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標準語と共通語の説

2013-06-28 | 日本語百科
標準語は規定されているのか、という一文を読んだ。それによって、常識、俗説が明らかになるようだが、果たしてどうか。
標準語は1890年に岡倉由三郎が使ったという。
次いで、上田万年が標準語に就きてを1895年に発表した。
さらに1902年、国語調査委員会の調査方針に、方言を調査し標準語を選定することが決議された。

これに対して、共通語はいつから使われだしたかというのが戦後初出の俗説のことらしいが、その俗説をはるかにさかのぼって、1933年、石黒魯平に見える、共通語という言い方を上げている。
そして、戦後に共通語と標準語と区別したのは、1949年、国語研究所の調査であり、報告書が1951年に出されている。
この時に、戦後初出論に対して新用法の戦後初出論とか言われるようになるようだが、これについても子細に検討をすると先の石黒魯平に戦後の用法のような言及があると言う。
共通語の初例も用法も、ともに戦前になるわけである。そして実は戦後の使い方も1949年の八丈島調査の報告書に、共通語が使われているという。また1950年代後半、学習指導要領に共通語という用語が採用された。

標準語とは何か、共通語とは何か、専門用語であるならその定義があってもよいので、その議論を展開している。
学校教育での標準語については1904年から1949年まで、標準語が存在した時代と飛田良文は見ているようだ。標準語を国家が制定したものと定義し、国定教科書が用いられていた時代である。尋常小学読本の編纂趣意書には、口語は略東京語を以て標準語とせり、とある。

「標準語」は規定されているか  日本語学 塩田雄大 2013年5月  vol.32-6

さてそれでは共通語とはいかなるものなのか。これこそ方言と対比されることになったようだ。


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