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正当に暑がる 20130821

2013-08-21 | 日記
正当に暑がる 20130821

天声人語が正しく怖がるという言い方について、寺田寅彦の随筆からの話題を書いている。ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい、ということを1935年に言っていた。それが新型肺炎SARS、サーズのことから原発事故などこの10年に未曾有のできごとをわたしたちは経験してきた。

正当にこわがると言っていたらしいから、それを、しっかり怖がると改めて、危険の遭遇などに事の対処を行うことをコラム子は言おうとしている。引用の随筆は科学者らしく見極めよと言っているのだろうと思う。天声人語の話題に、ふと、正しく暑がると言うことを思って、正当に暑がる、しっかり暑がると、そういうことを思ったからだ。

猛暑は三伏の候どころではなく、地球温暖化の現象であるらしい大気の居座り方は記録的である。暑がってばかり、盆の休みを終えて秋を迎えるにはまだ先のこと、しかしその前触れとなるか、週末には台風の影響もあって予報に曇りと雨のマークがついた。すでに異常気象で突然の集中する雨もあって正しく暑がることの必要なことだろう。それがわかるころには、涼しくなっていればよいが。

天声人語
>「正しく怖がる」という言葉をよく耳にしだしたのは、新型肺炎の「SARS(サーズ)」が流行した頃だったか。10年前のことである。その後、未曽有の津波被害や原発事故を経験する中で、危険に向き合う戒めとして広まった感がある▼元祖とおぼしき言葉は、防災の警世家でもあった物理学者、寺田寅彦の随筆に出てくる。昭和10年、軽井沢で浅間山の噴火に遭遇した。カリフラワー形の噴煙が7、8キロまで立ちのぼったなどと細かく観察している▼そのときの人々の言動を見て、「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい」と書き残した。色あせない一節を、浅間山ならぬ桜島の噴火に思い出した▼噴煙は高いが、大規模な噴火につながるものではないという。それでも鹿児島市内は暗くなって、大量の降灰「ドカ灰」に見舞われた。この夏、猛暑豪雨の天変そして地異と、列島は息つく暇がない▼夕立はゲリラ豪雨なる無法者に名を変え、各地でバケツをひっくり返す。秋田や山口などでは次々に発生する積乱雲が「経験のない大雨」や被害をもたらした。バックビルディング現象といい、予測困難というから恐ろしい▼専門家によれば、人は危険に遭遇したとき「たいしたことはない」と思いたがる心理傾向があるという。ならば寅彦の「正当にこわがる」は、「しっかり怖がる」に改めて胸に畳んだ方が身を助けよう。逃げるに如(し)かず。この格言も色あせない。


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