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ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「ラスプーチンの庭」

2021年03月31日 | 書籍関連

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グリゴリー・ラスプーチン帝政ロシア末期に現れた祈祷僧ロマノフ朝最後の皇帝ニコライ2世の息子アレクセイ皇太子の難病を“不思議な力”で治した事で、皇帝夫妻から絶大な信頼を得て、宮廷内で権力にする。其の事が、ロシア帝国崩壊の一因となった。「青酸カリを盛ったプチフール紅茶を飲まされても数時間平然としており、泥酔した彼の心臓を合計2発拳銃で撃たれた事で床に倒れ込む。死んだと思われたが、起き上がって来たので、更に額等を撃たれて死亡した。」という超人的な面を見せた事等から、“怪僧ラスプーチン”とも呼ばれる。
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中山千里氏の小説ラスプーチンの庭」は、「刑事犬養隼人シリーズ」の第6弾。

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中学生の娘・沙耶香(さやか)を病院に見舞った警視庁捜査1課犬養隼人(いぬかい はやと)は、沙耶香の友人・庄野祐樹(しょうの ゆうき)という少年を知る。長い闘病生活を送っていた祐樹だったが、突如、自宅療養に切り替え、退院する事に。

1ヶ月後、祐樹は急死。犬養は告別式に参列するが、祐樹の身体に奇妙なが多数在る事に気付く。そして、同時期に同じ痣を持った女性の自殺遺体が見付かり、本格的な捜査が開始。軈て「ナチュラリー」という民間医療団体に行き当たる。主宰の謎の男の正体と、団体設立に隠されたの狙いを追う内に、民間療法の闇が浮かび上がって来て・・・。
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先日、“最後のイタコ”と呼ばれる女性を取り上げている
ドキュメンタリー番組を見た。「死者の霊魂憑依させ、縁者と対話させる“口寄せ”を行う。」のがイタコで、自分は全く信じていないし、「胡散臭いな。」という思いしか無かった。でも、此の番組を見て、少し考えが変わった。番組によると「イタコには特殊な霊能力が必要な訳では無いし、口寄せを頼んだ者に寄り添って色々と話をする“カウンセラー的な色合い”が強い。」様で、「高額な金銭を巻き上げるならば話は別だが、イタコによって“苦しみ”が取り除けられるならば、そういうのも『在り。』なのかもなあ。」と感じたのだ。

先進医療”で病が改善されず、死を待つだけの様な患者や其の家族にとって、“民間療法”に頼りたくなってしまう気持ちが起きるのは、理解出来なくは無い。祖母が末期に成った際、母や伯母達が(「癌に効果が在る。」と言われていた)サルノコシカケを購入し、祖母に飲ませていた事も在るから。「溺れる者は藁をも掴む。」と言うが、何とも無い時には「馬鹿らしい。」と一笑に付していた事でも、どうしようもない状況に置かれてしまうと、縋ってしまうのが人間。そんな先進医療と民間療法を、「ラスプーチンの庭」は取り上げている。

犯人達の“動機”は理解出来るが、でも、「そういう動機が在るからといって、“ああいう犯行”をするという方向に結び付くかなあ?」という納得の行かなさが在る。動機と犯行への結び付きに、どうしても無理を感じてしまうのだ。

又、冒頭に2人の幼い姉妹が登場する。2人は御互いを“グーちゃん”と“ユーちゃん”という綽名で呼び合い、実名は一切明らかにされない。彼女達が経験して来た事や発言から、「彼女達が犯人となる。」のは想像付くのだが、2人の実名と綽名の関係性が全く判らず、モヤモヤとした思いが残ってしまう。綽名というのは実名や見た目等から付けられる事が多い訳で、こうも全く結び付かない綽名となってしまうと、「犯人当てという点から、実名と直結してしまう綽名は避けた。」という理由が在るにせよ、余りにも無理無理で冷める。

「ラスプーチンの庭」というタイトルも、“ラスプーチン”を持って来るのは判るが、“庭”というのが読み終えてもしっくり来なかった

総合評価は、星2.5個とする。


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