愛の葛藤の物語 私説 源氏語り2
すくせは、前世または前世からの因縁である。
語ること、それを語ることそのものが、すでに宿世であった。
光る君のその前世にあったものは人の愛である。
天あるいは王の、帝の愛であった。
源氏物語のテーマが愛の葛藤であるなら、それは読者に許されない愛でもあった。
その物語の主人公は光る君であるとするか、男主人公、女主人公をとらえて読者に応じるか、それはテクストによる。
師の師のことばには、女が書いた、女のための、女の物語、玉上源氏評釈、とあった。
光る君の物語は本編で完結できなかったのはなぜか。
文学史に則れば、作品名、作品が書かれた時代、作者、そして梗概となる。
さらには、物語の主題や表現技巧、作品の影響、構成など挙げられよう。
執筆の順による文芸の扱いもあるし、それを成立論に捉えることもあった。
文献国語の読み取りは写本の異同にも及ぶ。
注釈に表れた文学作品の源氏物語の読みは、げんじのものがたり、であった。
が、いつからか、げんじものがたり、と呼ばれるようになった。
湖月抄を読むと、物語中の物語として命脈を保ってきたなか、有朋堂文庫が読みやすくした。
人々の手に普及したのは1940年代半ば以降である。
岩波の文庫、朝日の古典全書が果たした役割についで、1960年代の日本古典文学大系が源氏物語を庶民にもたらした。
すくせは、前世または前世からの因縁である。
語ること、それを語ることそのものが、すでに宿世であった。
光る君のその前世にあったものは人の愛である。
天あるいは王の、帝の愛であった。
源氏物語のテーマが愛の葛藤であるなら、それは読者に許されない愛でもあった。
その物語の主人公は光る君であるとするか、男主人公、女主人公をとらえて読者に応じるか、それはテクストによる。
師の師のことばには、女が書いた、女のための、女の物語、玉上源氏評釈、とあった。
光る君の物語は本編で完結できなかったのはなぜか。
文学史に則れば、作品名、作品が書かれた時代、作者、そして梗概となる。
さらには、物語の主題や表現技巧、作品の影響、構成など挙げられよう。
執筆の順による文芸の扱いもあるし、それを成立論に捉えることもあった。
文献国語の読み取りは写本の異同にも及ぶ。
注釈に表れた文学作品の源氏物語の読みは、げんじのものがたり、であった。
が、いつからか、げんじものがたり、と呼ばれるようになった。
湖月抄を読むと、物語中の物語として命脈を保ってきたなか、有朋堂文庫が読みやすくした。
人々の手に普及したのは1940年代半ば以降である。
岩波の文庫、朝日の古典全書が果たした役割についで、1960年代の日本古典文学大系が源氏物語を庶民にもたらした。