身ぶり手ぶりの演説で、ジェスチャーをする。まさに、その一挙一投足を、ノンバーバルコミュニケーションの材料とする。分析されるのは米国大統領トランプさんである。ユーチューブの画像にはそれを揶揄して両手の間にアコーディオンを持たせてフグフグフカフカフグフグと手を打たせる仕草である加工映像を流す。もともと、いたずら好きなユーチューバーに格好のターゲットらしく、出回る絵柄は、いまから大統領の就任式を迎える人とは思えない風だ。裸の王様の見方があったり、似非の大衆主義を振りかざすとして、金を持つもの、富を築き上げたものこそ能力があると言ってはばからないから、そこに集まる人々は、いわば拝金主義を隠してのお付き合いである。さて、その具体的な、ボディランゲージの解説がある。コミュニケーション力を分析する記事は興味深い。
http://www.bbc.com/japanese/video-37103323
【米大統領選2016】トランプ氏の手の動き、その意味は
2016年08月17日
>ボディランゲージの専門家メアリー・シビエロさんが、トランプ氏が演説で最も良く使う5つの手の動きを解説する。
http://sp.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20161116-OYT8T50053.html?page_no=5&from=yartcl_page
「コミュ力」で勝ったトランプ氏の人心扇動術
コミュニケーション・ストラテジスト 岡本純子
2016年11月16日 12時00分
>
トランプ氏が駆使した10のマジック
その卓越した人心扇動術だ。トランプ氏のコミュニケーションには、黒魔術のような圧倒的な伝染力・伝播でんぱ力がある。
〈1〉大工の言葉を使え
「大工と話す時は大工の言葉を使え」というソクラテスの言葉通りのコミュ術なのだ。
圧倒的な「感情喚起力」
〈2〉怒りと恐怖に火をつける
感情を喚起するコミュニケーション、特に恐怖訴求は、非常にパワフルで扇動的な手法だ。
〈3〉10歳児の言葉
演説などで使用するトランプ氏の語彙ごいは小学4年生程度。クリントン氏が中学2年生程度、クリントン氏と民主党指名候補の座を争ったバーニー・サンダース氏が高校2年生程度の語彙だとされているのに比べ、はるかに単純な言葉を使う。
〈4〉That’s 毒舌エンターテインメント
リアリティー番組「Apprentice(弟子)」―「You are fired! お前はクビ」
聞き手の価値を認めて鼓舞
〈5〉プライドをくすぐる
「教養なんてなくてもいい。私は無学な人間が大好きだ。学問なんてそれほど要らない。私を支持する人は、すでに頭がいいのだから」
〈6〉クジャクの羽を広げる
カリスマ性、強さを印象付けることができるという考え方だ
(7〉大言壮語
事実を歪曲わいきょくし、自分の考えを信じ込ませる手法は「ガス・ライティング」と言われる。
1940年代の映画「ガス燈」に語源を発する言葉
〈8〉映像を切り取る
優れたコミュニケーターは、コミュニケーションを取る相手の頭の中に情景が浮かぶように絵を描くことができる。
留飲を下げさせる「暴言」
〈9〉メディアに「片棒」を担がせる
トランプ氏は、自らのコンテンツがある一定の国民には必ず受け入れられると踏んだ
〈10〉留飲を下げる
「Political correctness(政治的正しさ)」という潮流
日本人は「ヒラリータイプ」
ただ、コミュ力という観点では、日本人が教訓にできるものは多い。誤解を恐れずに言えば、日本人のコミュニケーションはヒラリー・タイプだ。言うことは正論である。実績もある。だから、真面目に、実直であれば必ずわかってくれる。日本人はそう考えがちだ。しかし、そういう考え方はもはや、生ぬるいのかもしれない。
世界は、トランプ的ハッタリや欺瞞ぎまんにあふれており、愚直さだけでは、そう簡単に真意は伝わらない。パフォーマンス的要素は日本人のコミュニケーションに最も欠けている部分だが、生き馬の目を抜くグローバル競争社会の中で生き抜いていくためには、たくましくも抜け目ないコミュニケーション戦略が必要なのだ。(次回は11月17日)
岡本 純子( おかもと・じゅんこ )
コミュニケーション・ストラテジスト。世界水準のパブリック・リレーションズ&スピーキングを通じて、企業やプロフェッショナルの「発信力」強化を支援するコミュニケーションのスペシャリスト。
株式会社グローコム 代表取締役社長。早稲田大学政経学部政治学科卒、英ケンブリッジ大学院国際関係学修士、元米MIT(マサチューセッツ工科大学)比較メディア学客員研究員。
http://www.bbc.com/japanese/video-37103323
【米大統領選2016】トランプ氏の手の動き、その意味は
2016年08月17日
>ボディランゲージの専門家メアリー・シビエロさんが、トランプ氏が演説で最も良く使う5つの手の動きを解説する。
http://sp.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20161116-OYT8T50053.html?page_no=5&from=yartcl_page
「コミュ力」で勝ったトランプ氏の人心扇動術
コミュニケーション・ストラテジスト 岡本純子
2016年11月16日 12時00分
>
トランプ氏が駆使した10のマジック
その卓越した人心扇動術だ。トランプ氏のコミュニケーションには、黒魔術のような圧倒的な伝染力・伝播でんぱ力がある。
〈1〉大工の言葉を使え
「大工と話す時は大工の言葉を使え」というソクラテスの言葉通りのコミュ術なのだ。
圧倒的な「感情喚起力」
〈2〉怒りと恐怖に火をつける
感情を喚起するコミュニケーション、特に恐怖訴求は、非常にパワフルで扇動的な手法だ。
〈3〉10歳児の言葉
演説などで使用するトランプ氏の語彙ごいは小学4年生程度。クリントン氏が中学2年生程度、クリントン氏と民主党指名候補の座を争ったバーニー・サンダース氏が高校2年生程度の語彙だとされているのに比べ、はるかに単純な言葉を使う。
〈4〉That’s 毒舌エンターテインメント
リアリティー番組「Apprentice(弟子)」―「You are fired! お前はクビ」
聞き手の価値を認めて鼓舞
〈5〉プライドをくすぐる
「教養なんてなくてもいい。私は無学な人間が大好きだ。学問なんてそれほど要らない。私を支持する人は、すでに頭がいいのだから」
〈6〉クジャクの羽を広げる
カリスマ性、強さを印象付けることができるという考え方だ
(7〉大言壮語
事実を歪曲わいきょくし、自分の考えを信じ込ませる手法は「ガス・ライティング」と言われる。
1940年代の映画「ガス燈」に語源を発する言葉
〈8〉映像を切り取る
優れたコミュニケーターは、コミュニケーションを取る相手の頭の中に情景が浮かぶように絵を描くことができる。
留飲を下げさせる「暴言」
〈9〉メディアに「片棒」を担がせる
トランプ氏は、自らのコンテンツがある一定の国民には必ず受け入れられると踏んだ
〈10〉留飲を下げる
「Political correctness(政治的正しさ)」という潮流
日本人は「ヒラリータイプ」
ただ、コミュ力という観点では、日本人が教訓にできるものは多い。誤解を恐れずに言えば、日本人のコミュニケーションはヒラリー・タイプだ。言うことは正論である。実績もある。だから、真面目に、実直であれば必ずわかってくれる。日本人はそう考えがちだ。しかし、そういう考え方はもはや、生ぬるいのかもしれない。
世界は、トランプ的ハッタリや欺瞞ぎまんにあふれており、愚直さだけでは、そう簡単に真意は伝わらない。パフォーマンス的要素は日本人のコミュニケーションに最も欠けている部分だが、生き馬の目を抜くグローバル競争社会の中で生き抜いていくためには、たくましくも抜け目ないコミュニケーション戦略が必要なのだ。(次回は11月17日)
岡本 純子( おかもと・じゅんこ )
コミュニケーション・ストラテジスト。世界水準のパブリック・リレーションズ&スピーキングを通じて、企業やプロフェッショナルの「発信力」強化を支援するコミュニケーションのスペシャリスト。
株式会社グローコム 代表取締役社長。早稲田大学政経学部政治学科卒、英ケンブリッジ大学院国際関係学修士、元米MIT(マサチューセッツ工科大学)比較メディア学客員研究員。