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ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「鬼滅の刃」全23巻を読み終えて

2020年12月25日 | 書籍関連

「『鬼滅の刃』という漫画が面白い。」という記事を読んだのは、7ヶ月程前だったか。「大正時代を舞台に、主人公の少年・竈門炭治郎(かまど たんじろう)が、化した妹・禰󠄀豆子(ねずこ)を人間に戻す方法を捜す鬼殺隊剣士となって戦う姿を描く和風剣戟奇譚。」で、「家族の情愛が描かれている。」という事だった。

で、原作を元にしたTVアニメを見た所、すっかり嵌まってしまった。「ストーリーが良い!」というのが一番の理由。“正義と悪の戦い”という単純な構図では無く、「悪とされる鬼達の側にも“家族”が在り、彼等にも情愛が存在している。」という描かれ方がされている。初期の「ウルトラ・シリーズ」に、良く見受けられた設定だ。だから、鬼達が倒され、“人間だった頃の思い出”を振り返る時、何とも言えない悲しみや切なさに、ついついほろっとしてしまう。

シリアスな場面、時には残酷な場面が在る一方で、腰砕けしてしまう程にギャグ調の場面が、度々描かれている。そういう減り張りが良く利いていて、どんどんストーリーの中に引き込まれてしまう

そして、登場人物達が皆、実に個性的&魅力的なのだ。「普段は非常にクールな人物が、一転して間抜けな部分を見せたり、逆に普段は実に情け無い人物が、一転して無双の姿を見せる。」といったギャップが実に良い。おっさんの自分が見ていても、「可愛いな。」と思ってしまうキャラクターが、次々に登場する。鬼滅の刃ブームが巻き起こるのも、当然だと思う。

アニメの後に観たのが映画劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」で、此れも良かった。「しんみりとさせられたり、笑わせられたり、そして泣かされたりと、昔良く見ていた“喜劇”の作りと基本が一緒。」で、総合評価は「星4つ」とした。

TVアニメに映画と来て、最後に読んだのは原作。1巻から読み始め、今月初めに上梓された最終巻・23巻を読み終えた。手塚治虫氏が亡くなられて以降、「定期的に漫画を読む。」という習慣が無い自分。こんなにも夢中になって読む漫画は、「20世紀少年」以来ではなかろうか。

「『不思議なによって導かれた“仲間達”が、同じ目的達成に向かって戦う。』というのは、子供の頃に夢中になって見ていたTV人形劇新八犬伝』の世界。」を、そして「個性的&魅力的な登場人物達が、“仲間達”を守る自らを犠牲にして死んで行くというのは、『三国志演義』や手塚氏の『荒野の七ひき』等の世界。」を思い起こさせる。自分はこういう世界に弱いし、日本人の多くは同じだろう。

全205話の内、最後の205話だけは“現代”に舞台を移している。炭治郎達の“子孫”の姿を描く事で、「歴史というのは“切り取った1つの時代”だけが存在するのでは無く、“過去から今に到る全ての時間”で構成されている。“今の自分達”が存在するのも、“過去に存在した人達”が在るからこそなのだ。」というのを作者は伝えたかったのだろうけれど、個人的には204話で完結させた方が良かった様に思う。

「鬼滅の刃」の単行本には、各話の間に作者・吾峠呼世晴さん自身が描いたイラストや鬼滅の刃に関する四方山話が書かれているのだけれど、驚かされるのは原作の中では描かれていない“詳細な設定”を、作者自身が構築していた。という事実。合計すると結構な量が在り、普通の漫画家ならば「全てを入れ込んで、話数をもっと稼ぐ。」事をしそうだが、描かない部分をもきちんと設定していたというのは、本当に凄い事だ。

素性が、殆ど明らかにされていない吾峠呼世晴さん。一部報道によれば、「30代前半の女性で、今は家族から家庭を持つ事を勧められ、実家に戻っている。」とも。こんなにも魅力的な作品を生み出した方なので、新作を書いて欲しいもの。

最後に、「鬼滅の刃」に登場するキャラクターの中からベスト10を選んでみた。

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「『鬼滅の刃』の登場人物ベスト10」

1位: 我妻善逸(あがつま ぜんいつ)
2位: 竈門炭治郎
3位: 嘴平伊之助(はしびら いのすけ)
4位: 竈門禰󠄀豆子
5位: 冨岡義勇(とみおか ぎゆう)
6位: 胡蝶しのぶ(こちょう しのぶ) 
7位: 錆󠄀兎(さびと)
8位: 煉󠄁獄杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)
9位: 時透無一郎(ときとう むいちろう)
10位:鬼舞辻󠄀無惨(きぶつじ むざん) / 鋼鐵塚蛍(はがねづか ほたる)
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