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1962年、シカゴ在住のディーナ・ジョーンズ(ビヨンセ・ノウルズさん)とエフィー・ホワイト(ジェニファー・ハドソンさん)、ローレル・ロビンソン(アニカ・ノニ・ローズさん)の仲良し3人組はコーラス・グループの「ドリーメッツ」を結成。エフィーの弟で作曲家のC.C.(キース・ロビンソン氏)が手掛けたヒップホップな曲調と、エフィーのダイナミックのボーカルで歌の世界にて成功すべく数々のコンテストを受けるも、その悉くに落選してしまう。
或る日、アポロ・シアターで開催されるコンテストに参加する為にニューヨークに向かった3人は、この大会でも優勝を逃す事に。何度コンテストに挑んでも結果を残せない事に失望する彼女達だったが、その才能に目を付けた一人の男が居た。成功の為には手段を選ばない野心家マネージャーのカーティス・テイラーJr.(ジェイミー・フォックス氏)がその人で、彼はスーパー・スターのジェームズ・サンダー・アーリー(エディ・マーフィー氏)のバック・コーラスとしてドリーメッツをデビューさせる。
時代は彼女達を求め、ドリーメッツは瞬く間にスターダムに伸し上がって行く。ドリーメッツをそれ迄のR&Bグループから、より稼ぎが見込めるポップス・グループに変えようと目論むカーティス。彼はグループ名をドリーメッツから「ザ・ドリームズ」に変更、そして歌唱力よりも見た目の可愛さを優先させ、リード・ボーカルをエフィーからディーナに交代させてしまう。*1傷付いたエフィーはグループから去り、新たなメンバー1人迎えたザ・ドリームズは洗練された雰囲気を押し出して行く事で、彼女達と同じ黒人よりも寧ろ白人達の圧倒的な支持を受け、アメリカを代表するスターとなる。
しかし富や名声を得た彼女達は、それと引き換えに多くの物を失って行く事となる。異性問題や音楽の方向性の違い、薬物問題等々、何時しかザ・ドリームズとスタッフの間には埋め難い隙間が徐々に広がり・・・。
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ブロードウェイ・ミュージカルとして空前の大ヒットを記録した「ドリームガールズ」。トニー賞の13部門にノミネートされ、内6部門で受賞となったこのミュージカルを映画化した「ドリームガールズ」。元々「オズの魔法使い」や「雨に唄えば」、「ウエスト・サイド物語」、「メリー・ポピンズ」、「サウンド・オブ・ミュージック」等々ミュージカル映画は好きなのだが、何故かこの作品には余り食指が動かなかった。そんな自分が映画館に足を運ぶ事になったのは、当ブログを覗いて下さっているtak_123様が高評価を下しておられたからだった。
SFXを駆使した作品には概して現実から乖離した世界が描かれているものだが、ミュージカル映画も日常の会話ですらも音楽に乗せてしまうという意味で非現実的で在り、その非現実性こそがミュージカル映画の最大の魅力と自分は捉えている。この「ドリームガールズ」でも、その魅力が余す所無く発揮されている。
この作品が描いているのは、1960年~1970年代のアメリカ。黒人に対する偏見が未だ強く残っていた時代で、黒人公民権運動の指導者キング牧師の姿も登場する。ドリーメッツの歌が黒人専用のラジオ放送局から流され、多くの黒人達の間で好評を得るのだが、この放送が受信可能範囲が狭い事を悪用して白人達がオリジナルの曲としてパクってしまうシーンが描かれている。この事に怒りを覚えたカーティス達は必死で金銭を掻き集め、その金銭をメジャーな放送局のDJ達にばら撒くのと引き換えにドリーメッツの曲を流して貰い、結果的に彼女達のオリジナル曲で在るという事を一般に認知させる。そんな嫌な目に在ったカーティスが後にエンターテインメントの大立て者となった際、どん底生活から再び歌の世界に戻ったエフィーの歌う曲をパクってザ・ドリームズのヒット曲に仕上げて行ったのは何とも皮肉だ。
ビヨンセ・ノウルズさんの美しさ、ジェニファー・ハドソンさんの全てを圧倒する歌声*2、ジェームス・ブラウン氏を彷彿とさせるエディ・マーフィー氏の演技等、出演者が各人各様の存在感を示しているのに作品全体としてはバラバラな感じが無く、絶妙な調和を醸し出している。ショービジネス界の光と影をクッキリと浮かび上がらせ、切ない思いにもさせてくれる。ふんだんに盛り込まれた音楽の数々も言う事が無い。
総合評価は星4.5個としたい。
*1 リード・ボーカルをスーちゃんからランちゃんに変更した事で、爆発的な人気を得た嘗てのキャンディーズを思わせる話だ。それとドリーメッツを去る事になったエフィーの髪型が、「テレビ3面記事 ウィークエンダー」時代の泉ピン子さんの髪型に見えて仕方が無かった。
*2 彼女の歌う「One Night Only」(こちらで視聴可。)は最高!
1962年、シカゴ在住のディーナ・ジョーンズ(ビヨンセ・ノウルズさん)とエフィー・ホワイト(ジェニファー・ハドソンさん)、ローレル・ロビンソン(アニカ・ノニ・ローズさん)の仲良し3人組はコーラス・グループの「ドリーメッツ」を結成。エフィーの弟で作曲家のC.C.(キース・ロビンソン氏)が手掛けたヒップホップな曲調と、エフィーのダイナミックのボーカルで歌の世界にて成功すべく数々のコンテストを受けるも、その悉くに落選してしまう。
或る日、アポロ・シアターで開催されるコンテストに参加する為にニューヨークに向かった3人は、この大会でも優勝を逃す事に。何度コンテストに挑んでも結果を残せない事に失望する彼女達だったが、その才能に目を付けた一人の男が居た。成功の為には手段を選ばない野心家マネージャーのカーティス・テイラーJr.(ジェイミー・フォックス氏)がその人で、彼はスーパー・スターのジェームズ・サンダー・アーリー(エディ・マーフィー氏)のバック・コーラスとしてドリーメッツをデビューさせる。
時代は彼女達を求め、ドリーメッツは瞬く間にスターダムに伸し上がって行く。ドリーメッツをそれ迄のR&Bグループから、より稼ぎが見込めるポップス・グループに変えようと目論むカーティス。彼はグループ名をドリーメッツから「ザ・ドリームズ」に変更、そして歌唱力よりも見た目の可愛さを優先させ、リード・ボーカルをエフィーからディーナに交代させてしまう。*1傷付いたエフィーはグループから去り、新たなメンバー1人迎えたザ・ドリームズは洗練された雰囲気を押し出して行く事で、彼女達と同じ黒人よりも寧ろ白人達の圧倒的な支持を受け、アメリカを代表するスターとなる。
しかし富や名声を得た彼女達は、それと引き換えに多くの物を失って行く事となる。異性問題や音楽の方向性の違い、薬物問題等々、何時しかザ・ドリームズとスタッフの間には埋め難い隙間が徐々に広がり・・・。
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ブロードウェイ・ミュージカルとして空前の大ヒットを記録した「ドリームガールズ」。トニー賞の13部門にノミネートされ、内6部門で受賞となったこのミュージカルを映画化した「ドリームガールズ」。元々「オズの魔法使い」や「雨に唄えば」、「ウエスト・サイド物語」、「メリー・ポピンズ」、「サウンド・オブ・ミュージック」等々ミュージカル映画は好きなのだが、何故かこの作品には余り食指が動かなかった。そんな自分が映画館に足を運ぶ事になったのは、当ブログを覗いて下さっているtak_123様が高評価を下しておられたからだった。
SFXを駆使した作品には概して現実から乖離した世界が描かれているものだが、ミュージカル映画も日常の会話ですらも音楽に乗せてしまうという意味で非現実的で在り、その非現実性こそがミュージカル映画の最大の魅力と自分は捉えている。この「ドリームガールズ」でも、その魅力が余す所無く発揮されている。
この作品が描いているのは、1960年~1970年代のアメリカ。黒人に対する偏見が未だ強く残っていた時代で、黒人公民権運動の指導者キング牧師の姿も登場する。ドリーメッツの歌が黒人専用のラジオ放送局から流され、多くの黒人達の間で好評を得るのだが、この放送が受信可能範囲が狭い事を悪用して白人達がオリジナルの曲としてパクってしまうシーンが描かれている。この事に怒りを覚えたカーティス達は必死で金銭を掻き集め、その金銭をメジャーな放送局のDJ達にばら撒くのと引き換えにドリーメッツの曲を流して貰い、結果的に彼女達のオリジナル曲で在るという事を一般に認知させる。そんな嫌な目に在ったカーティスが後にエンターテインメントの大立て者となった際、どん底生活から再び歌の世界に戻ったエフィーの歌う曲をパクってザ・ドリームズのヒット曲に仕上げて行ったのは何とも皮肉だ。
ビヨンセ・ノウルズさんの美しさ、ジェニファー・ハドソンさんの全てを圧倒する歌声*2、ジェームス・ブラウン氏を彷彿とさせるエディ・マーフィー氏の演技等、出演者が各人各様の存在感を示しているのに作品全体としてはバラバラな感じが無く、絶妙な調和を醸し出している。ショービジネス界の光と影をクッキリと浮かび上がらせ、切ない思いにもさせてくれる。ふんだんに盛り込まれた音楽の数々も言う事が無い。
総合評価は星4.5個としたい。

*1 リード・ボーカルをスーちゃんからランちゃんに変更した事で、爆発的な人気を得た嘗てのキャンディーズを思わせる話だ。それとドリーメッツを去る事になったエフィーの髪型が、「テレビ3面記事 ウィークエンダー」時代の泉ピン子さんの髪型に見えて仕方が無かった。

*2 彼女の歌う「One Night Only」(こちらで視聴可。)は最高!

TBありがとうございました!
ミュージカル好きにとっては、
大・大満足の映画でした~~。
4月のビヨンセコンサート、チケットもうないでしょうね?
それにしても、
「キャンディーズ」のメインボーカル交代劇
当時、美樹ちゃんに、似ていると言われました。
(え~~?痩せているところが?)
語れる人が少なくて寂しかったので
何だか・・・同級生にあったようで・・(笑)
この映画気気に入っていただいたようでよかったです~
自分的にはもう一回みてもいいぐらいだと思ってます。
ドリームガールズからキャンディーズのメインボーカル交代の歴史に繋げられる。。流石はgiants-55さんですね
大人しそうに見えるところがかな?
なんかスナッチャーさんに親近感を感じました。
音楽はもちろん素晴らしかったのですが、その時代の情勢もさりげなく織り込んでいたので、作品に深みが増した気がします。
キャンディーズの話は知らなかったです・・・。
やはり厳しいショウビズの世界、よくあることなのかもしれませんね。
でも、「ワンナイトオンリー」、私も最高だと思います!
ブログ暦が長いのですね、内容も多岐に渡っていて尊敬します。長く続ける秘訣を見つけに又お伺いします、よろしくお願い申し上げます。
マヌケ様もこの作品を堪能された様で嬉しいです。
今、気が付きました(恥)
大変失礼致しましたm(_ _)m