貫井徳郎氏の作品「追憶のかけら」を読破したのだが、”このミス”を始めとした今年のミステリー・ランキングの上位に選ばれるのではないかと確信した。
貫井作品の特徴は、「殺人症候群」等の”症候群三部作”や「慟哭」等の作品に見られる様に、人間のドロドロした部分を取り上げた重苦しいテーマのものが多い。それが為か、今一つ一般受けは決して良くない様で、賞というものに縁が薄い作家でもある。(「慟哭」が、第4回鮎川哲也賞最終候補作にはなったが。)
今回読んだ「追憶のかけら」は、今迄の彼の作風とは一寸雰囲気を異にしている。この作品の惹句は次の様に書かれている。
「戦後間もなく自殺した作家の未発表手記。そこに秘められた「謎」とは―?最愛の妻を事故で亡くした大学講師。失意の底にある彼を更に翻弄する何者かの悪意。長編ミステリアスロマン。」
口語体と文語体で書き分けられた文章が、タイムスリップを思わす独特の世界を作り出している。悪意の大本を突き止める迄に、幾つかのどんでん返しが潜み、ミステリーとしても秀逸。最後に、東野作品を思わせる切なさが盛り込まれる等、実に読ませる内容だった。
個人的には、今年読んだミステリー作品の中では、一押しの作品と断言する。
貫井作品の特徴は、「殺人症候群」等の”症候群三部作”や「慟哭」等の作品に見られる様に、人間のドロドロした部分を取り上げた重苦しいテーマのものが多い。それが為か、今一つ一般受けは決して良くない様で、賞というものに縁が薄い作家でもある。(「慟哭」が、第4回鮎川哲也賞最終候補作にはなったが。)
今回読んだ「追憶のかけら」は、今迄の彼の作風とは一寸雰囲気を異にしている。この作品の惹句は次の様に書かれている。
「戦後間もなく自殺した作家の未発表手記。そこに秘められた「謎」とは―?最愛の妻を事故で亡くした大学講師。失意の底にある彼を更に翻弄する何者かの悪意。長編ミステリアスロマン。」
口語体と文語体で書き分けられた文章が、タイムスリップを思わす独特の世界を作り出している。悪意の大本を突き止める迄に、幾つかのどんでん返しが潜み、ミステリーとしても秀逸。最後に、東野作品を思わせる切なさが盛り込まれる等、実に読ませる内容だった。
個人的には、今年読んだミステリー作品の中では、一押しの作品と断言する。
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TBありがとうございます。
すごい嬉しいです。
このミスですが、私もこの『追憶のかけら』を大プッシュいたします。
あと、個人的には『硝子のハンマー』を押しているのですが、本格系はどうでしょうね。
ミステリサイトとそれ以外のサイトの方たちでは違った見方のようですし。
『生首に聞いてみろ』は今読書中ですが、なかなかいい感じです。
「追憶のかけら」いいですよね。
古い文体が一部にあるのがちょっと心配ですが、
ランキング上位になったらいいですねー。
TBありがとうございました。
あわてて「追憶のかけら」を買い、読みました。(^^;;
まさか、犯人?が○○とは!!!!びっくりでした!
最後は泣かせますねぇ~!
ところで、つまらない事をお聞きしますが、「このミステリーがすごい!」というのは、宝島社のですよね?
募集形式になっていますが、「追憶のかけら」は応募したのでしょうか?
選考作品の中にはなかったので、気になりました。(^^;;
感想をブログに書いておきます。
では、これからもよろしくお願いします。
TBの事ですが、TBを受けたらそのままにしていましたが、良く考えるとこちらもした方が良いのでは?と思い直し、改めてさせて頂きました。
「このミス」は文春、ハヤカワのもあるんですね!
勉強になりました。
ありがとうございました。
新鮮な視点で描かれていて、
なかなか先も読めず、楽しみました!
が、しかし、主人公二人の「ぼんくら」ぶりには少々イライラさせられて……。(笑)
大沢在昌の主人公や東野作品の加賀刑事のようになれ、とは言わないけどぉ~っ、って。(爆)
東野さん、新作出されましたね。
「裁く権利は誰にあるのか」・・・ふふふ、読み応えのありそうな題材です。
これから「硝子のハンマー」を読もうと思います。