にやける このままだと、にやにやしている、と思ってしまうだろう。ふける にやける この対比ではいかがか。更ける については、老ける の同源とする解説がある。すると、その 更ける 老ける ともに字の当て方が気になる。そこで、にやける に、若の字を当てて、若気る としてみると、わかりよくなる。もともと 若気 という語であるとする。これはこれでその文字遣いがあるかどうかである。そしてこの語の使い方を知ると、本来の意味での、若気 でないならば、にゃける にやける などと言われて、逆にニヤニヤなんかしていられない。
デジタル大辞泉
にや・ける【▽若気る】
[動カ下一]《名詞「にやけ」の動詞化》
1 男が変にめかしこんだり、色っぽいようすをしたりする。「―・けたやつ」
2 俗に、にやにやする。口許がゆるんで笑顔になる。「彼のことを考え、―・けてしまう」
[補説]文化庁が発表した平成23年度「国語に関する世論調査」では、「なよなよとしている」の意味で使う人が14.7パーセント、「薄笑いを浮かべている」の意味で使う人が76.5パーセントという結果が出ている。
http://prmagazine.bunka.go.jp/rensai/kotoba/kotoba_001.html
OME > 言葉のQ&A 001
言葉のQ&A
t2014年5月14日
>
にやけるのは男性だけ? ~「にやける」の意味~
文化庁国語課
<「彼はにやけた顔をしている。」のように使われる「にやける」。「国語に関する世論調査」では,7割台半ばの人が「薄笑いを浮かべている」という意味であると答えました。本来はどのような意味の言葉でしょうか。>
問1 「にやける」とは,本来どのような意味なのでしょうか。
答 なよなよとしている,という意味です。男性の様子を表すのに使われてきました。
「にやける」を辞書で調べてみましょう。
「明鏡 第2版」(平成22年・大修館書店)
にやける〔自下一〕男性がなよなよと色っぽいようすをする。▽男色をいう「にやけ(若気)」を動詞化した語。
「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
にやける【若気】〔自カ下一〕(「にやけ(若気)」を動詞化した語。古くは「にゃける」か)男が女のように色っぽい様子や姿をする。転じてうわついている。
「新明解国語辞典 第7版」(平成24年・三省堂)
にやける〔男色の意の「若気」の動詞化。もと男子が,武事を忘れ,文学・遊芸にふけり,婦女子のように化粧をする意〕 男性の服装・物腰などが必要以上に女性化していて,見た人に思わず,なんということかという感じを与える。
「にやける」は,本来,男性がなよなよとしていること,女性のように色っぽい様子や姿をしていることを言います。元々「にやけ」とは,鎌倉・室町時代頃に貴人の側に付き従って男色の対象となった少年を意味していました。ですから,「にやける」には薄笑いを浮かべているという意味はなく,また,女性の形容に使われることも普通はありませんでした。
日本国語大辞典
にや・ける 【若気】
解説・用例
〔自カ一〕
(にやけ(若気)」を動詞化した語。古くは「にゃける」か)
男が女のように色っぽい様子や姿をする。転じて、うわついている。→にやけ。
*古文真宝前集抄〔1642〕一「きる物のえやうを好みなまにやけたるなりをし」
*俳諧・千代見草〔1692〕「我器量虎が石にはにやけ過て」
*書言字考節用集〔1717〕八「若弱 ニヤケル」
*滑稽本・浮世風呂〔1809〜13〕三・上「京の老爺(ぢさま)の鼻嗚呼めかして、あのおしゃんす事はいな、と弱気(ニヤケ)た言(ことば)も」
*風俗画報‐五八号〔1893〕人事門「按るに男のなまめけるをにやけたりと云は即この若気なり」
*魔風恋風〔1903〕〈小杉天外〉後・許嫁・三「軽佻(ニヤケ)た服装(なり)の男である」
にや‐け 【若気】
解説・用例
〔名〕
(古くは「にゃけ」か)
(1)鎌倉・室町時代頃、貴人の側にはべって、男色の対象となった少年。
*古事談〔1212〜15頃〕二・長季頼通若気事「長季は宇治殿若気也」
*明応本節用集〔1496〕「若気 ニヤケ」
*咄本・戯言養気集〔1615〜24頃〕上「そもじ久々御とうりうなされ候ゆへ、さびしく侍りぬ、又にやけにも事をかき申候まま、いそぎ御登山あれかしとかかれたり」
*俳諧・鷹筑波集〔1638〕一「奥州の衣川でやぬらすらん にやけにすくなの高館の御所〈日能〉」
(2)尻。肛門。
*自戒集〔1461〜67頃〕「石仏に糞ぬり、経巻にて若気をのごうほどに、人これををぢをそる」
*宗長手記〔1522〜27〕上「にやけのあたりはただ菊のはな あき風の吹上にほふとほそかみ」
*咄本・昨日は今日の物語〔1614〜24頃〕下「若衆の御姿を見て〈略〉『御かたちは天下一、おにやけは守護不入ぢゃ』」
(3)男が色めいた姿をしていること。男が派手に着飾ったり、なまめき媚(こ)びるような態度をとったりすること。また、その者。
*雑俳・柳多留‐一七〔1782〕「もっぱらにやけをむねとして地紙うり」
*滑稽本・大千世界楽屋探〔1817〕上「容貌(をとこぶり)は、御存(ごぞんじ)の六波羅様にて、色生白く弱気(ニヤケ)たっぷり」
*随筆・守貞漫稿〔1837〜53〕九「男子の優に過て更に無〓勇者を生垂と云〈略〉江戸にては『にやけ』と云〈弱気なる歟にやけた人など云り〉」
デジタル大辞泉
にや・ける【▽若気る】
[動カ下一]《名詞「にやけ」の動詞化》
1 男が変にめかしこんだり、色っぽいようすをしたりする。「―・けたやつ」
2 俗に、にやにやする。口許がゆるんで笑顔になる。「彼のことを考え、―・けてしまう」
[補説]文化庁が発表した平成23年度「国語に関する世論調査」では、「なよなよとしている」の意味で使う人が14.7パーセント、「薄笑いを浮かべている」の意味で使う人が76.5パーセントという結果が出ている。
http://prmagazine.bunka.go.jp/rensai/kotoba/kotoba_001.html
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言葉のQ&A
t2014年5月14日
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にやけるのは男性だけ? ~「にやける」の意味~
文化庁国語課
<「彼はにやけた顔をしている。」のように使われる「にやける」。「国語に関する世論調査」では,7割台半ばの人が「薄笑いを浮かべている」という意味であると答えました。本来はどのような意味の言葉でしょうか。>
問1 「にやける」とは,本来どのような意味なのでしょうか。
答 なよなよとしている,という意味です。男性の様子を表すのに使われてきました。
「にやける」を辞書で調べてみましょう。
「明鏡 第2版」(平成22年・大修館書店)
にやける〔自下一〕男性がなよなよと色っぽいようすをする。▽男色をいう「にやけ(若気)」を動詞化した語。
「日本国語大辞典 第2版」(平成12~14年・小学館)
にやける【若気】〔自カ下一〕(「にやけ(若気)」を動詞化した語。古くは「にゃける」か)男が女のように色っぽい様子や姿をする。転じてうわついている。
「新明解国語辞典 第7版」(平成24年・三省堂)
にやける〔男色の意の「若気」の動詞化。もと男子が,武事を忘れ,文学・遊芸にふけり,婦女子のように化粧をする意〕 男性の服装・物腰などが必要以上に女性化していて,見た人に思わず,なんということかという感じを与える。
「にやける」は,本来,男性がなよなよとしていること,女性のように色っぽい様子や姿をしていることを言います。元々「にやけ」とは,鎌倉・室町時代頃に貴人の側に付き従って男色の対象となった少年を意味していました。ですから,「にやける」には薄笑いを浮かべているという意味はなく,また,女性の形容に使われることも普通はありませんでした。
日本国語大辞典
にや・ける 【若気】
解説・用例
〔自カ一〕
(にやけ(若気)」を動詞化した語。古くは「にゃける」か)
男が女のように色っぽい様子や姿をする。転じて、うわついている。→にやけ。
*古文真宝前集抄〔1642〕一「きる物のえやうを好みなまにやけたるなりをし」
*俳諧・千代見草〔1692〕「我器量虎が石にはにやけ過て」
*書言字考節用集〔1717〕八「若弱 ニヤケル」
*滑稽本・浮世風呂〔1809〜13〕三・上「京の老爺(ぢさま)の鼻嗚呼めかして、あのおしゃんす事はいな、と弱気(ニヤケ)た言(ことば)も」
*風俗画報‐五八号〔1893〕人事門「按るに男のなまめけるをにやけたりと云は即この若気なり」
*魔風恋風〔1903〕〈小杉天外〉後・許嫁・三「軽佻(ニヤケ)た服装(なり)の男である」
にや‐け 【若気】
解説・用例
〔名〕
(古くは「にゃけ」か)
(1)鎌倉・室町時代頃、貴人の側にはべって、男色の対象となった少年。
*古事談〔1212〜15頃〕二・長季頼通若気事「長季は宇治殿若気也」
*明応本節用集〔1496〕「若気 ニヤケ」
*咄本・戯言養気集〔1615〜24頃〕上「そもじ久々御とうりうなされ候ゆへ、さびしく侍りぬ、又にやけにも事をかき申候まま、いそぎ御登山あれかしとかかれたり」
*俳諧・鷹筑波集〔1638〕一「奥州の衣川でやぬらすらん にやけにすくなの高館の御所〈日能〉」
(2)尻。肛門。
*自戒集〔1461〜67頃〕「石仏に糞ぬり、経巻にて若気をのごうほどに、人これををぢをそる」
*宗長手記〔1522〜27〕上「にやけのあたりはただ菊のはな あき風の吹上にほふとほそかみ」
*咄本・昨日は今日の物語〔1614〜24頃〕下「若衆の御姿を見て〈略〉『御かたちは天下一、おにやけは守護不入ぢゃ』」
(3)男が色めいた姿をしていること。男が派手に着飾ったり、なまめき媚(こ)びるような態度をとったりすること。また、その者。
*雑俳・柳多留‐一七〔1782〕「もっぱらにやけをむねとして地紙うり」
*滑稽本・大千世界楽屋探〔1817〕上「容貌(をとこぶり)は、御存(ごぞんじ)の六波羅様にて、色生白く弱気(ニヤケ)たっぷり」
*随筆・守貞漫稿〔1837〜53〕九「男子の優に過て更に無〓勇者を生垂と云〈略〉江戸にては『にやけ』と云〈弱気なる歟にやけた人など云り〉」