今朝の東京新聞に、「死刑執行9年振り無し」という記事が載っていた。法務省によると、死刑判決が確定し執行されていない死刑囚は、今年末時点で110人となる見通し(死刑確定囚リスト)で、「法律上、12月29日以降の年末の執行は出来ない。」事から、今年は2011年以来9年振りに、“1年を通して死刑執行が無かった年”になると言う。(最後の死刑執行は、2019年12月26日。)又、今年、死刑確定囚の内4人が病気等で死亡し、新たに2人の死刑が確定した。
静岡地裁が再審開始決定を出し、今月22日に最高裁が東京高裁に審理を差し戻した袴田巌氏(84歳)は釈放されている為、刑事施設に収容中の死刑囚は109人。
過去の記事「これでも死刑反対ですか?」や「殺された人間には『遣り直しの機会』が無いというのに」等で触れて来た様に、自分は一貫して“死刑制度に賛成の立場”で在る。でも、人の生き死にに関わる重大な制度で在るのも事実で、冤罪の可能性を考え合わせると、“死刑制度に反対の立場”の方が居られるのも理解出来る。
実際問題、「袴田事件」で死刑が確定した袴田巌氏には、自分も「冤罪だろう。」という気がしており、彼の様な場合は死刑執行を行うべきでは無いし、「再審での無罪確定。」を望んでもいる。又、永山則夫元死刑囚の様に“余りに悲惨な生い立ち”の場合や、記事「或る死刑囚の話」の中で触れた元死刑囚の場合は、死刑執行される事に抵抗を感じたりもする。
上で紹介した「死刑確定囚リスト」によると、「死刑未執行の死刑囚で、最も早く死刑が確定した。」のは1970年11月12日の事。もう50年を越えているのだ。
少しでも冤罪の可能性が在れば死刑執行すべきでは無いけれど、死刑囚自身が完全に“死刑に値する罪”を犯したと認めている場合や、麻原彰晃元死刑囚等の様に「死刑以外に考えられない。」と殆どの人が考える場合は、死刑執行の手順に従って“速やかに”執行すべきで在る。死刑制度が存在する以上、(“上記した死刑執行すべきでは無いと考える場合”以外の)死刑囚の死刑未執行がこんなにも多いのは、国の怠慢だと思う。