日経新聞コラム、大機小機の一文に、象徴天皇に言及する。それは昭和天皇の時代に天皇家の教育参与を務めた小泉信三氏の言にあるという。人格と識見を備えて、それをモラル・バックボーンとすると教えた。今上天皇は1951年12月に語って、その人である、そのような天皇であることを目指していたと書いている。徳義の根本と表現することもある。
モラル・バックボーン
日本経済新聞 朝刊
2019年3月1日
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陛下の皇太子時代の家庭教師(東宮御教育常時参与)だった小泉信三氏(元慶応義塾塾長)は、将来の君主としての皇太子に対し次のように説いたという。「『人格とその識見』が自(おの)ずから国の政治に影響し、それを身に着けるための『勉強と修養』が日本の将来の国運を左右すると考えるように」(小川原正道「小泉信三――天皇の師として、自由主義者として」)
「人格とその識見」を、小泉氏は「モラル・バックボーン(道徳的支柱)」と表現していた。陛下自身も、1951年12月、成年を前にした記者会見で「モラル・バックボーンのある人になりたい」と話されている(同書)。以来、陛下は、あるべき天皇像を求めて勉強と修養を続けてきたのである。
夏目漱石 博士問題とマードック先生と余 - 青空文庫
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その内に、今回の事は君がモラル・バックボーンを有している証拠になるから 目出 ( めで ) たいという句が見えた。モラル・バックボーンという何でもない英語を翻訳すると、徳義的脊髄という新奇でかつ 趣 ( おもむき ) のある 字面 ( じづら ) が出来る。余の行為 ...