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愛の葛藤の物語   源氏語り2

2013-08-31 | 源氏語り
   愛の葛藤の物語   私説 源氏語り2

すくせは、前世または前世からの因縁である。

語ること、それを語ることそのものが、すでに宿世であった。

光る君のその前世にあったものは人の愛である。

天あるいは王の、帝の愛であった。

源氏物語のテーマが愛の葛藤であるなら、それは読者に許されない愛でもあった。

その物語の主人公は光る君であるとするか、男主人公、女主人公をとらえて読者に応じるか、それはテクストによる。

師の師のことばには、女が書いた、女のための、女の物語、玉上源氏評釈、とあった。

光る君の物語は本編で完結できなかったのはなぜか。

文学史に則れば、作品名、作品が書かれた時代、作者、そして梗概となる。

さらには、物語の主題や表現技巧、作品の影響、構成など挙げられよう。

執筆の順による文芸の扱いもあるし、それを成立論に捉えることもあった。

文献国語の読み取りは写本の異同にも及ぶ。

注釈に表れた文学作品の源氏物語の読みは、げんじのものがたり、であった。

が、いつからか、げんじものがたり、と呼ばれるようになった。

湖月抄を読むと、物語中の物語として命脈を保ってきたなか、有朋堂文庫が読みやすくした。

人々の手に普及したのは1940年代半ば以降である。

岩波の文庫、朝日の古典全書が果たした役割についで、1960年代の日本古典文学大系が源氏物語を庶民にもたらした。


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