
2年前、「“ドラマのTBS”」という記事を書いた。其の冒頭で「民放の中で一番思い入れが強いのはTBSだ。今でこそ“後退”した感が在るけれど、昔のTBSは本当に凄かった。色んな分野で魅力的な番組が放送されていて、“報道のTBS”とか“歌番組のTBS”等と呼ばれていたが、個人的には“ドラマのTBS”という印象が強い。」と記した上で、「自分が“リアル・タイム”で見て来たTBSドラマの中から、“連続物”に限ってのベスト10。」を選んだのだが、1位は「Gメン’75」【動画】だった。
「『Gメン』シリーズ」は「Gメン’75」(1975年5月24日~1982年4月3日)、「Gメン’82」(1982年10月17日~1983年3月13日)、「Gメン’93春 第一級殺人の女」(1993年4月13日)、「Gメン’75スペシャル‐帰って来た若獅子たち-」(2000年10月23日)、そして「Gメン’75スペシャル 東京・北海道トリック殺人事件」(2001年4月16日)の5種類を指すが、自分にとって“Gメン”とは「Gメン’75」だけと言っても良い。刑事ドラマは数多く生み出され来たけれど、断トツで好きなのが「Gメン’75」で在る。
そんな「Gメン’75」の全355話が、DVDコレクションとして刊行開始となった。デアゴスティーニ・ジャパンの「Gメン’75 DVDコレクション」というタイトルで、第1号は5月18日に刊行。原則「3話収録/号」で、全119号が予定されている。隔週刊行なので、完結は約4年半先という事になる。
2年前から刊行されている「仮面ライダーDVDコレクション」といい、デアゴスティーニ・ジャパンは“我々世代の壺”をぐっと突く商品を売り出して来る。今回の「Gメン’75 DVDコレクション」は全号揃えると約21万円もしてしまうので、創刊号特別価格「499円」の第1号だけを取り敢えず購入する事に。
「第1話 エアポート 捜査線」、OPで一気に引き込まれた。「陽炎が立ち込める中、メンバー7人が滑走路を横一列に歩く構図に、各々のアップを映した余りにも有名なタイトルバック。」で、当時の子供達は必ずと言って良い程に真似した物。芥川隆行氏のナレーション「ハードボイルド、Gメン’75。熱い心を、強い意志で包んだ人間達。」も合わせ、実に痺れる格好良さだ。
「Gメン’75」のメンバーは、最終的に「22人」となっているけれど、個人的には“第1話~第33話迄の組み合わせ”、即ち「黒木警視(丹波哲郎氏)、関屋警部補(原田大二郎氏)、草野刑事(倉田保昭氏)、津坂刑事(岡本富士太氏)、響圭子刑事(藤田美保子さん)、小田切警視(夏木陽介氏)、そして山田刑事(藤木悠氏)の7人。」が、最も印象的。(DVDコレクションに付いているマガジンで初めて知ったのだが、Gメンの“正式メンバー”は小田切警視以外の6人で、小田切警視は彼等の“協力者”という立場なのだとか。又、「合計22人のメンバーの中で、殉職したのは関屋警部補と津坂刑事の2人だけ。」というのも、意外な事実だった。)7人の内、丹波氏、夏木氏、そして藤木氏の3人は、既に鬼籍に入られている。
重厚な演技を見せる丹波氏は、自分が好きな俳優の1人だけれど、「Gメン’75」で黒木警視役は渋くて格好良く、填まり役と言って良い。一気に見てしまうのは勿体無いので、第1話だけを見たけれど、ストーリーや映像、使用されている音楽等、46年経った今でも素晴らしい。ドローンやCGが当たり前の様に使われている今ならばそんなに驚きは無いだろうけれど、「犯人が乗り込んだモノレールに並走して追跡する車を、“空撮”で捉えたシーン。」や「犯人に乗っ取られた走行中のバスに、陸橋から屋根に飛び降りて、格闘の末に逮捕する草野刑事。」というのは、当時圧巻された物だし、今見てもドキドキしてしまう。
映像からは、当時の風景や世相が感じられ、とても懐かしい。又、「警視庁の地下室で行われる“取り調べシーン”。」というのが「Gメン’75」での御約束だったが、場所が“射撃練習室”で在り、防弾チョッキを着せた容疑者に発砲したりと、“今”では放送コンプライアンス的に問題となるのは間違い無いだろう。
「草野刑事が大活躍する“香港空手シリーズ”。」や「蟹江敬三氏演じる“望月源治シリーズ”。」等、大好きなシリーズが今後刊行されて行くし、第1話を見終えた段階で「全巻、買い揃える事になりそうだな。」という思いに。