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日本文法文章論 漆うるわし

2014-10-07 | 日本語文法文章論
現代日本語文法文章論 題材は、タイトルが、漆うるわし 鉄の裏方 とある。副題に、樹液採取の用具、オーダーメードで作り半世紀 とある。日本経済新聞の文化面、20141007付けである。執筆者は、 中畑文利氏である。なお、有料会員サイトであり、著作の全文をこのように言語分析に資料としているので、そのことをお断りするとともに、ここにお礼を申したい。

冒頭の文は、次である。

> 漆製品作りは漆の木から樹液を掻(か)き採るところから始まる。

末尾の文は、つぎである。

>後進を通じてしっかり残していきたい。

書き出しの文段は、次のようである。

> 漆製品作りは漆の木から樹液を掻(か)き採るところから始まる。鉄製の特殊な漆掻き用具の製法をただひとり受け継ぎ、作り続けて50年余り。樹皮をはぐ鎌、幹に溝を彫るカンナ、そこから樹液をふき取るヘラなど。特にカンナは1年使うと刃がすり減ってしまうので、漆を掻き取る職人ひとりひとりの注文に合わせて時間をかけて作っている。

末尾の文段は、次のようである。

>この技術が途絶えると日本の漆製品づくりも立ち往生してしまう。後進を通じてしっかり残していきたい。

段落は、見出しのもと、次のようである。

> 職人ひとり年300本
 漆の木から樹液が採れるのは毎年6~10月ごろで、なかでも8~9月に上質な液が出る。「掻き子」と呼ばれる職人ひとりで年300~350本の木を受け持ち、カンナで横方向に彫った十数センチメートルほどの溝から染み出す樹液を採取してまわる。

>  1本の木に100の溝
 切り込みを入れると、じわっと樹液が出始める。それを専用のヘラでふき取るように採取していく。幹の太さなどによるが、1本の木に計100カ所程度の溝を彫り、約5カ月かけて樹液を採りきってしまう。樹液を採り終わった木は11月ごろに伐採し、また新しい木を植える。これは「殺し掻き」という採取法で、漆の木が豊富なこのあたりでは古くからとられている方法だ。


> 後進に技術継承を
 カンナは厚さ約1センチメートル、幅約2.5センチメートル、長さ約15センチメートルの鉄板から作る。先を2つに裂き、それぞれに刃を打ち出す。溝を掘る方を180度曲げる作業が最も難しいところだ。刃の厚さや曲線の具合、彫る溝の幅など。掻き子の力加減に合わないと作業中に割れてしまうこともある。シーズン途中に修正の依頼が入ることもあるが、幅や曲げ具合など細かい注文に応えていくことこそが良いカンナ作りにつながると思っている。

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