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「雄雌で羽を食べ合う蜚蠊発見 根元迄・・・浮気防止?」(3月27日、朝日新聞)
「沖縄の森林に生息する蜚蠊の一種が、雄と雌で互いの羽を食べ合う生態を持つ事。」を、九州大の大学院生・大崎遥花さんと粕谷英一准教授が発見した。
「生物が異性の体を食べる行動は蟷螂等で知られていたが、両性が食べ合う行動は、此れ迄確認されていなかった。」と言う。
羽を食べ合うのは、沖縄や奄美大島に生息する体長約3~4cmの琉球朽ち木蜚蠊。黒蜚蠊等、住宅に出る物とは異なり、一生の多くの時間を朽ち木の中で、木を食べ乍ら過ごす。
例年、5~6月の繁殖期に若い成虫が飛行して相手を探すが、朽ち木の中で見付かる成虫は、羽が無い状態が殆どで、詳しい理由は判っていなかった。
大崎さんは沖縄本島北部の国頭村で幼虫の内に採集し、羽の在る成虫に育った若い番い24組を観察。内12組は互いの体を舐め合い乍ら、1~3日掛けて互いの羽の根元迄食べ尽くした。9組は部分的に食べ、3組は全く食べなかった。異性の体を食べる行動は蟷螂の雌が雄を食べる「性的共食い」や、螽斯の一種で、雄が自分の羽を雌に食べさせている間に交配する「婚姻贈呈」等の例が知られているが、「両性が食べ合う行動は、初めて確認された。」と言う。
琉球朽ち木蜚蠊の番いは、数年間の生涯に亘りペアを変えず、繰り返し子育てをする「厳密な一夫一妻」と考えられていると言う。大崎さんは「木の中で動き易い様、互いに羽を取ったり、浮気をさせない為に捥いだりしているのかも知れない。交尾や子育てにどう関わるかも含めて、明らかにして行きたい。」と話している。
研究成果は1月、行動生態学の専門誌「エソロジー」に掲載された。
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蟷螂の「性的共食い」に付いては知っていたが、螽斯の一種がしていると言う「婚姻贈呈」というのは知らなかった。又、今回の琉球朽ち木蜚蠊が行っている「雌雄で羽を食べ合う行為」が、「木の中で動き易い様、互いに羽を取る。」というのは「成る程なあ。」と思ったけれど、「浮気をさせない為、羽を捥いでいるのかも知れない。」というのは興味深い。羽が存在するので在ればだが、不倫問題で離婚した事が明らかとなった某球団の元エースなんぞも、浮気防止の為に、羽を捥いでおいた方が良かっただろう。