文章について言葉の連続とみるか、文を連接したものとみるか、言葉の連続も文の連接も、それを成立させるのは、語法であり文法であり、文章法である。
言葉の連続は語と語との関係を見るし、文の連接は文を内容に見て、次の文との意味内容の関連を見ようとする。
日本語の語と語と、その関係は膠着現象である文法機能辞があるので、その結びつき方はわかりやすい。
一つには語順を見てその順序のゆるやかな決まりが文法機能時によって働くからである。
日本語の文には呼称によるところの種類がいくつかある。
文法学説ともかかわって、その名称だけを議論することは避けたいが、思いつくままに挙げてみる。
述定文 非述定文
文の種類について
https://www1.doshisha.ac.jp/~cjtl210/.../14_onoe.pdf
http://homepage3.nifty.com/recipe_okiba/nifongo/glosss2.html#jyuttai
述体 述体句
> 事実の記述や論理的な内容を担う表現のこと。ふつうに用いられる文を指す。用言(主語に対応する述語)を中心に構成されるものとされる。述体は、説明体・疑問体・命令体に下位分類される。山田孝雄の用語。
喚体
> 希望や感動などの心情的な内容を担う表現のこと。(述語を持たず)体言を中心に構成されるものとされる。喚体は、希望喚体(希望を表わすもの。例:「石いはばしる滝なくもがな[滝がなければいいのに]桜花手折りてもこむ見ぬ人のため[古今54]」)と感動喚体(感動を表わすもの。例:「妙たへなる笛の音よ」)に下位区分される。山田孝雄の用語。
平叙文 平叙文declarative sentence
>文型の種類の一で、命令文・感嘆文・疑問文のいずれでもない(基本的なかたちの)文のこと。一般に、現実をありのままに述べるときに用いられる。
20150
>
文章論は文法であるか修辞であるかの議論がある。
文法論にあるもの、修辞法にあるもの、いずれでもある。
文法とするのは構文論と同じということでもある。
修辞法にあるのは、文章構成法、作文作法である。
説明によれば、文論、構文論、措辞論があり、シンタクスをも指す。
文法における文章を考えようとする。
文章を論とするにはそのいずれかであるのか、そのすべてであるのか、ときに、品詞論に対するということであれば、語論、語法論、語構成論にも及ぶこととかかわる。
文章論を文法分野としたのが時枝誠記であるが、その論は時枝の言語過程説の拠るところで文章単位を作品にまで仮設することで、論理的整合性を追求した結果としては文法としての破綻を示したかに見える。
文法文章論あるいは文章文法論とでもすればわかりよい。
現代日本語文法文章論と銘打ってみる。
世界大百科事典内の文章論の言及
【文法】より
…同じような性質をもつ単語を同じ〈品詞〉としてまとめる,いわゆる〈品詞分類〉は,どちらの分野にも関係する。なお,このほか,文が連結して一貫性のある文章をなす上でも相応のきまりがあるはずだとして,それらを明らかにしようとする〈文章論〉を,シンタクス・形態論とともに文法の一分野として唱える向きもあるが,この場合のきまりは,先の(1)~(3)とはかなり異質の,いわば傾向的なきまりにとどまるものであり,重要な研究課題ではあるものの,やはり文法とは呼び難い。
[広義の文法]
以上に見てきた普通の意味での文法のほかに,意味(論)・音韻(論)の問題(あるいはそのうち一方)まで,またときには表記法の問題などまで含めた広い範囲のものを文法と呼ぶ立場や場合もあるので,注意を要する。…
※「文章論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
デジタル大辞泉の解説
ぶんしょう‐ろん〔ブンシヤウ‐〕【文章論】
1 文章に関する論評。文章の主題・構成・文体などを論じるもの。
2 文法論において、文論・構文論・措辞(そじ)論・シンタックスなどの分野をさす語。品詞論に対していう。文章法。
大辞林 第三版の解説
ぶんしょうろん【文章論】
①文章に関する論。
②「 構文論② 」に同じ。
③文章① の性格・構造・機能・分類などを研究する学問分野。
201408
文法は翻訳語としてとらえる。文法学、文法論とともにある。中世ヨーロッパにおける自由七科 Seven Liberal Arts 、具体的には文法学、修辞学、論理学、算術、幾何、天文学、音楽の一つで、ラテン語の文法を中心にこれに付随して文学などを教えた学問を指すと説明する、その文法である。伝統文法に相当するそうであるが、その翻訳された概念を進めるのは、grammarとして、明治以降である。
すると明治以前には文法は概念としてなかったかと言えば、日本語としては、いくつかの概念を挙げることができる。詩歌、俳句、文章において、句や文を組み立てる際の言葉の決まりとして、句法があった。また、語法指南、大槻文彦著、言海、明治22年(1889)刊の巻頭に載せられた文典の名称に、語法がある。これはのちに広日本文典と改称する。言葉遣いの規則、言葉の使い方とされることがある。
あるいはまた、文の構造、種類などに関する文法として、文章法がある。文章法は文章作法ともいう場合があるので、文章作法すなわち文章を作る方法でもある。この文章法をとらえて文章論とすると、この文章論の用語には、あらたに、文論、構文論、措辞論、シンタックスなどの分野をさすという説明があって、文法論の分野の一つになるが、これはまた、日本語の現代文法での見方となるようである。
さらにこの文章をめぐっては、テキストとしてとらえる考え方があらわれている。現代文法が文章を扱うのは言語のまとまりをひとまとまりとすることのできるテキスト言語学による。これには書きことばの語文と文章、話しことばの発話と談話が対照する。日本語の文法で文章を単位としていたのは国語の文法であった。文法学説によれば顕著な理論は時枝誠記の言語過程説にあるので、その系統の学にある。
ここで思い合せるのは、文章に秘めた民族の思い入れである。そこにあるのは大陸文明を仰いで取りれようとしたさまざまな思想であった。ぶんしょう 、もんざう 、もんじやう 、このように読みをもってあらわそうとしたのは、文章経国の思想であった。
文章は経国の大業不朽の盛事 《魏文帝「典論」論文から》文章は、国を治めるための重大な事業であり、永久に朽ちることのない盛大な仕事である。
世界大百科事典内の文章の言及
【文】より
…日常生活では〈文〉と〈文章〉とをあいまいに使うことが多いが,言語学などでは,英語のsentenceにあたるもの(つまり,文字で書くとすれば句点やピリオド・疑問符・感嘆符で締めくくられるおのおの)を文と呼び,文が(あるいは後述の〈発話〉が)連結して内容のあるまとまりをなしたものを文章(テキスト)と呼んで区別する。文とは何かについては,文法学者の数だけ定義があるといわれるほどで,とりわけ日本の国語学では,ただ定義を論じるのみならず,文の文たるゆえんを問おうとするようないささか哲学的な論議も従来から盛んに行われてきた。…
世界大百科事典 第2版の解説
ぶんしょう【文章】
一つの文(センテンス)またはある脈絡をもって二つ以上の文の連続したものが,一つの完結体として前後から切り離して取り上げられるとき,これを文章という。文もそれ自体完結したものではあるが,文章の脈絡の中においては,低次の部分をなすにすぎない。長い文章では,いくつかの文が部分的にまとまって段落をなすのが普通で,小さい段落が互いに結合しつつしだいに大きい段落をなして,ついに一つの文章をなす。その各段階の段落も,それ自身文章と見ることもできる。
言葉の連続は語と語との関係を見るし、文の連接は文を内容に見て、次の文との意味内容の関連を見ようとする。
日本語の語と語と、その関係は膠着現象である文法機能辞があるので、その結びつき方はわかりやすい。
一つには語順を見てその順序のゆるやかな決まりが文法機能時によって働くからである。
日本語の文には呼称によるところの種類がいくつかある。
文法学説ともかかわって、その名称だけを議論することは避けたいが、思いつくままに挙げてみる。
述定文 非述定文
文の種類について
https://www1.doshisha.ac.jp/~cjtl210/.../14_onoe.pdf
http://homepage3.nifty.com/recipe_okiba/nifongo/glosss2.html#jyuttai
述体 述体句
> 事実の記述や論理的な内容を担う表現のこと。ふつうに用いられる文を指す。用言(主語に対応する述語)を中心に構成されるものとされる。述体は、説明体・疑問体・命令体に下位分類される。山田孝雄の用語。
喚体
> 希望や感動などの心情的な内容を担う表現のこと。(述語を持たず)体言を中心に構成されるものとされる。喚体は、希望喚体(希望を表わすもの。例:「石いはばしる滝なくもがな[滝がなければいいのに]桜花手折りてもこむ見ぬ人のため[古今54]」)と感動喚体(感動を表わすもの。例:「妙たへなる笛の音よ」)に下位区分される。山田孝雄の用語。
平叙文 平叙文declarative sentence
>文型の種類の一で、命令文・感嘆文・疑問文のいずれでもない(基本的なかたちの)文のこと。一般に、現実をありのままに述べるときに用いられる。
20150
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文章論は文法であるか修辞であるかの議論がある。
文法論にあるもの、修辞法にあるもの、いずれでもある。
文法とするのは構文論と同じということでもある。
修辞法にあるのは、文章構成法、作文作法である。
説明によれば、文論、構文論、措辞論があり、シンタクスをも指す。
文法における文章を考えようとする。
文章を論とするにはそのいずれかであるのか、そのすべてであるのか、ときに、品詞論に対するということであれば、語論、語法論、語構成論にも及ぶこととかかわる。
文章論を文法分野としたのが時枝誠記であるが、その論は時枝の言語過程説の拠るところで文章単位を作品にまで仮設することで、論理的整合性を追求した結果としては文法としての破綻を示したかに見える。
文法文章論あるいは文章文法論とでもすればわかりよい。
現代日本語文法文章論と銘打ってみる。
世界大百科事典内の文章論の言及
【文法】より
…同じような性質をもつ単語を同じ〈品詞〉としてまとめる,いわゆる〈品詞分類〉は,どちらの分野にも関係する。なお,このほか,文が連結して一貫性のある文章をなす上でも相応のきまりがあるはずだとして,それらを明らかにしようとする〈文章論〉を,シンタクス・形態論とともに文法の一分野として唱える向きもあるが,この場合のきまりは,先の(1)~(3)とはかなり異質の,いわば傾向的なきまりにとどまるものであり,重要な研究課題ではあるものの,やはり文法とは呼び難い。
[広義の文法]
以上に見てきた普通の意味での文法のほかに,意味(論)・音韻(論)の問題(あるいはそのうち一方)まで,またときには表記法の問題などまで含めた広い範囲のものを文法と呼ぶ立場や場合もあるので,注意を要する。…
※「文章論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
デジタル大辞泉の解説
ぶんしょう‐ろん〔ブンシヤウ‐〕【文章論】
1 文章に関する論評。文章の主題・構成・文体などを論じるもの。
2 文法論において、文論・構文論・措辞(そじ)論・シンタックスなどの分野をさす語。品詞論に対していう。文章法。
大辞林 第三版の解説
ぶんしょうろん【文章論】
①文章に関する論。
②「 構文論② 」に同じ。
③文章① の性格・構造・機能・分類などを研究する学問分野。
201408
文法は翻訳語としてとらえる。文法学、文法論とともにある。中世ヨーロッパにおける自由七科 Seven Liberal Arts 、具体的には文法学、修辞学、論理学、算術、幾何、天文学、音楽の一つで、ラテン語の文法を中心にこれに付随して文学などを教えた学問を指すと説明する、その文法である。伝統文法に相当するそうであるが、その翻訳された概念を進めるのは、grammarとして、明治以降である。
すると明治以前には文法は概念としてなかったかと言えば、日本語としては、いくつかの概念を挙げることができる。詩歌、俳句、文章において、句や文を組み立てる際の言葉の決まりとして、句法があった。また、語法指南、大槻文彦著、言海、明治22年(1889)刊の巻頭に載せられた文典の名称に、語法がある。これはのちに広日本文典と改称する。言葉遣いの規則、言葉の使い方とされることがある。
あるいはまた、文の構造、種類などに関する文法として、文章法がある。文章法は文章作法ともいう場合があるので、文章作法すなわち文章を作る方法でもある。この文章法をとらえて文章論とすると、この文章論の用語には、あらたに、文論、構文論、措辞論、シンタックスなどの分野をさすという説明があって、文法論の分野の一つになるが、これはまた、日本語の現代文法での見方となるようである。
さらにこの文章をめぐっては、テキストとしてとらえる考え方があらわれている。現代文法が文章を扱うのは言語のまとまりをひとまとまりとすることのできるテキスト言語学による。これには書きことばの語文と文章、話しことばの発話と談話が対照する。日本語の文法で文章を単位としていたのは国語の文法であった。文法学説によれば顕著な理論は時枝誠記の言語過程説にあるので、その系統の学にある。
ここで思い合せるのは、文章に秘めた民族の思い入れである。そこにあるのは大陸文明を仰いで取りれようとしたさまざまな思想であった。ぶんしょう 、もんざう 、もんじやう 、このように読みをもってあらわそうとしたのは、文章経国の思想であった。
文章は経国の大業不朽の盛事 《魏文帝「典論」論文から》文章は、国を治めるための重大な事業であり、永久に朽ちることのない盛大な仕事である。
世界大百科事典内の文章の言及
【文】より
…日常生活では〈文〉と〈文章〉とをあいまいに使うことが多いが,言語学などでは,英語のsentenceにあたるもの(つまり,文字で書くとすれば句点やピリオド・疑問符・感嘆符で締めくくられるおのおの)を文と呼び,文が(あるいは後述の〈発話〉が)連結して内容のあるまとまりをなしたものを文章(テキスト)と呼んで区別する。文とは何かについては,文法学者の数だけ定義があるといわれるほどで,とりわけ日本の国語学では,ただ定義を論じるのみならず,文の文たるゆえんを問おうとするようないささか哲学的な論議も従来から盛んに行われてきた。…
世界大百科事典 第2版の解説
ぶんしょう【文章】
一つの文(センテンス)またはある脈絡をもって二つ以上の文の連続したものが,一つの完結体として前後から切り離して取り上げられるとき,これを文章という。文もそれ自体完結したものではあるが,文章の脈絡の中においては,低次の部分をなすにすぎない。長い文章では,いくつかの文が部分的にまとまって段落をなすのが普通で,小さい段落が互いに結合しつつしだいに大きい段落をなして,ついに一つの文章をなす。その各段階の段落も,それ自身文章と見ることもできる。