ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「蛸配当」と一緒

2013年05月31日 | 時事ネタ関連

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「<鹿児島県>職員1,000人を中国上海定期便維持目的」(5月29日、毎日新聞

 

鹿児島県は29日、延べ1,000人規模の県職員を中国・上海に派遣する短期特別研修事業を実施すると発表した。利用者減が続いている定期航空路線の鹿児島-上海便の利用率アップを図るのが狙いで、1億1,800万円(1人当たり約12万円)を6月補正予算案に計上する。可決されれば7月上旬からの派遣となる。県によると、国際定期便維持のの職員研修は全国初公金を使った一時凌ぎ梃入れとの批判も出ている。

 

同便は、2002年8月から就航。一時は週4便(往復)だったが、鳥インフルエンザ尖閣諸島を巡る日中間の問題で利用者が減り、今年4月以降は週2便となった。4~8月は13便がキャンセルされる等、低迷が続いている。

 

研修(3泊4日)はインフラ整備の見学等で12月を予定しており、1回に就き50人が参加する。食事代やパスポート代等も県の負担で、県行政管理室は経済的にも、上海の繋がりを切る訳にはいかない。職員の見聞を広める事が、県民の利益になる。と理解を求めている。

 

此れに対し、全国市民オンブズマン連絡会議の児嶋研二代表幹事利用率の低迷は、需要が無いから。1億円が在れば、県民に何れだけより良いサーヴィスを提供出来るのか。利用率が上がったとしても一時的で、極めて時代錯誤と言わざるを得ない。と指摘した。

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我が国には、地方管理空港」が54ヶ所在るそうだ。(此の他に「会社管理空港」(4ヶ所)や「国管理空港」(19ヶ所)、「特定地方管理空港」(5ヶ所)、「其の他の空港」(12ヶ所)、「共用飛行場」(8ヶ所)等が存在。)他国と比べて此れ等の数が多いのかどうかは此方でも比較されているが、3年前のNHKの調査では自治体運営の55ヶ所(当時)の内、51ヶ所が赤字という事で、少なくとも“採算面”で言えば「地方管理空港の数は多過ぎる。」と自分は思う。

 

今回問題になっている定期航空路線「鹿児島-上海便」、一時は週4便(往復)だったとの事。此の時点で採算が取れていたのかどうなのか判らないのだが、採算が取れていなかったとしたら、計画段階から杜撰だったという事になる。又、採算が取れていたとしても、不測事態というのは起こるものだし、莫大な公金を投入して定期航空路線をスタートさせる以上は、計画段階で或る程度のマイナス要素は採算に組み込んでおかないとまずいだろう。

 

地元の有力者政治家等)が、が権力の誇示私利私欲充足の為“だけ”に、杜撰な計画を元にした箱物誘致&建設する。というのが、残念な事に我が国では多く行われて来た。そして莫大な赤字を生み出すと、血税を投入する等、住民負担をさせる事で穴埋めを繰り返すというのも、良く行われる事。

 

3年前に横浜で開催された「開国博Y150」は、其の開催計画が余りに杜撰だった事も在り、莫大な赤字を残す事になった。当時は中田宏市長だったが、開催中から莫大な赤字が残る事が確実となり、公立小学校の生徒を公費投入で大動員する等し、其れが問題になったりしたが、“発想”としては今回の件と似ている。

 

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蛸配当=≪空腹の時に自分の足を食うと言われる所から》株式会社に於て配当得る利益が無いのに、決算時の操作によって計算上の利益を生み出し、配当を行う事。違法配当。蛸。蛸配。蛸足配当。

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「『開国博Y150』の赤字を少しでも抑える為、公費投入で公立小学校の生徒を大動員した。」のも、「定期便を維持する為、鹿児島県職員1,000人を上海に公費で派遣する。」のも、蛸配当の様な一時凌ぎでしかないと思う。「経済的にも、上海の繋がりを切る訳にはいかない。職員の見聞を広める事が、県民の利益になる。」と鹿児島県行政管理室ではコメントしている様だが、其れならば其れで、“具体的に”何れだけのメリットを生み出すのかを、住民に提示しないと駄目だろう。


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6 コメント

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Unknown (透明人間)
2013-05-31 21:45:48
見聞をひろげる?
俺は無知だから見聞の意味をよく分かりません
だけど何かを学ぶと言う意味なら何を発展途上国から学ぶんでしょう
逆にあちら側が見聞を広げる為に(一応)先進国に来るなら分かりますが?
これからは地元の空港が赤字を出したら地元の税収で補填する制度を作って欲しいですね
そうすれば地元民も厳しい目で政治家を選ぶでしょう・・・そんな事は昔から言われてる事なんでしょうが
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>透明人間様 (giants-55)
2013-06-01 00:18:33
書き込み有難う御座いました。

「故きを温ね、新しきを知る。」(http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/195924/m0u/%E6%95%85%E3%81%8D%E3%82%92%E6%B8%A9%E3%81%AD%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%8D%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%8B/)という至言も在りますし、所謂「先進国」が「発展途上国」から学ぶ事も、時には在ると思うのですが、少なくとも今回の件に関して言えば、「先ず定期便維持在りき。」で始まっている事で在り、「学ぶ」というのは取って付けた理由なのが在り在りで、其処に嫌な感じを受けますよね。

「選挙に勝つ為に、地元への利益誘導を最優先させる政治家。」と「自分達さえ良ければ、他の事は知ったこっちゃ無いという地元民。」の凭れ合い。そういう意識を根本から変えていかないと、此の国はどんどんおかしな方向に進んで行くでしょうね。
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今更ながらですね (マヌケ)
2013-06-01 14:56:51
行政の海外研修というのは、ほとんどが慰労目的で、ただの旅行です。 レポートが義務付けられているだけで、出張の日当まで支給されます。 情報開示請求して見ればわかりますよ。 貧乏な地方公務員が官費で旅行をするだけのことで、昔からの習わしです。 大挙して旅行することが可能なほど、行政は暇を持て余しているところがあり、ならば、東北に応援にでも行った方がまだましではないでしょうか。
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>マヌケ様 (giants-55)
2013-06-01 17:10:20
書き込み有難う御座いました。

GWや年末になると、政治家連中が「視察」と称し、大挙して「海外旅行」していますよね。視察のレポートも、「ネット上に転がっている文章を、其の儘丸写ししていた。」なんてケースが何度か報告されましたし、こいつ等は一体“血税”を何と思っているのだろうか?

自腹を切るなら何処に行こうが、幾ら使おうが勝手だけれど、血税を私的な事柄に使うというのは、もう厳罰を科して欲しい。此れは政治家のみならず、公務員も同様だけれど。
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お金の使い方がおかしい。 (鹿児島県民)
2013-06-02 17:15:06
※投稿できたのか、数字の入力に失敗したのかわからないのでもう一度投稿します。
重複の場合はお手数ですが削除してください。

誤解する人がいるかもしれないので念のために。

鹿児島空港は地方管理空港ではなく国管理空港。
そして赤字ではなく黒字です。

「莫大な公金を投入して定期航空路線をスタートさせる」というが、鉄道のように、線路を引いてくるわけではないので費用はそれほどかからない。

現在の需要の落ち込みが一時的なものなら、将来の為に一時的な負担をして路線を維持するのは一概に悪いとはいえない。

その上で問題なのは、、「延べ1,000人規模の県職員を中国・上海に派遣する短期特別研修事業」という頭の悪い方法をとったことである。
鹿児島-上海の往復運賃は正規で6万円、早割を使えば3万3千円ほどになる。
それにも関わらず、一人あたり12万円も予算を計上している。
これはなぜかというと、鹿児島-上海は日帰りできず、水曜日に行くって日曜日に戻ってくる、もしくはその逆しかできないためだ。
つまり、予算の半分以上が現地での滞在費に使われている。
しかも、不要不急の研修をするということは、その分の人件費が無駄になるということである。
水~日、で5日間、日~水で4日間、人間を無駄に遊ばせることになる。
これによる無駄は、1日当たりの人件費を2万円として、1000✕2万円✕4.5日=9千万円となる。
つまり、実際は2億円のお金を使っているのだ。
そして、それだけのお金のうち実際に路線維持の役に立っているのは運賃として支払われる3千三百万円~6千万円だけである。
こんな阿呆なことをするくらいなら、航空会社に直接金を渡したほうがずっと効率的だ。
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>鹿児島県民様 (giants-55)
2013-06-02 21:51:11
初めまして。書き込み有難う御座いました。最初に書き込んで下さったという内容ですが、何等かの理由で“登録”されなかった様で、2度目の書き込みが登録されておりました。ですので、2度目の書き込みを“反映”させて貰いましたが、どうも一部に文字化けが出てしまう様です。下から7行目の計算式が其れで、恐らくは「加減乗除の文字」が文字化けしているのだと思われます。申し訳在りません。

鹿児島空港は「地方管理空港」と許り思い込んでいたのですが、「国管理空港」だったのですね。御指摘有難う御座いました。又、「一時は週4便(往復)だったとの事。此の時点で採算が取れていたのかどうなのか判らないのだが~。」と書いたのですが、黒字との事で、此れも情報有難う御座いました。

「現在の需要の落ち込みが一時的な物なら、将来の為に一時的な負担をして路線を維持するのは、一概に悪いとは言えない。」、此れは其の通りだと思います。以前、スーパーコンピューターの予算削減が賛否両論を生んだ際、自分は「長期的な視点から、“真に”メリットが在るのならば、目先の費用に捉われるべきでは無い。問題なのは『スーパーコンピューターの分野で世界一になるのは重要。』という抽象的な理由では無く、又、『スーパーコンピューター』というのを錦の御旗にして、訳の判らない組織や天下りで無駄な血税が湯水の如く注ぎ込まれる事は許されない。」といった事を書いたのですが、「将来的に其れ以上のメリットを生むのが見込まれるので在れば、一時的な資金投入は止むを得ない。」と今回のケースでは思います。唯、「一時的な資金投入で済む具体的な根拠」と「具体的な期間」、そして「具体的なメリット」を県民に説明する義務は在ると思っていますが。

鹿児島県民様が指摘されている「(今回の遣り方は)頭の悪い方法」という点、内容を拝読すると「成る程。」という感じです。血税を投入する事が不可欠ならば、より少なく、そしてより効果的な遣り方を考えなければいけない。其の意味で、今回の遣り方というのは、「知恵が無い。」と言えそうですね。

今後とも、何卒宜しく御願い致します。
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