短歌
東部ブロック 木曽 英子
〇 切々とアメイジンググレース亡き人の一つフレーズ夢に往き来す
〇 つばくろのはるかなる大地(くに)へ旅たつ日惑星ひとつふり落さるる
〇 唇がやさしき嘘をつくように一位の樹の実あかく爛るる
(一位の樹は別名アララギ・スダオノキ アイヌ語ではオンコともいわれる。)
広島ブロック 高野 和子
〇 大いなる魚に似し雲とおりすぎ天空かすかに水の音する。
〇 乗り降りの一人だになき夜を灯し列車発(た)たしむ野の無人駅
〇 春の雨は音なく家をつつみたり肩低くして母は写経す
呉ブロック 吉本 良典
〇 坂道を登れば昔のグラバー邸輝く湾(いりえ)眼下に見えて
〇 グラバー邸新しき息吹感じつつ集ひし志士等の昔を偲ぶ
〇 古希参拝まだまだ若いと語らひつ湯宿の夜を同級生(ともら)と楽しむ
呉ブロック 中野 担子(家族)
〇 荒れはてた畑の中に黄緑の蕗の薹があたまのぞかす
〇 蕗の薹摘めば春の香だヾよえり空見上げつヽ深く息する
〇 温かき御飯に蕗味噌ちょっとのせ夫食しつヽ足らいいるらし
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