文章論を文法の範疇で議論することを考える。文法を捉えて文章法とすれば、文章法という用語は広い意味において文章作法ととらえられるのが一般であるので、それには文法を捉えることは議論が異なる。文法は、その単位を文に限るものとすれば、文章法はその単位を超えるため、文章法は文と文との連文を扱う分野として捉えることになる。しかし、日本語の文章論にはその文章法の意味内容を持ちながら、一方で、文章論と構文論、統語論が同じものとして解説される。つまり、文章法と違って文章論は文法にもなるのである。文章論に対して文論となれば、それを文法のこととするので、文論と文章論を同じくするかと言えば、その議論は尽くされていない。文章法と文章論とをまずは分けて、文章の文法を明らかにすることが日本語では焦眉の急である。日本語文法文章論とするゆえんである。
デジタル大辞泉の解説
ぶんしょう‐ろん〔ブンシヤウ‐〕【文章論】
1 文章に関する論評。文章の主題・構成・文体などを論じるもの。
2 文法論において、文論・構文論・措辞(そじ)論・シンタックスなどの分野をさす語。品詞論に対していう。文章法
大辞林 第三版の解説
ぶんしょうろん【文章論】
① 文章に関する論。
②「 構文論② 」に同じ。
③ 文章① の性格・構造・機能・分類などを研究する学問分野。
大辞林 第三版の解説
こうぶんろん【構文論】
①〘論〙 〔syntactics; syntax〕 記号論の一分科。意味内容を考慮せずに,記号と記号との結合と分離を支配する形式的規則を取り扱う学問。シンタクティクス。シンタックス。統語論。統辞論。
②〔syntax〕 文法論の一部門。文を構成する単位(単語あるいは語群)の配列の法則とその機能,各々の構成単位の機能などを研究対象とする学問。シンタックス。統語論。統辞論。 → 意味論 ・ 語用論
世界大百科事典内の文章論の言及
【文法】より
…同じような性質をもつ単語を同じ〈品詞〉としてまとめる,いわゆる〈品詞分類〉は,どちらの分野にも関係する。なお,このほか,文が連結して一貫性のある文章をなす上でも相応のきまりがあるはずだとして,それらを明らかにしようとする〈文章論〉を,シンタクス・形態論とともに文法の一分野として唱える向きもあるが,この場合のきまりは,先の(1)~(3)とはかなり異質の,いわば傾向的なきまりにとどまるものであり,重要な研究課題ではあるものの,やはり文法とは呼び難い。
[広義の文法]
以上に見てきた普通の意味での文法のほかに,意味(論)・音韻(論)の問題(あるいはそのうち一方)まで,またときには表記法の問題などまで含めた広い範囲のものを文法と呼ぶ立場や場合もあるので,注意を要する。…
※「文章論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
統辞論
とうじろん
syntax
単語が結合してできる句,節,文の構造や機能を研究する文法の一部門。構文論,統語論,シンタックスなどの名称もある。伝統的に,文法は形態論と統辞論に2分され,形態論は語形替変を扱い,単語の結合を統辞論が扱うとされるが,形態論で曲用や活用の体系をまとめるためには,それぞれの形態が文中で果す機能を知ることが必要となるし,単語でも合成語には統辞的関係が認められるので,形態論と統辞論とは互いに密接な関係にある。
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デジタル大辞泉の解説
ぶんしょう‐ろん〔ブンシヤウ‐〕【文章論】
1 文章に関する論評。文章の主題・構成・文体などを論じるもの。
2 文法論において、文論・構文論・措辞(そじ)論・シンタックスなどの分野をさす語。品詞論に対していう。文章法
大辞林 第三版の解説
ぶんしょうろん【文章論】
① 文章に関する論。
②「 構文論② 」に同じ。
③ 文章① の性格・構造・機能・分類などを研究する学問分野。
大辞林 第三版の解説
こうぶんろん【構文論】
①〘論〙 〔syntactics; syntax〕 記号論の一分科。意味内容を考慮せずに,記号と記号との結合と分離を支配する形式的規則を取り扱う学問。シンタクティクス。シンタックス。統語論。統辞論。
②〔syntax〕 文法論の一部門。文を構成する単位(単語あるいは語群)の配列の法則とその機能,各々の構成単位の機能などを研究対象とする学問。シンタックス。統語論。統辞論。 → 意味論 ・ 語用論
世界大百科事典内の文章論の言及
【文法】より
…同じような性質をもつ単語を同じ〈品詞〉としてまとめる,いわゆる〈品詞分類〉は,どちらの分野にも関係する。なお,このほか,文が連結して一貫性のある文章をなす上でも相応のきまりがあるはずだとして,それらを明らかにしようとする〈文章論〉を,シンタクス・形態論とともに文法の一分野として唱える向きもあるが,この場合のきまりは,先の(1)~(3)とはかなり異質の,いわば傾向的なきまりにとどまるものであり,重要な研究課題ではあるものの,やはり文法とは呼び難い。
[広義の文法]
以上に見てきた普通の意味での文法のほかに,意味(論)・音韻(論)の問題(あるいはそのうち一方)まで,またときには表記法の問題などまで含めた広い範囲のものを文法と呼ぶ立場や場合もあるので,注意を要する。…
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
統辞論
とうじろん
syntax
単語が結合してできる句,節,文の構造や機能を研究する文法の一部門。構文論,統語論,シンタックスなどの名称もある。伝統的に,文法は形態論と統辞論に2分され,形態論は語形替変を扱い,単語の結合を統辞論が扱うとされるが,形態論で曲用や活用の体系をまとめるためには,それぞれの形態が文中で果す機能を知ることが必要となるし,単語でも合成語には統辞的関係が認められるので,形態論と統辞論とは互いに密接な関係にある。
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