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名月

2013-09-21 | 日本語百科
名月は明月であると語誌は説明する。名字は名実の名である。名と実、それが、あいともなうときを、名とする。中秋の名月はその名にふさわしいということである。満月と光がさえる秋の空である。白詩に、白居易‐效陶潜体詩「中秋三五夜、明月在前軒」とあり、明月を詩語としたものであろうか。時代が下がり、俳諧の論議を引いて、俳諧・旅寝論〔1699〕「されば三五十三夜の月、今をしなべて名月といへり。其中何れの月か不知、名月といふ故有と聞。〈略〉又明の字を用る事は和漢ともに三五の清光を賞し来る故に、明と名と通ひたるをもって通用は成べし」、と見える。明月、名月に注意をしていたのである。なお、藤原定家の日記、明月記があり、照光記ともいうが、1180年、治承4年の18歳から1235年、嘉禎1年、74歳までの56年間の日次記として、欠脱はあるものの、その名を知らしめたか。

日本国語大辞典

めい‐げつ 【名月】
〔名〕
陰暦八月十五夜の月。また、陰暦九月十三夜の月。《季・秋》

*山密往来〔1373〕南呂一五日「八月三五之良夜者。九商〈秋也〉無双之名月也」
*蜷川親元日記‐文明一五年〔1483〕八月一五日「水主三良左衛門尉親信方より名月之芋四籠進之」
*御湯殿上日記‐慶長八年〔1603〕八月一五日「めい月の御さか月一こんまいる」
*浮世草子・好色一代男〔1682〕一・六「十三夜の月、待宵めい月、いづくはあれど、須磨は殊更と」
*俳諧・旅寝論〔1699〕「されば三五十三夜の月、今をしなべて名月といへり。其中何れの月か不知、名月といふ故有と聞。〈略〉又明の字を用る事は和漢ともに三五の清光を賞し来る故に、明と名と通ひたるをもって通用は成べし」

【語誌】
「金葉‐秋・一八九」の詞書に「翫明月といへることをよめる」とあるように、古くは「明月」を用い、鎌倉時代まで「名月」を見出すことは難しい。


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