れる予定。
で、夕張と言えばバリバリ夕張でお馴染み(?)夕張石炭の歴史村がある・・・いや昔あった。
※ 今となっては年配者しか知らない道民ネタ。
「夕張石炭の歴史村遊園地エリア」
歴史村は一部博物館として今も営業しているが、遊園地は解体され野ざらしになって荒れ果てている。
廃屋の奥にかつての展示物であるSLらしきものが見える。
30年ほど前、大学の学科行事で夕張に研修に来た際、ここで遊んだ。
(遊んだ記憶しかない)
遊園地で遊び過ぎて集合時間に遅れそうになり、駐車場に向かって友人たちとこの橋を爆走した。
昼食に食べたカレーを吐きそうになった記憶あり。
あの頃はバカなことばかりやってて楽しかったよ。
「メロン通年栽培場」
うろ覚えだが、ここも見学したような気がする。
完全に廃墟となっており、裏側が温室のような栽培エリアだが植物が生え放題でジャングルとなっていた。
夕張市は破綻して以降、このようなところばかりが増えてしまって寂しい限りであるが、町の景観としては昭和の雰囲気が残っており、なかなか心地よい雰囲気もあった。
また所々に忘れられたような古い石碑、石仏などが見られ、廃墟周辺や草藪の中に不意に現れて驚かされる。夜だったら恐怖案件。
というか、自宅付近でエゾコマルハナバチの産地ないものかね。
5月中旬、越冬成虫が芽吹いて間もない若々しいドクゼリに現れる。
水路の泥中で越冬していたので、成虫はどれも泥が付着していた。
孵化したばかりの幼虫も多く見られた。
成虫・幼虫がいるのに卵がどこにも見当たらない。
食草に見つけて下さいと言わんばかりにまとめて産み付けるのがハムシというもの。(ハムシ軽視発言)
ドクゼリ1株にいる幼虫数も少なく、複数の株に散在しているのも気になる。
というわけで調査してみた。
ペアを採集して産卵をさせてみれば全てが分かる。
交尾中のペア
そして採集したその日に問題は解決した。
雌はドクゼリの茎に穴を開けて・・・。
茎の中に卵を産み付けた。
移動してまた産卵する。
産卵痕
ドクゼリ茎を切って確認すると内壁に卵あり。
1回に5~7個ほど産み付けていた。
ドクゼリの茎は中が空洞になっているので、卵を隠し保護するのに都合がいい。
ドクゼリの構造をうまく利用している。
なかなかやるな・・・ハムシのくせに。
産卵から5日目
そろそろ孵化しそう。
産卵から6日目孵化確認
調査でキスジホソハムシは卵と蛹は茎の中、羽化後から翌年までは泥の中で過ごすため葉を食べる時期以外は姿を見せない事が分かった。
(表に現れるのは成虫は5月のみ、幼虫は5月中旬から6月下旬まで)
ドクゼリはキスジホソハムシにとって「食べ物」であり「揺りかご」であり「繭」でもある。
一連の流れは動画にまとめてYouTubeに投稿予定
本日は今年初の掘削系探索
場所は日高山脈西部。何年ぶりに訪れただろうか、前回ここに来たのはかなり前。
この辺りの低山地は雪はほとんど残っていない。おそらく真冬でも探索できるのではないだろうか。
とはいえ、4月の上旬なので朝は寒い。
掘り始めてまもなくしてエゾガロアムシ(幼虫)今年初。
寒いので動きが遅く、撮影しやすかった。
エゾガロアムシ成虫♀
メクラチビゴミムシの一種 Trechiama sp.
環境が一定で安定してる地下浅層にいるので、1年中成虫を見ることができる。
今回はこの子の生態動画を撮影するのが目的。
ジムカデの一種
君はどこまで伸びれば満足するんだい?
探索を終えて車に戻ると車の至るところに鳥の糞が・・・
意図的にやったな!
【希少種】キスジホソハムシ【幼虫から羽化までの記録】Prasocuris phellandrii
なぜ近年までこのハムシが見つからなかったのか?
この生活史を見ればなんとなく分かってきそう。
追記:大きな地震が東北地方で起こりました。
ほぼ同じ時間に記事が公開されていますが予約投稿です。
【絶滅危惧種】 エゾトミヨ探索と観察 Pungitius tymensis
資料には水の澄んだ場所に生息するとあったが、採集地は淀んだドブ臭い水路でした。