“おヒョイさん”の愛称で知られる俳優・藤村俊二氏が、1月25日に心不全で亡くなっていた事が、昨日明らかとなった。享年82。2015年10月に日本テレビ系「ぶらり途中下車の旅」【動画】のナレーションを体調不良で降板し、以降は療養生活を送っていた。
藤村氏を初めて知ったのは、「巨泉×前武ゲバゲバ90分!」【動画】だったと思う。捉え処の無い飄々とした雰囲気が特徴的で、其の後の「カリキュラマシーン」【動画】でも気になる存在だった。合掌。
当ブログで何度か取り上げている「昭和9年会」。「昭和9年(1934年)生まれの芸能人による親睦団体」で、1976年に愛川欽也氏と長門裕之氏が中心となって発足。「昭和9年会」という言葉の響きが印象的で、又、メンバーに個性的な人が多かった事から、自分の中では気になる会だった。
昭和9年生まれと言えば、終戦の年(1945年)の彼等は11歳。食べ盛りの頃は戦争中で、満足に栄養を取れなかった事も在るのだろうか、メンバー達は概して早く亡くなられているイメージが在る。2010年に玉置宏氏が76歳で亡くなられて以降、毎年、メンバーが亡くなっている。
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「昭和9年会メンバーの物故者」
伊藤一葉氏(1979年9月30日没。)
初代・引田天功氏(1979年12月31日没。)
藤村有弘氏(1982年3月16日没。)
石原裕次郎氏(1987年7月17日没。)
玉置宏氏(2010年2月11日没。)
坂上二郎氏(2011年3月10日没。)
長門裕之(2011年5月21日没。)
佐藤允氏(2012年12月6日没。)
牧伸二氏(2013年4月29日没。)
山本文郎氏(2014年2月26日没。)
愛川欽也氏(2015年4月15日没。)
8代目橘家圓蔵氏(2015年10月7日没。)
大橋巨泉氏(2016年7月12日没。)
藤村俊二氏(2017年1月25日没。)
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亡くなられた14名の平均寿命を計算すると約70.40歳。2015年の日本人男性の平均寿命が「80.79歳」なので、其れからすると10歳以上も短命という事になる。牧伸二氏以外は病死なので、其れを考えると「矢張り、食べ盛りの頃に満足に栄養が取れなかった事が、大きく影響しているのかなあ。」と思ってしまう。物故者のメンバーで平均寿命を超えたのは愛川欽也氏、8代目橘家圓蔵氏、大橋巨泉氏、そして今回の藤村俊二氏の4人だけで、一番長かった大橋氏でも平均寿命より「約1年半」長いだけ。
現在、昭和9年会のメンバーで御存命なのは財津一郎氏、森岡賢一郎氏、松平直樹氏、宝田明氏、中村メイコさん、森山周一郎氏、天田俊明氏、睦五朗氏、筒井康隆氏、そして前田憲男氏の10名とか。物故者メンバーの分も、充分長生きして欲しいもの。
が、全体としてみれば大きな要因を占めていることは間違いないでしょうね。
歳の離れた兄は昭和10年生まれで、今ではありえないことですが、中学を中退して働きに出なければならない家庭状況だったということです。
そんな過酷な少年期を過ごしたせいかどうか、66歳でこの世を去りました。
この兄たちの苦労のおかげで、飢えを知らずに育った戦後生まれの私は、すでに兄の歳を追い越してしまっています。
石原裕次郎氏の様な例外も、確かに在りますね。でも、戦争中に育ち盛りを迎えていた子供達の少なからずは、栄養摂取の面で劣悪な環境に置かれていて、学童疎開をしていた我が父なんぞは、食べる物が無くて、蛙や蛇を捕まえて食べていたと良く話していました。其の影響も在ってか、若くして心臓病で急死。
悠々遊様の御兄様も、過酷な少年期を送られたとの事で、心が痛みます。御兄様達の様に、過酷な環境の中を頑張って来られた方々が、今の日本の繁栄を下支えされた事を、我々は忘れてはいけないですね。