ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「総理の娘 ~知られざる権力者の素顔~」 Part1

2010年09月14日 | 政治関連
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さて、娘に着眼したのはほかでもありません。総理には当然息子、男の孫もいます。そのなかには、福田康夫麻生太郎鳩山由紀夫のように一族から二人目の総理が生まれたケースもありました。二世議員も少なくありません。しかし、総理の父親、男性としての素顔や秘められたものなどは、息子よりも娘のほうに、よりきめ細かく感じ取られていると思いました。一般論ですが、父親は同性の息子より娘のほうに深い愛情を注ぐのではないでしょうか。もちろん個人差はあるのですが、インタビューを通じて総理もそうに違いないと実感しました。
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政治評論家で在り、毎日新聞客員編集委員でも在る岩見隆夫氏が、自著総理の娘 ~知られざる権力者の素顔~」の「はじめに」で記した文章で在る。佐藤栄作氏が総理になった時代から政治記者を務めて来た岩見氏が、鳩山一郎氏、岸信介氏、池田勇人氏、福田赳夫氏、大平正芳氏、竹下登氏、宇野宗佑氏、宮澤喜一氏、村山富市氏、橋本龍太郎氏、そして小渕恵三氏という11人の総理経験者の娘達と直に会い、父親達の素顔を聞き出した本。

近年こそは“軽量化”してしまったが、中曽根康弘氏の時代辺りは、独特の存在感を放つ総理達が多かった様に思う。近付き難い雰囲気とでも言うのだろうか、「総理」としての「公の顔」は当然見えていたけれど、「家庭人」としての「私の顔」は中々見え辛かった。「男親は息子に、同性としてのライヴァル心を少なからず有している。」と良く言われるが、結構真実の様に感じられる。だからこそ元総理達の秘められた素顔を窺い知るには、息子達や男の孫達よりも娘達に話を聞くというのは上手い方策だ。

一口に「元総理の娘達」と言っても、当たり前だが11人其れ其れが異なった“立ち位置”を有している。「父親に対する尊敬の念」や「マスメディアに対する不快感」等は共通項なれど、「父親の影響を色濃く受け、未だ其の影響下に留まっている様な娘達。」が居る一方で、「父親が総理になる以前から、『父は父、私は私。』と独立独歩スタンス貫いている様な娘達」も居る。前者の代表格は岸元総理の長女で在り、安倍晋三元総理の母でも在る安倍洋子さんで、後者の代表格は宮澤元総理の長女で在るラフルアー・宮澤啓子さんだろう。

個人的に意外だったのは、竹下元総理の長女で在る金丸一子さん。「濃密な人間関係の構築」に注力していた竹下元総理、家庭の中でも濃密な関係、悪く言えばベッタリし過ぎる関係をイメージしていたのだが、そうでは無かった様だ。彼女の夫は“政界のドン”と呼ばれた金丸信氏の長男だが、こちらも政治家としての父親に対してはクールな目を向けていた様なのが興味深い。以下は一子さんの言葉だ。

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父たちは偉くなりました。竹下の父と金丸(信)の父は、私たちにとっては単純に父親でしかないわけです。二人が島根県山梨県でしかそれぞれ知られていないときに、私たち(一子と金丸の長男康信)は結婚したんですよ。それからどんどん二人が出世していった。勝手に出世したって、私と主人にはなんら関係ないわけですよ。もともと、父だったという強い感情があるわけではないですけどね。なにせ、私が五歳くらいから、父は政治してますから。
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