改善は改善である

ひもとく　日本「誤」百科 というコラムに、日本語新百科をこしらえようとして、日本語はどうなっているかと、日本語百科を書いてしまいました。コラムの著者には解説を簡潔に書いていくという制約があるでしょう。ご苦労を思いつつ、このようなブログを書くきっかけをくださって感謝いたします。


現代日本語「誤」百科　770 は、ブレーキの欠陥を改善する を、例題にしている。ブレーキを改善する　ブレーキの欠陥を取り除く　と、すればよいと解説する。

その言い方は、言葉の表現として理解されるようだが、ブレーキをそもそも、改善すべきものとして、設計しているわけではないし、ブレーキには、はじめから欠陥があるのだというような、そのような言い方では、この　欠陥を改善する　について、別の意味を作り出していることになって、ただしく言い換えたことにはならない。

＞2010/01/12 – 新型プリウスのブレーキの欠陥問題が今朝の新聞で報じられています。

あるメーカーの新型車におこった、ブレーキ欠陥問題が背景にあるので、欠陥の状況に具体的な内容をもって、この表現の言い回しに注意する必要がある。

ブレーキに欠陥が生じた、というときの、メカニズムで言えば、それはブレーキそのものの部品にか、または部分的作動で問題が生じて、それを結果として、欠陥と言っている。
ブレーキを設計段階から改善するようなことになる場合もあるだろうか。

ブレーキの欠陥だけを取り除いて、ブレーキ性能が、もとのように戻るとなるかどうか。
欠陥を改善するとは、それはその性能をさらに改善していくということである。

ここで、おかしいのは、ブレーキの欠陥を改善する　という解釈だ。

コラムは、文字通りにいうと、欠陥をさらに完全なものに近づけるため、もっと悪くするという意味になる　というようだが、これは文字通りのとらえ方ではない、間違った解釈であることは明らかだ。
文字通りにして、善いほうに改める、としているものを、さらにすすめるとするような、欠陥を改悪する、と言えば、それが、よくわかるのか、と、いうような議論は首肯できない。




クライスラー・ターバイン - Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/クライスラー・ターバイン
＞スロットルの反応の悪さ、高い燃料消費率 (14 L/100 km; 20 mpg-imp) とアイドリング時の高温の排気熱が初期のモデルでは問題となっていたが、クライスラー社はこれらほとんどの欠点や欠陥を改善することができた。



[PDF]678「名松線事故で業務委員会開催」
www.geocities.jp/jrtoukairou/gyoumu/678.pdf
＞短時間でブレーキが緩解するキハ11系車両の構造的な欠陥を改善すること。