ELLE編集者のジャン・ドーは脳梗塞で倒れ、目覚めたときには唯一左目の瞼だけが動くという状態。目の前にいる医師、看護師、見舞いに訪れた妻や子供たちの言葉ははっきりと理解出来るのに、自分の思いを言葉で伝えることは出来ない。
意思を伝える方法は、言語療法士の編み出したもののみ。瞬き一回が「はい」、二回が「いいえ」。一文字ずつ読み上げられるアルファベットを瞬きで止める。単語が完成したら瞬き二回。
一度は死にたいと思ったジャン・ドーだったが、左目の瞬きと記憶と想像力があれば、この潜水服を着たような閉塞感の中から蝶のように羽ばたけると思い直す。そして、倒れるまでの半生を綴った自叙伝を書き上げた。
それがまさにこの映画の原作「潜水服は蝶の夢をみる」だ。
ジャンの左目の視点から描かれているシーンがとても多く、彼がどれだけの閉塞感の中にいるのかを物語っている。
自分がもし同じような状況になったら、きっとジャンのように死にたいと思うだろう。しかし、ジャンのように思い直すことができるだろうか。瞬きのみでしか意思を伝えられないコミュニケーション方法に挫けることなく何かを周りに伝えることが出来るだろうか。
気が遠くなるほど果てしない作業。
それをほんの一瞬でも感じ、考えることがこの映画を観る意味なんだと思う。
単純に面白さや感動を伝えてくれる映画ではない。ただ、映画を観る尺度がそれだけではないということを再確認させられた。
意思を伝える方法は、言語療法士の編み出したもののみ。瞬き一回が「はい」、二回が「いいえ」。一文字ずつ読み上げられるアルファベットを瞬きで止める。単語が完成したら瞬き二回。
一度は死にたいと思ったジャン・ドーだったが、左目の瞬きと記憶と想像力があれば、この潜水服を着たような閉塞感の中から蝶のように羽ばたけると思い直す。そして、倒れるまでの半生を綴った自叙伝を書き上げた。
それがまさにこの映画の原作「潜水服は蝶の夢をみる」だ。
ジャンの左目の視点から描かれているシーンがとても多く、彼がどれだけの閉塞感の中にいるのかを物語っている。
自分がもし同じような状況になったら、きっとジャンのように死にたいと思うだろう。しかし、ジャンのように思い直すことができるだろうか。瞬きのみでしか意思を伝えられないコミュニケーション方法に挫けることなく何かを周りに伝えることが出来るだろうか。
気が遠くなるほど果てしない作業。
それをほんの一瞬でも感じ、考えることがこの映画を観る意味なんだと思う。
単純に面白さや感動を伝えてくれる映画ではない。ただ、映画を観る尺度がそれだけではないということを再確認させられた。