日本語学と意味論
日本語学はいつからか、意味論はいつからか、いずれもその時期を明確にするのは困難である。その分野の専攻があるとすればその人の日本語学であり意味論であるので、いま日本語学に意味論が行われていることになる。日本語学を国語学としていた時代と言っても、なお国語学は国語学であり、日本語学は以前にも日本言語学であるので語弊があるが、その国語学における意味の学問は語彙論であった。
語彙論から意味論へと展開したかどうか、それは立場によって異なる見方になるし、意味論は現代言語学とともにあるので、言語学にある語彙論とは峻別されるところがある。その内実を取れば議論の視点があり立場がありすることであるから、日本語学の語彙論であり意味論であってよい。国語で語彙そのものを捉えだしたのは1950年代と考えていいだろう。計量言語学による計量国語の議論による。
語彙は語の論としてあったものが計算言語の手法によって語の集合の議論となった。語彙は体系であるといった、あるいは語彙に構造があるといった、そういう見方が国語に据えられて、語彙体系は大系であるとするまとめ方があった。このあつまりとまとまりの議論は語と意味の関係をもとに意味の体系また意味の構造として続けられている。語彙と意味であればこれはかかわりあうことである。
語の論として語と意味について近代言語学は画期を作った。すくなくとも国語にとっては言語記号の解釈、意味の意味についての議論が、いずれも軌を一にして20世紀の初めのことであったから、影響することになった。言語科学の分析は国語にとっては一音一義説、言霊説などを反省することとなった。それでも文献学実証の国語にとっては字義を見るので言葉の概念には言語の分節はなじみにくい。
最初の問いは日本語学が1982年に雑誌名で名乗りを上げ、これは留学生日本語教育が拡大した時期に一致し、また2004年という名称がとられた期を見る視点があるので、そのころの日本語学の意味論はどうであろうかということである。言語学の意味論は、セマンティックスsemantics の用語が使われたときからであるが、初出では予兆学としての意味合いがあって、20世紀になってからである
日本語学意味論は最近の研究で、認知言語学に1970年代から発展した意味研究としてのものがある。意味の問題が人間の一般的認知能力との関連で考察されるので、日本語の語を扱う分野として定着している。それに対して統語論で扱う意味論があり、伝統的な分析に対する理論として展開されているが、統語の普遍原理に当てはめようとする有効性はあっても日本語の意味の議論にはなりにくいようである。
日本語学の意味論が、シンタクスとその意味によって進められているところもあり、その方面での議論が明らかになれば日本語にある言葉と意味を分かりやすくするだろうと考える。
日本語学はいつからか、意味論はいつからか、いずれもその時期を明確にするのは困難である。その分野の専攻があるとすればその人の日本語学であり意味論であるので、いま日本語学に意味論が行われていることになる。日本語学を国語学としていた時代と言っても、なお国語学は国語学であり、日本語学は以前にも日本言語学であるので語弊があるが、その国語学における意味の学問は語彙論であった。
語彙論から意味論へと展開したかどうか、それは立場によって異なる見方になるし、意味論は現代言語学とともにあるので、言語学にある語彙論とは峻別されるところがある。その内実を取れば議論の視点があり立場がありすることであるから、日本語学の語彙論であり意味論であってよい。国語で語彙そのものを捉えだしたのは1950年代と考えていいだろう。計量言語学による計量国語の議論による。
語彙は語の論としてあったものが計算言語の手法によって語の集合の議論となった。語彙は体系であるといった、あるいは語彙に構造があるといった、そういう見方が国語に据えられて、語彙体系は大系であるとするまとめ方があった。このあつまりとまとまりの議論は語と意味の関係をもとに意味の体系また意味の構造として続けられている。語彙と意味であればこれはかかわりあうことである。
語の論として語と意味について近代言語学は画期を作った。すくなくとも国語にとっては言語記号の解釈、意味の意味についての議論が、いずれも軌を一にして20世紀の初めのことであったから、影響することになった。言語科学の分析は国語にとっては一音一義説、言霊説などを反省することとなった。それでも文献学実証の国語にとっては字義を見るので言葉の概念には言語の分節はなじみにくい。
最初の問いは日本語学が1982年に雑誌名で名乗りを上げ、これは留学生日本語教育が拡大した時期に一致し、また2004年という名称がとられた期を見る視点があるので、そのころの日本語学の意味論はどうであろうかということである。言語学の意味論は、セマンティックスsemantics の用語が使われたときからであるが、初出では予兆学としての意味合いがあって、20世紀になってからである
日本語学意味論は最近の研究で、認知言語学に1970年代から発展した意味研究としてのものがある。意味の問題が人間の一般的認知能力との関連で考察されるので、日本語の語を扱う分野として定着している。それに対して統語論で扱う意味論があり、伝統的な分析に対する理論として展開されているが、統語の普遍原理に当てはめようとする有効性はあっても日本語の意味の議論にはなりにくいようである。
日本語学の意味論が、シンタクスとその意味によって進められているところもあり、その方面での議論が明らかになれば日本語にある言葉と意味を分かりやすくするだろうと考える。