ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

子供達に責任は無いのに・・・

2007年03月03日 | 時事ネタ関連
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民法】 第772条 嫡出の推定

(第1項) 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。

(第2項) 婚姻の成立の日から200日を経過した後、又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。


戸籍法】 第49条 出生

(第1項) 出生の届出は14日以内(国外で出生が在った時は3箇月以内)にこれをしなければならない。
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我が国には”無戸籍児”と呼ばれる子供達が約3,500人居るそうだ。例えば夫からDVを受け続けた女性が家を飛び出し、その後に離婚成立。そして、新しい男性との間に子供を儲ける。役所に出生届けを提出しようとした所、「離婚成立から300日以内の出産の為、前夫が父親という形でなければ出生届けは受理出来ない。」と言われてしまう。前夫とは二度と顔を合わせたくないという思いが在り、出生届けを提出せず、結果的に子供の戸籍が無いままに。戸籍が「家」という単位に根ざしている事で、こういったケースが生まれているのだとか。

無戸籍児が直面する問題は幾つか在るが、その中でも大きなものはパスポートが取得出来ない。被選挙権が得られない。婚姻届を受理して貰えない。の3つという。

高校で海外に修学旅行する事になり、「パスポートを取得したい。」と母親に話した所、「実は貴方には戸籍が無いので、パスポートを取得出来ない。」と知らされた女子高校生がTV番組に登場していた。自分自身が無戸籍という事実を初めて知らされ、非常にショックを受けると共に、「親を恨む気持ちは正直在る。」と心情を吐露していた。母親にもそれなりの理由が在ったのかもしれないが、少なくとも戸籍取得に関しては何等責任の無い子供が、この様な形で苦悩しているのは本当に気の毒。このままだと彼女は、クラスメートとの修学旅行を断念せざるを得なくなるだろう。

又、昨日の新聞には「お父さんどこ 会いたい」という記事が載っていた。日本に出稼ぎに来たフィリピン人女性と日本人男性の子で、離婚した父親との連絡が途絶えた混血の少年(18歳)&少女(15歳)が一昨日、ニノイ・アキノ国際空港から就労先の日本に向かったというニュースだ。この四月から静岡県の自動車工場及び仕出し弁当店で働く予定で、「出来れば御父さんに会いたい。」と語っているという。

フィリピン・セブの民間非営利団体(NPO)「新日系人ネットワーク」は、両親の離婚により日本人の父親からの生活援助がストップし、極貧生活を送っている子供達が相当数居る事から、彼等の自立をサポートする為に発足した組織。今回の2人は、同組織の支援により就労先が決まった第一号。

同組織にはセブ地方だけで約300人の子供が登録しているそうだが、手紙や電話で父親と連絡が付くのは5分の1の約60人、毎月の送金等生活援助を受けている子供に到っては30分の1の10人程という。

今回日本で働く事になった少年は、自身が父親に抱かれている古い写真を持参しているそうだ。親権者の父親の行方が判らず、そのサインが無い為パスポートが取得出来なかった。今回の来日は”片道だけ有効”な渡航証明書によるもので、少年は「御母さんを残して(日本に)行くのは寂しいけれど、御父さんに会えるかもしれないから少し幸せです。」と語っていたとか。

血を分けた子供達への生活援助を打ち切り、音信不通状態を続けている父親達。其処に何等かの事情が在る(在った)にせよ、このケースも子供達には何等落ち度も責任も無い。それなのに、そんな彼等が苦しみ&哀しい思いをしている現実が何とも遣り切れない。

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4 コメント

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日本では (Spa supernova)
2007-03-04 00:56:33
とかうモデル・ファミリー的に振舞わないと社会から迫害されがち。
そういや米系の雑誌に「恐竜のようなシステムが非婚化・少子化を招いている」と書いてあったと思うけれど、確かにそうかも。

フィリピンの子達に関して。この父上たちはどうしようもない。日本の恥。
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>Spa supernova様 (giants-55)
2007-03-04 01:48:43
書き込み有難うございました。

生活援助をしたくても出来ない状況に陥った、例えば破産宣告をしたとか生活保護を受けているというので在れば未だしも、援助出来るのにしない父親というのは許せないですね。血を分けた子供に対して、こういった鬼畜の所業が出来るというのは日本人の一人として恥ずかしい限りです。
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気の毒な子供が一人でも多く救われるとよいのですが (マヌケ)
2007-03-06 00:21:26
確かに日本の恥じと言いますか、卑怯者の行為ですね。 アメリカ兵が戦地や基地のある任地に現地妻と子供を残して帰還してしまい同じような子供が世界中にたくさんいるらしく、フィリピンのテレビクルーが子供を連れてアメリカの父親を訪ねるドキュメンタリーを見たことがあります。 再会のシーンは現地の本当の家族にも気の毒な光景でした。 フィリピンに残された子供は母親が病気で働けなくなってからは市場で行商人の手伝いをして働いていました。 もちろん学校にも行けずに。 子供の目がクリクリしてかわいらしく本当に気の毒でその時は放送局に電話して寄付したいのでお金の送り先を教えて欲しいという視聴者からの問い合わせが殺到し、実際に集まった募金でその子供は学校に通えるようになったそうです。 ただこのような例は非情に特別で他の多くの同じようなケースは不幸なままの状況にあるのです。  
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>マヌケ様 (giants-55)
2007-03-06 02:07:39
書き込み有難うございました。

終戦後の日本でも駐留軍の兵士と所帯を持ったものの、その兵士に帰国命令が出て、「直ぐに戻って来るから。」という言葉を信じて別れたものの、結局はそれから音信不通状態になってしまったなんていう話は多かれ少なかれ在った様ですね。彼等が母国に帰った後、どういった状況が待ち受けていたのかは判りませんが、もし「離れてしまえば、もう知ったこっちゃない。」という重いから音信不通を決め込んだとしたら許せない話です。

フィリピンには、スモーキー・マウンテンと呼ばれるスラム街が在りますよね。元々はゴミ捨て場だった場所に貧民層の人々が住み着いたと言われていますが、自然発火して煙の燻るゴミの山で、小さな子供達がゴミを漁っているシーンTVで見る度に心が痛みます。
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