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「天婦羅踏んで転倒で賠償 スーパーに約58万円支払い命じる」(12月9日、FNNプライムオンライン)
スーパーのレジの前に落ちてい天婦羅を踏んで転倒し、怪我をした客が訴えた裁判で、東京地裁はスーパー側に、凡そ58万円の支払いを命じた。
此の裁判は、東京都内在住の男性(35歳)が2018年、東京・練馬区のスーパー「サミット」で、レジの前の床に落ちていた南瓜の天婦羅を踏んで足を滑らし、右膝を負傷したとして、「サミット」に凡そ142万円の損害賠償を求めていた物。
此の裁判の判決で、東京地裁は「事故発生時、従業員がレジ周辺の安全確認を行っていた形跡は無かった。」等として、「サミット」に凡そ58万円の支払いを命じた。
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少し古いニュースになってしまうが、自分が知ったのは数日前だったので、今回取り上げる事にした。気になったので色々調べた所、「店側は事故に付いて男性に謝罪し、6万円余りの支払いを提示。」、「男性は店側の謝罪に誠意が感じられなかった事も在り、通院費&慰謝料として凡そ142万円の支払いを求める裁判を起こした。」、「東京地裁は、『天婦羅を落としたのは従業員では無く、利用客による物だった。』とした上で、消費者庁のデータを基づいて『想定外の事態とは言えない。』と指摘し、店側が安全確認の徹底等で『物が落下した状況が生じない様にすべき義務を尽くさなかった。』と判断。 一方で、『天婦羅の大きさからして、男性も容易に天婦羅の存在に気付く事が出来たにも拘らず、足元の注意を怠った過失が在った。』として、賠償額を減らした。」等が、追加情報として得られた。
以降は、飽く迄も“自分が得る事が出来た情報の範囲”で考えを記す。一番悪いのは「天婦羅を落とし、其の儘にした客。」だろう。「落とした事を、全く気付かなかった。」というので在れば、仕方無いだろうけれど、落としたのを気付いていて、立ち去ったのだとしたら最悪だ。次に悪いとしたら、店側という事になるのか。で、転倒した男性は、気付いていて踏んだのでは無い限り、悪くは無いだろう。
そういう意味では、店側が男性に対して謝罪するのは当然だし、“見舞金”を払うのも理解出来る。でも、だからと言って、損害賠償の要求額が凡そ142万円というのは、余りに法外な気がする。(後遺症が発生していたりしたら話は別だけど、調べた範囲ではそういう事は書かれていなかった。)東京地裁が支払いを命じた凡そ58万円だって、事故の内容を考え合わせると「そんなに支払わせるの・・・。」と思ってしまう。
アメリカで1992年に発生した「マクドナルド・コーヒー事件」(マクドナルドで購入した珈琲を膝の間に挟み、蓋を開け様とした79歳の女性が、誤って珈琲を膝に掛けてしまい、火傷を負った。彼女は「火傷の直接的な原因が、自身の行動に在った。」という事は認めた上で、「余りに熱いコーヒーを提供した店側に問題が在る。」として損害賠償を求める裁判を起こし、裁判所は当時のレートで約3億円の支払いを店側に命じた。結果的には、減額された約6,300万円の支払いで和解が成立。)程の高額では無いけれど、こんな判決が今後も通ってしまう様では、店側も堪らないだろう。アメリカみたいになって欲しく無い。