カタカナ表記 日本語表記論13
漢字仮名交じり文は平仮名交じりとなったのは社会の趨勢である。漢字に仮名を交えることは古くからおこなわれて片仮名書きは漢文訓読文の文体に現れ、一方で、平仮名書きは婦女子用とすることもあった。漢字の表記は字体にさまざまフォントがあるにはあるが、目安としての使い方が定着しつつある。普及したコンピュータによって横書きの仮名交じり文は機械の定めるところによる標準が実現するようになった。表記様式は共通化したものがあると考えてよい。
しかし、それに対してカタカナについての書き方が一定しないという表記の課題が残されてきた。カタカナというこの文字表記が意味するものは片仮名とは異なってとらえられるようである。仮名は国語の音韻を著わしたので仮名文字はその専用文字として日本語の発音表記と考えられてきた。歴史仮名づかいから現代仮名遣いに至るまで表音の規則を見出し取り決めをお行ってきたのであるから、仮名遣い相互の異論はあるものの現代仮名で統一されている。
片仮名は平仮名と同様の用い方をする一方で、新たに片仮名からカタカナとしての発音表記をとらえるようになってきた。つまり日本語の古語としての表記にあったものが、それは漢字音の表し方でもあったのであるが、外来語音から外国語音の表記に用いられるようになり、漢字の字音はそのままに、外国語の音声表記に使われるようになったので、カタカナとしての表し方がとらえられるようになった。
国語審議会が平成三年二月七日に外来語の表記、答申、抄、を発表している。前文には、次のように述べている。
外来語の表記(答申)(抄):文部科学省www.mext.go.jp#:#http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19910207001/t19910207001.html
www.mext.go.jp › 政策・審議会 › 告示・通達 › 告示・通達(か行)
それぞれの国の原音に基づく片仮名表記も行われているが、この問題は、今後の課題とし、今回の審議においては直接の対象とはしなかった。(ただし、今回示すものは「シャンハイ」「ソウル」等の表記には及ぼし得るものである。)また、PTA、CM、kgなど、国語の ...
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国語審議会は、昭和四一年六月以来、文部大臣の諮問に応じ、「国語施策の改善の具体策について」の審議を行っている。これまでに、「当用漢字改定音訓表」と「改定送り仮名の付け方」(昭和四七年六月)、「常用漢字表」(昭和五六年三月)、「改定現代仮名遣い」(昭和六一年三月)を答申し、これらは、いずれも内閣告示・内閣訓令によって実施された。引き続き、国語審議会は、昭和六二年一月以降、「外来語の表記」の問題について審議を進め、このたび、この『外来語の表記』を作成した。
〔『外来語の表記』の作成の経緯〕
国語審議会は、昭和六二年一月の総会で、昭和四一年の諮問において検討すべき問題点として示された事項のうち、「現代かなづかい」に関連する事項としての「外来語の表記」の問題を取り上げて審議することとした。以来、総会をはじめ、外来語表記委員会、小委員会など、合計八六回の会議を開いて検討を行い、平成二年三月には外来語表記委員会の試案を公表して広く各方面の意見を聞くなど、四年にわたり慎重な審議を重ねた。
審議に当たっては、昭和二九年の国語審議会部会報告「外来語の表記について」をはじめ、外来語や外国の地名・人名の書き方に関する明治以来の諸案、日本新聞協会や日本放送協会等で定めている現行の諸基準を参考にするとともに、現代の小型国語辞典に採録されている外来語や、官報、省庁の白書、教科書等に出現する外来語及び外国の地名・人名の表記の実態を把握することに努めた。また、各界・各方面から寄せられた要望や意見等も参照した。
その結果、以下に述べるような認識と方針の下に、この『外来語の表記』を作成するに至った。
漢字仮名交じり文は平仮名交じりとなったのは社会の趨勢である。漢字に仮名を交えることは古くからおこなわれて片仮名書きは漢文訓読文の文体に現れ、一方で、平仮名書きは婦女子用とすることもあった。漢字の表記は字体にさまざまフォントがあるにはあるが、目安としての使い方が定着しつつある。普及したコンピュータによって横書きの仮名交じり文は機械の定めるところによる標準が実現するようになった。表記様式は共通化したものがあると考えてよい。
しかし、それに対してカタカナについての書き方が一定しないという表記の課題が残されてきた。カタカナというこの文字表記が意味するものは片仮名とは異なってとらえられるようである。仮名は国語の音韻を著わしたので仮名文字はその専用文字として日本語の発音表記と考えられてきた。歴史仮名づかいから現代仮名遣いに至るまで表音の規則を見出し取り決めをお行ってきたのであるから、仮名遣い相互の異論はあるものの現代仮名で統一されている。
片仮名は平仮名と同様の用い方をする一方で、新たに片仮名からカタカナとしての発音表記をとらえるようになってきた。つまり日本語の古語としての表記にあったものが、それは漢字音の表し方でもあったのであるが、外来語音から外国語音の表記に用いられるようになり、漢字の字音はそのままに、外国語の音声表記に使われるようになったので、カタカナとしての表し方がとらえられるようになった。
国語審議会が平成三年二月七日に外来語の表記、答申、抄、を発表している。前文には、次のように述べている。
外来語の表記(答申)(抄):文部科学省www.mext.go.jp#:#http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19910207001/t19910207001.html
www.mext.go.jp › 政策・審議会 › 告示・通達 › 告示・通達(か行)
それぞれの国の原音に基づく片仮名表記も行われているが、この問題は、今後の課題とし、今回の審議においては直接の対象とはしなかった。(ただし、今回示すものは「シャンハイ」「ソウル」等の表記には及ぼし得るものである。)また、PTA、CM、kgなど、国語の ...
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国語審議会は、昭和四一年六月以来、文部大臣の諮問に応じ、「国語施策の改善の具体策について」の審議を行っている。これまでに、「当用漢字改定音訓表」と「改定送り仮名の付け方」(昭和四七年六月)、「常用漢字表」(昭和五六年三月)、「改定現代仮名遣い」(昭和六一年三月)を答申し、これらは、いずれも内閣告示・内閣訓令によって実施された。引き続き、国語審議会は、昭和六二年一月以降、「外来語の表記」の問題について審議を進め、このたび、この『外来語の表記』を作成した。
〔『外来語の表記』の作成の経緯〕
国語審議会は、昭和六二年一月の総会で、昭和四一年の諮問において検討すべき問題点として示された事項のうち、「現代かなづかい」に関連する事項としての「外来語の表記」の問題を取り上げて審議することとした。以来、総会をはじめ、外来語表記委員会、小委員会など、合計八六回の会議を開いて検討を行い、平成二年三月には外来語表記委員会の試案を公表して広く各方面の意見を聞くなど、四年にわたり慎重な審議を重ねた。
審議に当たっては、昭和二九年の国語審議会部会報告「外来語の表記について」をはじめ、外来語や外国の地名・人名の書き方に関する明治以来の諸案、日本新聞協会や日本放送協会等で定めている現行の諸基準を参考にするとともに、現代の小型国語辞典に採録されている外来語や、官報、省庁の白書、教科書等に出現する外来語及び外国の地名・人名の表記の実態を把握することに努めた。また、各界・各方面から寄せられた要望や意見等も参照した。
その結果、以下に述べるような認識と方針の下に、この『外来語の表記』を作成するに至った。