ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「西の空に明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んで行く。」

2007年03月04日 | TV番組関連
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”策略宇宙人”デスレムを倒し、囚われの身となっていたGUYSの隊員達は地球に帰還を果たした。しかし、サコミズ隊長(田中実氏)・リュウ(仁科克基氏)・ジョージ(渡辺大輔氏)の傷は未だ治らない。当分は残りのメンバーで頑張るしかない状態。

そんな中、或る場所のダムが氷結したとの情報が入った。急いで現場に駆け付けたミライ(五十嵐隼士氏)とテッペイ(内野謙太氏)の前に、四天王の一人”冷凍星人”グローザムが出現。地球の全てを凍結させる力を持つグローザムを前に、ミライはメビウスに変身する。しかし、この場にメビウスを呼び出す事こそがグローザムの罠だった。口から吐かれた冷気によって、メビウスは凍らされてしまったのだ。

氷の像と化したメビウスを見て、コノミ(平田弥里さん)は絶望する。しかしその時「諦めてはいけない。」という声が。コノミが顔を上げると其処にはモロボシ・ダン(森次晃嗣氏)の姿が在った。
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ウルトラマンメビウス」第46話「不死身のグローザム」はGUYSの男性隊員達が全て戦闘不能状態に陥り、女性陣だけでメビウス救出に向かうという展開。コノミ隊員にマリナ隊員(斉川あいさん、フジサワ・アサミ博士(石橋けいさん)、そしてミサキ総監代行(石川紗彩さん)しか居ない本部というのは、何か昔の「独占!女の60分」(初期バージョンでは無いものの、こちらで懐かしの動画等が視聴出来る。)のスタジオ風景を思わせる。そうなると「ミサキ総監代行=水の江瀧子さん、アサミ博士=丹下キヨ子さん、マリナ隊員=宮城千賀子さん、コノミ隊員=一谷伸江さんorキャッシー中島さん」といった感じになるのか?そして彼女等を助太刀するのが、カウボーイ姿で馬に跨がり登場のモロボシ・ダン、そうウルトラセブンだ。

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[夜空の下、向き合うダンとアンヌ(ひし美ゆり子さん)。]

ダン: 「アンヌ、僕は・・・。僕はね・・・人間じゃないんだよ。M78星雲から来たウルトラセブンなんだ!」

[二人の姿がシルエットに転じ、シューマンの「ピアノ協奏曲 イ短調 54番」が響き渡る。心の動揺を示しているかの様に、風に靡くアンヌの髪。]

ダン: 「ビックリしただろ?」

アンヌ: 「うぅん・・・、人間で在ろうと宇宙人で在ろうと、ダンはダンに変わりないじゃないの・・・。例えウルトラセブンでも・・・。」

ダン: 「有難うアンヌ!」

[見詰め合う二人。]

ダン: 今、話した通り、僕はM78星雲に帰らなければならないんだ・・・。西の空に明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んで行く。・・・それが僕なんだよ!さようならアンヌ!

アンヌ: 「待ってダン!行かないで!」
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ウルトラ・シリーズにはこれ迄、数多の名台詞や名シーンが登場して来たが、「ダン&アンヌの別れのシーン」は間違い無く上位にランクされるものだろう。「一瞬にして二人の姿がシルエットに転じ、そして五月雨の如く連打される鍵盤の音が何とも哀愁を感じさせる『ピアノ協奏曲 イ短調 54番』がBGMとして流れる。」といった演出は、最早芸術作品の域に在った。

今回、ウルトラセブンに縁深き存在として”カプセル怪獣”ウィンダム(正確に言えば、メビウスでは”マケット怪獣”という事になるが。)が登場したが、”まむちゃん”や”多岐川裕美さんの御主人”、そして何よりもアンヌ隊員が登場しなかったのは残念無念。しかしウルトラアイを着眼し、「ジュワッ!」の掛け声と共にダンがセブンに変身するシーンや、セブンのアイススラッガー及びエメリウム光線による攻撃、セブン&メビウスが共に”トンボを切る”シーン(これが無いとウルトラ・シリーズじゃない!)等が見られたのは嬉しい限り。

絶望に打ち拉がれるコノミに、ダンが優しく語り掛ける。嘗てのウルトラマン達も・・・強敵に敗れる事が在った。しかし、そんなウルトラマン達の窮地を人間は救って来た。ウルトラマンも人間も仲間が居る限り、どんな強敵とでも闘う事が出来、そして勝つ事が出来る。(中略)メビウスを救う方法は必ず在る。諦めてはいけない。

嘗て「セブン暗殺計画」でガッツ星人によって十字架に掛けられたセブンの映像が、ダンの言葉の間に挿入される。セブンを”復活”させる為、当時のウルトラ警備隊隊員達は、セブンの額に在るビームランプ(他のウルトラマン達のカラータイマーの様な存在。)に”マグネリューム・エネルギー”を一斉放射したが、今回は”マグネリューム・メディカライザー”を放射してメビウスを復活させたというのは心憎い演出。

グローザムとの闘いを終えたミライに、ダンが次の様に語り掛ける。

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ダン: 「メビウス。」

ミライ: 「セブン兄さん・・。」

ダン: 仲間達を大切にな。俺が受けた哀しい思いだけは・・・君に味わわせたくはない。

ミライ: 「判りました。」
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ダンが言う「俺が受けた哀しい思い」とは「アンヌを始めとした、愛する宇宙警備隊の仲間達との別れ」を指すのだろうか?はたまた、「『ウルトラマンレオ』で彼が隊長*1として率いていたMACが”円盤生物”シルバーブルーメに強襲され全滅した過去、即ち愛する隊員達との”永遠の別離”」(動画)を指していたのだろうか?色々と思いを馳せてしまった。

「アサミ博士がミライの正体を知っていたのは、単に勘が良かったからだけなのか?もしかしたら彼女は”光の国の住人”なのだろうか?」、「前回の最後にジョージ一人が只ならぬ雰囲気を察知するシーンが在ったが、今回はコノミがやはり最後に同様の素振りを見せたのは、次回以降に繋がる何かの予兆なのか?」*2等、新たな疑問が頭に浮かぶ。

次回はハヤタ(黒部進氏)とウルトラマン*3が降臨。アラシ隊員(毒蝮三太夫師匠)やイデ隊員(二瓶正也氏)、フジ・アキコ隊員(桜井浩子さん)等は登場するのだろうか?

*1 大怪我を負ったサコミズ隊長が松葉杖をついた姿で登場していたが、「ウルトラマンレオ」で”双子怪獣”レッドギラスとブラックギラスに足を叩き折られ、杖をついていたモロボシ・ダン隊長の姿とオーバーラップしてしまった。

*2 この記事をアップした後、「セブン40周年応援ブログ」というブログを覗かせて貰ったのだが、其処に非常に興味深い推測が書かれていた。この推測が正しいとすれば、かなりの衝撃を与えるだろう。後々の楽しみが奪われてしまう可能性も在るので読むor読まないは個々人の判断に任せるが、「なるほど。」と思わせる推測だった。当該記事は「メビウス36話とクライマックスに向けての大予想」。

*3 次回にメビウス&ウルトラマンが闘う相手は”悪質宇宙人”メフィラス星人。嘗てウルトラマンと互角に闘い、「ウルトラマンタロウ」にも登場した御馴染みの”敵”だ。荒っぽく且つ憎々しげな声の敵よりも、メフィラス星人の様に丁寧な物言いながらも悪質な敵の方が、より悪辣さが光って良い。

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10 コメント

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Unknown (ガッちゃん)
2007-03-04 08:50:12
初めまして。
先日はTBいただきありがとうございます。

今回の記事、興味深く読ませていただきました。
かなり深い内容ですね。
セブン40周年~も見ましたが
そういう結末もありか、と。
最近はウルトラマンネタでネットが面白いです。
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セブン最終回 (アラメイン伯)
2007-03-04 10:37:17
アンヌが意外に冷静でしたね。


地球が降伏するかどうかという時に野球の中継してたのに笑った。


それにもかかわらずセブンの最終回は感動的でした。
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懐かしいです (JAO(ジャオ))
2007-03-04 13:22:48
こんにちは、トップのシルエットはあの有名な
場面ですよね。今でも私、ジーンときます。
今回のメビウスは、コノミちゃんが大活躍でしたね。
モロボシダン=ウルトラセブンのコノミちゃんへの
励まし凄くよかったです。
「俺が受けた悲しい思い」は、両方だと思います。
ウルトラ警備隊の仲間との別れ
MAC隊員との永遠の別れ
どっちも悲しい思いだと私は感じました。
来週は、初代ウルトラマン登場ですね。
禁じられた言葉でのメフィラス星人との
戦いに決着はつくのか。楽しみです。
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史上最大の侵略 (ぶりゅーわー@ソレイタだ木田)
2007-03-04 17:35:17
馬に乗って登場したモロボシ・ダン、渋かったですね。今回のエピソードではフジサワ・アサミ博士がラテン系でよかったです。「アライソのおっさん・・」「不思議くん」とても飛び級した天才とは思えないキャラクターです。
そういえば、セブン最終話「史上最大の侵略」でアンヌがウルトラ警備隊のメンバーにセブンの正体がダンであることを告げたあとは誰一人として「セブン」と言わずに「ダン」と言ってましたよね。セブンが実は自分たちの仲間のダンだと言うことがわかったときの衝撃をあらわす一人一人の表情、そのあとの「ダン、怪獣は俺に任せろ!」byフルハシ、「体の具合が悪いなら悪いとなぜ言ってくれなかったんだ・・」byソガなどなど、ダンとアンヌのシーンもさることながらこのへんも泣かせてくれました。今のメビウスはセブンが描ききれなかったところまで描いていると言うことでしょうね。

いよいよ次週はハヤタこと初代ウルトラマンとメフィラス星人の40年越しの決着がつくのやらつかないのやら、どちらにしても楽しみです。
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>ぶりゅーわー@ソレイタだ木田様 (giants-55)
2007-03-04 18:34:23
書き込み有難うございました。

日本広しと言えども、あのカウボーイ姿が似合う人は宇津井健氏に萩原流行氏、そしてモロボシ・ダン位しか居ないのではないでしょうか。郷秀樹とは違った意味で渋さを感じました。

アサミ博士、最初に登場した際には、「何かウルトラ・シリーズの世界観をぶち壊す様な存在だなあ。」と余り良いイメージを正直持っていませんでした。でも昨日の様に極めてシリアスな内容の時には、彼女のラテン系キャラが潤いを与えていましたし、女性隊員達にプラス・アルファの力を与えた様に感じられ、「スタッフはこういった展開を踏まえて、彼女のキャラクター設定をしたのかなあ。」と唸ってしまいました。

フルハシ隊員等の台詞も良かったですね。と言うより、「ウルトラ・シリーズに思い入れの深い方々の記憶力は、本当に凄いなあ。」とぶりゅーわー@ソレイタだ木田様を始めとした皆様方の書き込み(ブログでの文章)を拝見してつくづく感じました。

ウルトラ・シリーズではウルトラ・ファミリーの絆が描かれているのは言う迄も在りませんが、歴代の”地球防衛チーム”の隊員達も又”家族”なんですよね。色々な形態の”家族”の絆を、永遠のテーマとして描き続けて来たウルトラ・シリーズ。このシリーズが此処迄広く愛される理由の一つは、そういった点に在るのかもしれません。

ウルトラ・シリーズには数多の”外敵”が登場して来ましたが、メフィラス星人はそのキャラクター設定の変遷に於いて非常に興味深い外敵の一人だと思います。最初に登場した「ウルトラマン」では、そんなに悪い存在ではなかったですよね?寧ろ同じ宇宙人のウルトラマンに対して、何処かシンパシーを感じている様な所すら在りました。それが次に登場した「ウルトラマンタロウ」では、一転して悪辣な存在へと変貌していた。その流れで「”悪質”宇宙人」なる呼称が付いている訳ですが、次回は人間の心を操ってメビウスを苦しめるというストーリーの様ですから、その悪辣さがどれ程なのか楽しみ?です。
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トラックバックありがとうございました (とこス)
2007-03-04 20:52:33
はじめまして

トラックバックありがとうございました

メビウスは
クライマックスに向かって盛り上がってますね

それに
来週はとうとうメフィラス星人ですね
次回予告を観ただけでも
めちゃめちゃ面白そうなので
今からわくわくしてます
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Unknown (ウルトラアイNO.6)
2007-03-04 22:26:49
今晩は 書き込み有難う御座いました。
ダンとアンヌの別れのシーンはとても綺麗ですよね。
あのシーンは間違いなく名場面ですよね。
何度観てもジーンときてしまいます

メビウス46話
ダンとコノミの会話が印象的でした。
セブンは、正直物足りないような気分ですが
やはりメビウススタッフはBGMや効果音の使い方が上手ですね。
アイスラッガー切断音に感激しました♪
ダンが渋かったですね!

さて、次回は悪質宇宙人メフィラス星人の登場。
メフィラスも好きな宇宙人の一人です。
どのような戦いになるのか楽しみです!

*2の件ですが・・・それが真実ならば複雑ですね。
正直嬉しくも面白くもないです。
オールドファンとしては・・・
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ファイター、セブン♪ (まなぶ)
2007-03-04 23:57:01
giants-55さん、こんばんは♪

私の記憶の中のウルトラセブンは、
我々地球人類の為、満身創痍となっても戦い続け、
自らの命すら散らすことを厭わない勇姿が浮かびます。
そして彼は、戦士であると共に、信念を貫く心を持った人間でした。

giants-55さんが仰った、子供心に与えたトラウマ。
私はセブンから幾つも受けたように思います。

パンドンに顔面を踏みつけられるセブン。
アイスラッガーでギエロン星獣の喉を掻き切るセブン。
レッドギラス、ブラックギラスに加えられるダメージ、
そして、シルバーブルーメの攻撃による死。

なぜセブンばかりが・・・!?
少年時代の記憶にも、それらは生々しく映りました。

なので尚更、アンヌ隊員との場面は際立ちます。
ウルトラシリーズとの縁の最も深い森次晃嗣さんですが、
森次さんの経営するレストランに行くのがなぜか憚られます(苦笑)
もし出会ってしまったらどうしよう・・!?
電車ですぐなのに、近づけないのは、畏敬の念からでしょうか・・
生で見たアンヌ隊員(ひし美ゆり子さん)もでしたが、
やはり、私には紛れもない、アンヌ隊員でした。
あの衝撃の再来が起きるようで怖い四十前の男なのです
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Unknown (tak_123)
2007-03-05 01:15:12
実はこの回は見てないんですよ。
YouTubeでチェックします。
「西の空に明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙へ飛んで行く。・・・それが僕なんだよ!さようならアンヌ!」
自分もセブンの最終回のこの台詞は印象深いです。
特撮番組の台詞に心を揺るがされたのはこれが最初で最後なのかもしれません。
それぐらい印象的でした。。
セブン、やっぱり好きだなぁ
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Unknown (tak_123)
2007-03-05 02:13:58
第46話を観てきました~
モロボシダンがテンガロンハットにウエスタンスタイルで馬にのって登場ってのもわらっちゃんだけどこれが良いんですね~^^
焚き木のシーンなどは「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」の丸大ハムのCMを思わせる一シーン。。。そこだけ時間が止まったような感覚になりました。。。やっぱりおっちゃんが若い人に言い聞かせるのはあのシチュエーションがぴったりくるのかな?
歴代ウルトラマンの人間体の登場のさせ方に工夫しているのもなんとなくわかってきました。
郷秀樹もジープに乗って登場でしたね。
「ウルトラマンでもルーキーでは話にならん」というメフィラス星人の台詞もオールドファンの心の琴線に触れます~
おまけにウィンダムも登場~ああ本当に懐かしいです。往年のセブン独特の両手グーのファイティングポーズもイケてました。アイスラッガーはやっぱりカッコイイ!でもあの倒れながらのローキックは彼らしくないと思いませんか?
なんて色々と思いを馳せれるこの作品があることは大変嬉しい限りですね。
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