現代日本語文法文章論 題材は、タイトルが、キティ 進化するアイドル とある。副題に、サイン会・数々のコラボ…こう見えて、仕事は選んでます とある。エッセイである。日本経済新聞の文化面、20141017付けである。執筆者は、 山口裕子氏である。なお、有料会員サイトであり、著作の全文をこのように言語分析に資料としているので、そのことをお断りするとともに、ここにお礼を申したい。
冒頭の文は、次である。
>11月1日は「ハローキティ」の誕生日だ。1974年に生まれたキティは今年で40周年。。
末尾の文は、次である。
>これからも、キティと一緒に夢を見ていきたい。
書き出しの文段は、次のようである。
>11月1日は「ハローキティ」の誕生日だ。1974年に生まれたキティは今年で40周年。私はこの日を、記念イベントが行われる米ロサンゼルス現代美術館で、世界中のファンたちとともに過ごす予定だ。
末尾の文段は、次のようである。
>私にとって、キティは確固とした人格のある一人のアイドルだ。今はCMの女王でもある。今後、彼女がアイドルを脱皮した時にどこへ連れて行こうか。女優か、ミュージカル女優か、歌手か。マルチタレントではなく、どれかに絞って育てていこうと思う。これからも、キティと一緒に夢を見ていきたい。
段落は、見出しのもと、次のようである。
> 入社2年でデザイナー
私がキティの3代目デザイナーについたのは1980年。美大を出てサンリオに入社してまだ2年目のことだった。
> 口だけはもう描かない
ただ初のアニメ化の際、キティの口を描いたのは失敗だった。「こんなのキティじゃない」と皆さんから相当言われた。口だけは、もう絶対に描かないと決めている。
> 男性向けブランド挑戦
今、キティは大きな挑戦に乗り出している。これまでのキティは基本的に女の子のものだったが、来年にも、キティの男性向けファッションブランドを立ち上げたい。先月開いたキティTシャツの展示会には大きな反響があった。若い男性が欲しているものは私にはわからない。男性向けのファッションを手がけるデザイナーの方などの力を借りて、一緒にやっていければいい。
2014/10/17付
日本経済新聞
内田百間は写真嫌いだった。東京駅の名誉駅長になったときは終始パシャパシャやられ「寿命が薄くなる」と憤慨した。随筆でいわく「玄人の仕事の関係は仕方がないとして、そうでない素人がどうしてあんなに写真が取りたいか」。百鬼園先生らしい毒舌ぶりである。
そんな作家が昨今の「自撮り」ブームを知ったらどんな意見をするだろう。スマートフォン(スマホ)などを使った、自分で自分を撮る遊びだ。ずっと昔からセルフスナップと呼んでこの手はあったけれど、スマホの登場でやりやすくなった。最近では一般のデジタルカメラにもこの機能付きが登場してにぎやかなことだ。
自らハイ、チーズなんてナルシシストっぽいなどと言うなかれ。出来のいい作品をブログや交流サイト(SNS)に載せてアピールする人も珍しくない。英語圏では、自撮り写真を指すセルフィーなる新語が定着しつつあるそうだから世界的な流行だ。先日はスマホに専用の長い棒を付けて操作している若者に出くわした。
そういえば百間は、写真はご免と言いながら案外たくさん撮らせている。口をへの字に結んで謹厳なふうを装い、じつはなかなか自意識が強かったのだろう。そんな自己演出が自撮りで気軽にできるようになった時代を喜ぶべきか悲しむべきか。試みに1枚……スマホ画面の自身を眺めればやはり、寿命の縮む思いがする。
冒頭の文は、次である。
>11月1日は「ハローキティ」の誕生日だ。1974年に生まれたキティは今年で40周年。。
末尾の文は、次である。
>これからも、キティと一緒に夢を見ていきたい。
書き出しの文段は、次のようである。
>11月1日は「ハローキティ」の誕生日だ。1974年に生まれたキティは今年で40周年。私はこの日を、記念イベントが行われる米ロサンゼルス現代美術館で、世界中のファンたちとともに過ごす予定だ。
末尾の文段は、次のようである。
>私にとって、キティは確固とした人格のある一人のアイドルだ。今はCMの女王でもある。今後、彼女がアイドルを脱皮した時にどこへ連れて行こうか。女優か、ミュージカル女優か、歌手か。マルチタレントではなく、どれかに絞って育てていこうと思う。これからも、キティと一緒に夢を見ていきたい。
段落は、見出しのもと、次のようである。
> 入社2年でデザイナー
私がキティの3代目デザイナーについたのは1980年。美大を出てサンリオに入社してまだ2年目のことだった。
> 口だけはもう描かない
ただ初のアニメ化の際、キティの口を描いたのは失敗だった。「こんなのキティじゃない」と皆さんから相当言われた。口だけは、もう絶対に描かないと決めている。
> 男性向けブランド挑戦
今、キティは大きな挑戦に乗り出している。これまでのキティは基本的に女の子のものだったが、来年にも、キティの男性向けファッションブランドを立ち上げたい。先月開いたキティTシャツの展示会には大きな反響があった。若い男性が欲しているものは私にはわからない。男性向けのファッションを手がけるデザイナーの方などの力を借りて、一緒にやっていければいい。
2014/10/17付
日本経済新聞
内田百間は写真嫌いだった。東京駅の名誉駅長になったときは終始パシャパシャやられ「寿命が薄くなる」と憤慨した。随筆でいわく「玄人の仕事の関係は仕方がないとして、そうでない素人がどうしてあんなに写真が取りたいか」。百鬼園先生らしい毒舌ぶりである。
そんな作家が昨今の「自撮り」ブームを知ったらどんな意見をするだろう。スマートフォン(スマホ)などを使った、自分で自分を撮る遊びだ。ずっと昔からセルフスナップと呼んでこの手はあったけれど、スマホの登場でやりやすくなった。最近では一般のデジタルカメラにもこの機能付きが登場してにぎやかなことだ。
自らハイ、チーズなんてナルシシストっぽいなどと言うなかれ。出来のいい作品をブログや交流サイト(SNS)に載せてアピールする人も珍しくない。英語圏では、自撮り写真を指すセルフィーなる新語が定着しつつあるそうだから世界的な流行だ。先日はスマホに専用の長い棒を付けて操作している若者に出くわした。
そういえば百間は、写真はご免と言いながら案外たくさん撮らせている。口をへの字に結んで謹厳なふうを装い、じつはなかなか自意識が強かったのだろう。そんな自己演出が自撮りで気軽にできるようになった時代を喜ぶべきか悲しむべきか。試みに1枚……スマホ画面の自身を眺めればやはり、寿命の縮む思いがする。