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「北京暴走族 第2環状線33km13分で爆走『二環十三郎』の異名」(11月25日、NEWSポストセブン)
中国の首都・北京で第2環状線の全長33kmをバイクに乗って13分間で爆走する暴走族「二環十三郎」との異名を持つ30歳の男が逮捕され、禁固3ヶ月罰金3,000元(約6万円)を科された事が判った。中国で暴走族の存在がニュースで報じられるのは極めて異例で、暴走族が大きな社会問題化していると見られる。北京紙「新京報」が報じた。
逮捕された暴走族の男は江西省出身で、2009年に大学を卒業後、自動車会社に勤務したものの、バイクによる暴走が習慣となり、会社を辞め、出稼ぎで北京に定住。親からの仕送りを頼りに、暴走を繰り返していた。
何回も警察に追い掛けられたものの、其の都度、スピードを出してパトカーを撒いており、何時しか「二環十三郎」と呼ばれる様になった。
此の意味は第2環状線の全長33kmを13分で爆走する事から来ている。第2環状線は制限時速60kmで、完全なスピード違反で在り、十三郎のバイクの平均速度は時速152kmとなる。
凄まじい速さに、煽りを喰らって事故を起こす車も多く、多数の死傷事故が発生していると言う。
北京の日本人商社マンによると、中国で現在、空前の暴走族ブームが起きており、北京に限らず、中国全土で社会に不満を持つ若者を中心に暴走するグループが多発していると言う。
此の商社マンは「夜に仕事を終えて、自宅に帰る際に、環状線を走っていると、爆音を響かせ乍ら蛇行運転している10台程のバイクの暴走族に遭遇した。彼等はノーヘルでマスクをしており、鉄パイプで地面を擦って火花を散らせたりしており、日本の往年の暴走族とそっくりでした。日本の嘗ての暴走族が中国の暴走族の原点になっている様ですね。」と話している。
又、別の日本人駐在員によると、中国には暴走族を取り締まる法律が無く、精々スピード違反程度。此の為、十三郎の様に、軽い刑罰で済んでしまうと言う。
然し、北京や上海、広州等、中国の大都市部の交通渋滞は日本以上だけに、「其の迷惑度は日本以上で、彼等の暴走が元で起こった事故は多数在るだけで無く、強盗集団に早変わりする等、犯罪集団化しています。」と中国の暴走族事情を解説している。
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我が国の“高度経済成長期”は、「1954年12月に始まり、1973年11月迄の約19年間。」とされている。未曽有の経済成長を遂げた後、様々な“光”と“陰”も生まれた。1950年代から1960年代に掛け、富裕層の中から「カミナリ族」なる連中が現れてはいたものの、所謂“暴走族”が大きな社会問題化したのは、1970年代から1980年代に掛けての事。此処数年で大きく経済発展した中国で、暴走族が社会問題化しているというのは、「日本と似た様な“道”を辿っているんだなあ。」と思ってしまう。
「似た様な“道”を辿っている。」と言えば、日本が高度経済成長を遂げた際、「公害が社会問題化。」したり「海外旅行が大ブームになった。」りしたけれど、そういった点も同じ。でも、今の中国では「国内での経済格差が物凄い。」という実態が在るけれど、「高度経済成長期の我が国では、経済格差が縮小していた。」という事で、其の違いは興味深い。