ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「波形の声」

2014年07月04日 | 書籍関連

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小学校4年生の中尾文吾(なかお ぶんご)が、自宅で襲われた。補助教員の谷村梢(たにむら こずえ)は文吾から、「スーパーで、教師万引きを目撃した。」と聞いていた。だが襲われる直前、文吾が梢の名前を呼ぶ声を、近所の人が聞いていたと言う。疑惑の目を向けられた梢は・・・。

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7つの短編小説で構成された「波形の声」(著者長岡弘樹氏)。冒頭梗概は、標題でも在る「波形の声」に付いて。

 

何気無い“物”が、謎を解き明かす“証拠”となる。」というのはミステリーの御約束では在るけれど、長岡作品は其の“物”が絶妙用いらているし、「そうだったのか。」という遣られた感も大きい。勘が良い方ならばタイトルだけでピンと来るかもしれないけれど、「波形の声」で用いられた或る物(昔は自分も、雑誌の付録で作ったけれど。)なんぞは、見たり使ったりした事が無い若い世代には、目新しさを感じる事だろう。

 

「波形の声」の他に、個人的には「わけありの街」と「準備室」という作品が印象に強く残った。又、後味の悪さで言えば、「ハガニア」という作品が一番かも。残念乍ら此の作品、謎解き自体は比較的早い段階で出来てしまったが。

 

総合評価は、星3.5個とする。


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5 コメント

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Unknown (マヌケ)
2014-07-25 12:43:32
デアゴスティーニの付録でも蓄音機を自作するキットを見たことがあります。 紙コップとカッターの刃で作った蓄音機から聞こえた先生の名前が隣の家まで聞こえるものだろうかというのが疑問に残ります。 あと、大型犬とはいえ、携帯を飲み込むことはないのでは?というのも。 それから、いくら甲子園のライバルだったとはいえ、年老いてからまで、そこまで張り合うものだろうかというのも。 とても突っ込みどころが多かったように思いました。 カニが縦に歩いたのは、実際にやってみたいとも思いましたです。 わたくし的には「教場」が良かっただけに、残念な作品に感じました。 友人から最近のミステリー大賞や本屋大賞はがっかりなものが多いなというメールをもらい、自分もそのように思っておりましたので、同感ですと返信しました。 最近は賞が販促ツールみたいになってるような気がしてなりませんです。
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>マヌケ様 (giants-55)
2014-07-25 13:15:40
書き込み有難う御座いました。

マヌケ様が指摘されている疑問は、自分も持ちました。特に「携帯電話を飲み込んだ犬」というのには、「そんな事在るかなあ。」と。確かに、何でも飲み込んじゃう犬っていうのも居る事は居ますが・・・。

特定の出版社が主催している「賞」には、其の出版社が「売り込みたい作品」を意図的に授賞させるという感じがする事が在りますね。某男性俳優が受賞した賞なんぞもそうですし、芥川賞や直木賞にもそういった面が在ると言われていますね。

「賞」は飽く迄も参考や指標程度と捉え、実際に書店で手に取ってみて、「本当に面白いのかどうか?」を読者自身が見極める。そういう当たり前の事が重要なのでしょう。
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>マヌケ様 (giants-55)
2014-07-25 20:18:04
書洩らしが在りましたので、追記します。

御手製の蓄音器の件ですが、件の男の子が先生の名前を“吹き込んだ際の声”が、近所に聞かれたという風に捉えていました。当該作品が手元に無いので、記憶違いかもしれませんが、「蓄音器自体を知らない男の子が、手作りした物に吹き込んだのだから、興奮も在って相当大きな声を出したのだろうな。」と読んでいて思いましたので、もしそうで在れば、彼の展開は在り得るかなあと。記憶違いだったら済みません。
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おっしゃる通りですね。 (マヌケ)
2014-07-26 10:47:33
ソノシートが懐かしく、昔のロードショーの付録のブルースリーの声が思い出されますです。確かに、少年は吃音癖がありましたから、ちゃんと聴こえて欲しいと、頑張ったはずですね。
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>マヌケ様 (giants-55)
2014-07-26 12:29:02
書き込み有難う御座いました。

「ソノシート」という言葉の響きだけで、何とも言えない懐かしさを覚えます。以前にも書いたのですが、小学館の学習雑誌「小学○年生」に、紙製のレコード・プレーヤーが付録で付いており、夢中になって組み立てたもの。ペラペラのソノシートは、気を付けていても折れ曲がったり、傷が付いてしまい、聞けなくなってしまいましたね。

近年、書店では子供というよりも、実際には親にターゲットを絞った様な「学習セット」が多く置かれる様になりました。嘘発見器とかペットボトルを使用した掃除機等、「面白そう。」と感じる物が結構在ります。
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