今回は石狩低地帯以東~石狩川南側の地域を調査してみた。
<夕張市産>
石狩低地帯に近い山地であるが、西側の札幌方面の山地とは30~40kmほど離れている。
ここで見つかったのは長翅種の1種のみ。
背面 左:♂ 右:♀
体長は雄7mm、♀9mm
写真では雄の翅がしわになっているが、本来は真っすぐ伸びている。
腹面 左:♂ 右:♀
雄の腹部側面
肛上板(矢印部)の形状は、旭川と深川で確認した個体と同じであることから、それらと同種と思われる。
<芦別市産>
背面 左:♂ 右:♀
体長は雄4mm、♀5mm
雄は極短翅型だが、雌は長翅型。フユシャク類と翅型が逆なのが面白い。
雌に飛翔能力があるなら、隔離せず分布域を拡散しやすい。
腹面 左:♂ 右:♀
写真では分かりづらいが、中胸腹板刺状板に腕状節片を確認できた。
雄の腹部側面
肛上板は太く膨らんだ形で、その前部にある突起も特徴的。
以前、札幌で調査した際に確認した極短翅種と形状が同じことから、同種と思われる。
その時は雌が長翅型であることは分からなかったので、これは大きな成果となった。
前回の旭川調査
2014年札幌調査
ちなみに研究が進んでいない分野なので、これらが記載種なのか不明。
今回の調査でも無翅種の確認はできなかった。
石狩低地帯が無翅種にとって、それほどの障害なのか個人的には疑問だが・・・
ただ広範囲で詳しく調べたわけではないので、分布していないとは言い切れない。