昨夜開催された「サントリー ザ・プレミアム・モルツ ドリームマッチ 2010」を何とか観戦したかったのだが、残務処理が捗らず、泣く泣く断念する事に。昨年はゲット出来なかった入場整理券が、今年はゲット出来たというのに・・・。
観戦されたブロガー諸氏の記事にて、観戦した気分を味わいたいと思っている。
閑話休題。
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大切な何かを守る為、人は哀しい嘘を吐く。光と陰が重なり合う群像の中を一匹の蝶が希望の灯りを点し乍ら辿る。
第1章 隠れ鬼: 認知症の母親とひっそり暮らす男性の、封印された過去。
第2章 虫送り: ホームレス殺害に手を染めた小学生兄弟が抱く畏れ。
第3章 冬の蝶: 密かに心を通わせた少女の為に、少年が吐いた嘘。
第4章 春の蝶: 両親の諍いを機に、耳が聴こえなくなった少女の葛藤。
第5章 風媒花: 病に伏せる姉を見舞う、配送ドライバー青年の誤解。
第6章 遠い光: 自信を失った女性教師と、孤独と戯れる教え子の希望。
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道尾秀介氏の「光媒の花」は、上記の如く6つの短編から構成されている。それぞれが独立したストーリーなのだけれど、他の章で脇役だった人物が別の章では主役を担っており、長編の味わいを感じさせたりもする。どの章にも「白い蝶」が登場するのだが、これは登場人物達が抱える「不幸」をシンボライズしているとか。第1章から第3章迄を前半とするならば、前半は救いの無い哀しみの方向へと話が進んで行く。しかし第4章から第6章の後半は、前半の遣り切れなさ路線から一転して、「救いを感じさせる展開」というのが良かった。
残念だったのは道尾作品の特徴とも言える“大どんでん返し”が、この作品には見受けられなかった事。意外さが無かった訳では無いけれど、想定内の帰着だった様に思う。
この作品は第143回(2010年上半期)直木賞の候補となっているが、これで同賞の候補に挙がるのは連続4回目。第23回(2010年)山本周五郎賞も受賞しているし、恐らくはこの作品で直木賞を受賞する事になるだろうが、彼の実力をすればこの作品で受賞するのは相応しく無い気がする。もっとレベルの高い作品を書ける筈だから。
総合評価は星3つ。

閑話休題。
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大切な何かを守る為、人は哀しい嘘を吐く。光と陰が重なり合う群像の中を一匹の蝶が希望の灯りを点し乍ら辿る。
第1章 隠れ鬼: 認知症の母親とひっそり暮らす男性の、封印された過去。
第2章 虫送り: ホームレス殺害に手を染めた小学生兄弟が抱く畏れ。
第3章 冬の蝶: 密かに心を通わせた少女の為に、少年が吐いた嘘。
第4章 春の蝶: 両親の諍いを機に、耳が聴こえなくなった少女の葛藤。
第5章 風媒花: 病に伏せる姉を見舞う、配送ドライバー青年の誤解。
第6章 遠い光: 自信を失った女性教師と、孤独と戯れる教え子の希望。
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道尾秀介氏の「光媒の花」は、上記の如く6つの短編から構成されている。それぞれが独立したストーリーなのだけれど、他の章で脇役だった人物が別の章では主役を担っており、長編の味わいを感じさせたりもする。どの章にも「白い蝶」が登場するのだが、これは登場人物達が抱える「不幸」をシンボライズしているとか。第1章から第3章迄を前半とするならば、前半は救いの無い哀しみの方向へと話が進んで行く。しかし第4章から第6章の後半は、前半の遣り切れなさ路線から一転して、「救いを感じさせる展開」というのが良かった。
残念だったのは道尾作品の特徴とも言える“大どんでん返し”が、この作品には見受けられなかった事。意外さが無かった訳では無いけれど、想定内の帰着だった様に思う。
この作品は第143回(2010年上半期)直木賞の候補となっているが、これで同賞の候補に挙がるのは連続4回目。第23回(2010年)山本周五郎賞も受賞しているし、恐らくはこの作品で直木賞を受賞する事になるだろうが、彼の実力をすればこの作品で受賞するのは相応しく無い気がする。もっとレベルの高い作品を書ける筈だから。
総合評価は星3つ。
