現代日本語文法文章論 題材は、タイトルが、日本人、アジアのオケ育成 とあり、副題に、
ミャンマー・ベトナムなどで音楽振興 基礎から指導、ネット活用 とある。日本経済新聞の文化面、20141004付けである。執筆者は、 文化部 関優子氏である。なお、有料会員サイトであり、著作の全文をこのように言語分析に資料としているので、そのことをお断りするとともに、ここにお礼を申したい。
冒頭の文は、次である。
> ミャンマー、ベトナム、インドネシアなどアジア各地で日本人指揮者が奮闘している。
末尾の文は、つぎである。
>日本人が培ってきた西洋音楽の知識や技術が今、アジアの音楽文化を開花させようとしている。
書き出しの文段は、次のようである。
> ミャンマー、ベトナム、インドネシアなどアジア各地で日本人指揮者が奮闘している。現地のオーケストラを基礎から鍛え、クラシック音楽の発展に一役買っている。
末尾の文段は、次のようである。
>日本は外来の文化である西洋音楽をアジアの中でいち早く取り入れ、独自の演奏史やオーケストラ文化を築いてきた。「今、アジアで同じことが起こりつつある」と徳岡は見る。日本人が培ってきた西洋音楽の知識や技術が今、アジアの音楽文化を開花させようとしている。
段落は、見出しのもと、次のようである。
>技術はまだ未熟
設立は2001年。ミャンマー唯一のプロオーケストラだが、楽員の大半が楽器を習い始めたのは大学時代やそれ以後で、技術水準はまだ低い。
> チャットで質問
パリに戻った後も、毎日のようにチャットで学生たちの質問に答えてきた。今年5月にも再びインドネシアで指導し、コンサートを指揮した。
春秋
2014/10/4付日本経済新聞
もしも世界が日本の街づくりをまねしたら? 東洋文化研究者のアレックス・カー氏がそんな発想で合成写真を作り、近著「ニッポン景観論」に掲載している。例えばイタリアの港町ベネチアでは、小舟の行き交う運河が埋められ4車線道路になり、標識や看板が並ぶ。
他の街も同様だ。荘厳な寺院の前に大型バスがずらり。伝統建築の一部も駐車場に。街角の彫像を「禁煙」「登らないでください」などの注意書きが囲む。お遊びを込めた問題提起を笑って眺めるうちに、情けない気持ちがわく。現実の日本で、観光地や歴史ある街の多くが、まさにこの写真通りのことをしているからだ。
地方創生の名のもとに、人口維持や観光客誘致などに向けて、これからさまざまな手が打たれることになりそうだ。自分たちの住む街や地域の魅力を高めるために、本当に効果のあることは何か。用心深く吟味しないと、つぎ込むお金が無駄になるだけでなく、景観や歴史など、すでに持っている街の資産を壊しかねない。
観光振興のノウハウは世界で進化しており、日本は後れをとっているとカー氏は説く。予算を使うなら、新しい施設より建物の再生や景観を損なうものの撤去に使うべきだ、とも。実際に、昔を思わせる温泉や古民家を改装した宿は外国人にも人気が高い。いまあるものをきちんといかす姿勢も、地域再生には大事になる。