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日本語文法文章論 仏教の絵物語

2014-10-13 | 日本語文法文章論
現代日本語文法文章論 題材は、タイトルが、仏教の物語 絵本で説く とある。副題に、人間の心見つめた智恵の集積、制作重ね30年 とある。エッセイである。日本経済新聞の文化面、20141013付けである。執筆者は、 諸橋精光氏である。なお、有料会員サイトであり、著作の全文をこのように言語分析に資料としているので、そのことをお断りするとともに、ここにお礼を申したい。

冒頭の文は、次である。

>地獄や極楽の様子、お釈迦さまの話や、経典に出てくる話など、さまざまな仏教の物語を絵本や紙芝居に描いて三十数年になる。

末尾の文は、次である。

>それをどうやって紙芝居にするのか、今からわくわくしている。

書き出しの文段は、次のようである。

>地獄や極楽の様子、お釈迦さまの話や、経典に出てくる話など、さまざまな仏教の物語を絵本や紙芝居に描いて三十数年になる。

末尾の文段は、次のようである。

>次は少し趣向を変えて、宮沢賢治の童話をもとにした大型紙芝居に取り組むつもりでいる。熱心な仏教信者だった賢治の物語世界には仏教の考え方が息づいている。それをどうやって紙芝居にするのか、今からわくわくしている。

段落は、見出しのもと、次のようである。

> 地獄絵を立体的に
 「そなたは盗みの罪により、地獄に落ちよ!」
 紙芝居では小僧さんの目の前で閻魔(えんま)大王が罪人に裁きを下す。罪人が鬼に連れて行かれた先は黒縄(こくじょう)地獄。重い岩を背負って綱渡りをさせられ、最後は煮えたぎる大釜の中に落ちるのだ。

> 世界の原画展出品
 卒業後、お寺に戻るとすぐに絵本を描き始めた。82年に完成した第一号は「涅槃会(ねはんえ)」。釈迦入滅を説明する手作り絵本をコピーで作り、檀信徒に配った

> 仏教理解の武器に
 100冊、200冊と絵本を制作するうちに気付くことがあった。絵本作りは仏教を深く理解していく武器になると。2005年の「般若心経絵本」(同)は絵本作りを通して難解な思想を理解し、水波のたとえを使って般若心経の世界を描いたものだ。経文の末尾「羯諦(ぎゃーてい) 羯諦」の部分は、大いなる母に抱かれる赤ちゃんのイメージで描いた。学生時代にやりたいと思ってきたことがようやく形になってきた。



春秋
2014/10/13付
日本経済新聞

 井之頭五郎――と聞いてピンとくる人はなかなかのドラマ好きだろう。テレビ東京系の深夜枠で先月まで4期にわたって放送された「孤独のグルメ」の主人公だ。仕事の合間に立ち寄った店で定食、カレー、回転ずし、などなどをただ食しては、あれこれ独り言を言う。

 原作のマンガに忠実に、毎回それだけの話だがこの作品のファンは少なくない。焼肉屋で盛大にカルビをぱくついて「うおォン 俺はまるで人間火力発電所だ」などと怪気炎をあげるのがなんともほほ笑ましいのだ。しばしば否定的に語られる「孤食」だが、見わたせばあの店この店にひとり飯を楽しむ五郎さんはいよう。

 柳田国男は「明治大正史 世相篇」で、近代以降、およそ食物は温かく、柔らかく、甘くなり、共同の飲食が減って個々の嗜好を重んじるようになったと説いている。たしかに誰にも気兼ねなく、混み合う居酒屋で好きなものを飲み食いするという図はムラ社会にはなかっただろう。ひとり飯は近代的自由の象徴なり、だ。

 もっとも昨今の大学生など、ランチ仲間がいない「ぼっち飯」をひどく恐れるらしい。ムラ社会への退行とは言わぬが、こんなところにも同調圧力にさらされる若者のすがたがあるのかもしれない。みんなでワイワイはもちろん愉快だが、ひとりもまた良し。井之頭五郎みたいなオトナに、そのへんの流儀を学ぶのもいい。

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