ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

病に負けるな、“ドラえもん”!

2015年05月15日 | 時事ネタ関連

「元気」なイメージが在る人が、重い病に罹患していると知った時、其のショックは大きい。2001年に直腸癌を罹患し、2008年には脳梗塞心筋梗塞併発した事は知っていたけれど、大山のぶ代さんには“パワフル”なイメージが在ったので、今回の報道には驚いてしまった。

 

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「大山のぶ代、認知症・・・夫・砂川啓介『2分前の事も忘れる。』」(5月14日、スポーツ報知

 

テレビ朝日系人気アニメドラえもん」【動画】の声を26年間務めていた女優声優の大山のぶ代(78歳)が、認知症で在る事が13日判った。夫で俳優の砂川啓介(78歳)が、此の日朝のTBSラジオ大沢悠里のゆうゆうワイド」の生放送中に明かした。砂川によると、直前に話した内容を忘れたり、入浴等の日常生活も1人では難しい状態。声の仕事は続ける意欲は在るといい、体調を見乍ら、チャレンジしていくと言う。

 

ショッキングな告白だ。1979年のテレ朝版アニメのスタート以来、ドラえもんの声を26年務め、誰もが知る独特の声質で愛されて来た大山が、認知症と闘っていた。砂川によると2分位前の事も忘れる。電話に出ても答えられないので、1人では留守番も出来ない。と最近の様子を明かした。

 

所属事務所によると、認知症と診断を受けたのは2、3年前。大山は2008年に脳梗塞を患い神経内科に通院していた。前頭葉後遺症抱えていた、砂川は「後遺症だと思い、気付かなかった。」と言う。砂川やマネジャーの顔は判別出来るが「昔の事は、余り思い出さない。最近は自分でも(病状を)自覚していて、『私、もう駄目だから。』と言う事も在る。」と弱気になっている様だ。

 

料理上手で知られるが「全く今は出来ない。大雑把になるのも認知症の特徴で、洗剤も使わないで、洗い物をしている。」と砂川。入浴は家政婦やマネジャーが手を借すと言う。

 

砂川も当初は、周囲に大山の病状を隠し乍ら、介護を行っていた。然し、50年の友人で「ゆうゆう~」に看板コーナーを持つ毒蝮三太夫(79歳)に「全部背負ったら、御前が先に逝っちゃうぞ。」と励まされ、ラジオで告白する事を決めたと言う。

 

日常生活には人の手が必要な一方、肉体的には健康。声の仕事に付いては「台本を見乍らだったら遣れる。」(砂川)と、プロ根性染み付いている。2010~2013年ゲーム、アニメ化された「ダンガンロンパ・シリーズ」【動画】で仕事復帰も果たした。此の日の放送でも、26日に砂川が出演するライヴで販売するCD用に、先週収録した大山の音声が流された。確りした口調で「今日は、砂川さんの歌を聴いてくれて有難う。又、会いましょう、バイバイ!」と若々しい声が響いた。今後は投薬治療を続け、体調を見乍ら、出来る仕事はして行くと言う。

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老い」、「認知症患者及び社会が被る損失」、「現在の日本の人口の約9割に当該」、「一日も早い実用化を望む」、「増加しているのを実感」「認知症患者を巡るニュース」、「実態に合った対応」等、過去に認知症に関する記事を多く書いて来たのは、認知症という病気が他人事と思えないから。

 

自分が幼かった頃、父方の祖父が認知症に罹患した。60代を迎えて間も無い頃に発症という、比較的若い年齢での事だった。幼かったし、祖父達とは同居していなかったという事も在り、祖父の介護の状況は長じてから知る事になったが、想像以上の大変さだった様だ。

 

息子(自分の父親)の顔が判らなくなり、「当人に向かって、良い息子さんですね。」と他人として接するのは笑える範疇だが、徘徊と感情の起伏の激しさには、相当手を焼いたと言う。少しでも目を離すと、外にふらりと出てしまい、帰れなくなってしまう。出ようとする所を見付け、止めようとするのだが、何しろ肉体的には元気な物だから、抑えるのが並大抵では無い。子供の様に駄駄を捏ねる事も珍しく無く、肉体や体力は大人で在るから、其の事で怪我を負ったりする事も。

 

認知症にも色々種類が在るけれど、今で言う所の「レビー小体型認知症」だったと思われる。「見えない物が見える。」、即ち幻視」が特徴の1つで、誰もない方向に向かって「彼処に子供が居る。」とか言って、色々話し掛けたりするものだから、自分より少し年上の従兄弟なんぞは、真顔で怖がっていた。

 

結局、祖父の闘病は3年程で終わった。所謂脳死状態”を迎え、祖母達の介護疲れを知っていた医師より、「年齢的な事も在り、心臓は元気です。だから、機械的に長期間延命させ続ける事は可能ですが、どうしますか?」と、“配慮の在る言葉”を掛けられ、其の儘“生”を終えさせる決断をした。介護で積み重なった疲労困憊度は相当な物で、祖父が亡くなってから暫くの間は、哀しみよりもホッとした思いしか無かったそうだ。

 

2012年に厚労省が発表したデータによると、全国の認知症患者の数は約462万人で、65歳以上の人に限って言うと、7人に1人が罹患しているのだそうだ。超高齢社会を迎えた今、其の割合は大きくなる一方だろう。

 

認知症に罹患した際の特徴として、言い方は良く無いかもしれないけれど、“だらしなさ”が出て来ると聞く。「風呂好きだったのに、風呂に入りたがらなくなる。」、「綺麗好きだったのに、片付けないで、散らかし放題になる。」、「料理好きだったのに、料理をしなくなる。」等だが、料理好きで知られた大山さんの場合、料理をしなくなったというのが当て嵌まるのかもしれない。

 

夫の佐川啓介氏、「超人バロム・1」【動画】での木戸松五郎役や「お昼のワイドショー」の司会を務めていた事で、非常に馴染み深い。御互いに労り合っている感じが伝わって来て、大山さんとは「本当に仲が良い夫婦だなあ。」という思いが在る。

 

今回の告白に付いては、人其れ其れに考えは在ろうけれど、自分は良かったと思っている。「見世物扱い!」という批判も判らないでは無いけれど、隠し通す事で介護する側も疲弊してしまうし、介護される側もリハビリの機会を狭めてしまうと考えるから。告白した事で、最初は好奇の目に晒されるかもしれないが、上京に理解を持ってくれて、尚且つ様々な点で“協力”してくれる人は少なく無いだ。必死でリハビリしている姿を目にして、今は病に罹患していない人も勇気を貰える。長嶋茂雄氏が、良い例ではないか。

 

先週収録されたという大山さんの声を実際に耳にしたが、思っていた以上に御元気な感じでホッとした。リハビリは大変だろうけれど、少しづつでも良くなって行って欲しい。


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