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文章の典範

2015-07-01 | 日本語百科
古代の文章論は中国古典文学の書にあった。
文章を典範にすることが行われた。

典範は、いま、皇室典範と用いたように、模範となる事柄、模範となるおきて、よるべき規則と説明される。
文章的典範、漢語文章的典範は文学理論とされる、文心雕龍に見え、それは日本での空海の、文鏡秘府論に影響した。

文章の典範を求めることは、文章における対句の構成、語句の措辞、韻など、その規則を論じることであった。
漢詩文を創作して由緒をただしくして法則をみたそうとしたものであろう。

それは近代にまで及ぶ。
日本語文章は漢文訓読の和漢の文を経て散文韻文となる。

あらためてその文章を古文に規則化したものとみることができる。

文学に物語文が作られて和歌が隆盛し、日本語の文章は短詩形文学に代償する傍ら近代になって小説の文章が盛行することになる。


うわづらをblogで
2006年06月27日
空海『文鏡秘府論』

文鏡祕府論
六卷
釋空海著
此書は、我邦に於ける詩文話の最古なるものにして、書中概ね四聲を論じ八病を擧げ、或は格式を論じ、或は體裁を辯ず、我邦韻鏡の學、實に此に起れり、弘法大師嘗て嵯峨帝の問に答へて、天子聖哲と奏せしが如き、言々皆韻に協はざるものなし、顧ふにその入唐の時に當りて、名公鉅卿より直ちに傳授を得しものならん、市川寛齋の半江暇筆に曰く、『唐人の詩論、久く專書なし、其の數.載籍に見はるゝも、亦僅々晨星の如し、獨我が大同中に、釋の空海、唐に遊學し、崔融の新唐詩格、王昌齡の詩格、元競の髓腦、皎然の詩議、等の書を獲て歸る、後ち文鏡祕府論六卷を著作し、唐人の巵言盡く其の中に在り』と、是の編一たび世に出でゝ、唐代作者の祕奥發露せられ、殆んど遺す所なし、洵に雲霧を披きて青天を覩るの概あり、實に文林の奇籍、學海の祕〓と謂ふべし、卷を分つこと六、天・地・東・南・西・北・の六字を以て符號とし、一卷二卷といはず、其の自序に、謂ふ配卷軸於六合、懸不朽於兩曜、名曰文鏡祕府論と、著作の大旨も亦推すべし、編中に引く所の詩句、往々全唐詩に載せざるものあり、是れ亦入唐の日に見し所の各家の集、今の本と異るものあるなり。
此書、舊本誤謬極めて多く、往々讀むべからざる所あり、今嚴に校訂を加へ、文選及び唐代諸家の詩句を引けるものは、一々之を原書に參し、其誤れるものは之を正し、その闕けたるものは之を補ひ、其の兩可にして、適從する所を知らざるものは、姑く舊文を存して、異文をその下に注す、舊本、正文の旁に異文を録せるものは、今悉く之をその句下に注せり、更に 帝室の御藏に係る高山寺舊藏の古寫本を借りて之を校し、一々その異同を注せり、尚又、山田永年氏の活宇印行に係る文筆眼心抄をも參考せり、帥ち抄と書せるもの是れなり、凡そ新に注するものは必ず一小圈を施し、以て原注に別てり、但し此書按了の後、更に異文あるを發見するものは之を欄外に掲ぐ、其の語繁にして欄外に收むる能はざるものは、校補として卷末に載せたり、斯く校訂に意を用ふれども、本文の意味不明の爲めに翻譯を誤れるもの多しと信ず、讀者幸に之を指摘せらるれば幸甚。
天卷
 調四聲譜
 調聲
 詩章中用聲法式
 七種韻
 四聲論
地卷
 論體勢等
 十七勢
 十四例
 十體
 六義
 八階
 六志
 九意
東卷
 論對
 二十九種對
 筆札七種言句例
南卷
 論文意
 論體
 定位
 集論
西卷
 論病
 文二十八種病
 文筆十病得失
北卷
 論對屬
 帝徳録

 http://uwazura.seesaa.net/article/19912316.html




世界大百科事典 第2版の解説
ぶんきょうひふろん【文鏡秘府論】
平安時代の詩文作法・評論書。6巻。弘法大師空海の撰。820年(弘仁11)以前の成立。中国の六朝・隋・唐時代に書かれた音韻書などから抜粋し斟酌(しんしやく)してつくったもので,詩文の創作に関する重要な規則を八韻,四声,対句,文体,詩文の病(やまい)などに分けて論じ,近体詩の作者の参考に供したものである。今日中国では六朝時代の音韻書がほとんど散逸して伝わらないので,引用書の資料的な価値も高い。また,序文に文章経国思想が顕著にみられることや,摘句(てきく)という,一首の詩の中から佳句を取り出したり,文章の中から対偶の佳什(かじゆう)を抜き出すことをして例句をあげ,《和漢朗詠集》に見える摘句の先蹤として注目される。

大辞林 第三版の解説
ぶんきょうひふろん【文鏡秘府論】
詩学書。六巻。空海編著。820年以前に成立。六朝・隋唐の詩学・詩論を収集整理した日本最初の詩学書。音韻論・修辞論を主とし,作詩上の根本態度をも説く。これを抄約したものが「文筆眼心抄」。

https://kotobank.jp/word/文鏡秘府論-128396




大辞林 第三版の解説
ぶんしんちょうりょう【文心雕竜】
中国最初の体系的文学理論書。一〇巻。南北朝の梁(りよう)の劉勰(りゆうきよう)著。500年頃成立。文章の体裁・巧拙をジャンル別に論じる。


世界大百科事典 第2版の解説
ぶんしんちょうりょう【文心雕竜 Wén xīn diāo lóng】
中国,南朝梁の劉勰(りゆうきよう)の著になる文学理論の書で,10巻50章から成る。〈ぶんしんちょうりゅう〉ともいう。文学は天地自然のおのずからなる美を体したものという原理にもとづき,前半部では韻文・散文を包括する33類の様式について詳密な文体論を展開する。後半部では,一転して文学のすべての様式に関するさまざまな問題を取り上げて論ずる。総合的・有機的な体系のもとに構築された精妙な理論は,古今に比を絶する独自の存在である。


世界大百科事典内の文心雕竜の言及
【中国文学】より
…文学の評論は曹丕の〈文を論ず〉の一篇に始まり,作家の個性が論じられた。前述の陸機の〈文の賦〉は創作活動についての思索の結果などを韻文でつづったが,劉勰(りゆうきよう)の《文心雕竜(ぶんしんちようりよう)》は50章の大作で,陸機の示唆したところを体系化し,精密に詳しく述べた。全文が四六文で書かれている。…
【対句】より
…漢代ごろからより重視されるようになり,六朝時代にはその技巧が極度なまでの発展をみた。6世紀初めの文学理論書《文心雕竜(ちようりよう)》は,対句の存在意義を説いて,人体が手,足,耳,目のごとく左右相称の形を生まれながらにして賦与されているように,詩文においてもごく自然に対句の表現形式が生まれてくると述べている。そこに示唆されるように,一字一音節という漢語の特色や,バランス感覚を重んずる中国人の思考法とも密接なかかわりを有する修辞技法ということができる。…
 ※「文心雕竜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

以上、コトバンクより。 https://kotobank.jp/word/文心雕竜-128540


日本大百科全書(ニッポニカ)
文心雕竜
ぶんしんちょうりょう
中国、六朝(りくちょう)梁(りょう)の文人、劉勰(りゅうきょう)の著した体系的かつ総合的な中国最初の文学理論書。「ぶんしんちょうりゅう」ともいう。10巻50編。「原道」から「弁騒」の5編は文学原理論、「明詩」から「書記」の20編は文体論、「神思」から「程器」の24編は修辞の原理や方法を論じ、最後の「序志」は著作の動機を述べる。劉勰が30代、つまり六朝斉(せい)の末ごろに書かれたもので、「文心」とは文をつくるための用心であり、「雕竜」とは竜を雕(ほ)る、雕琢(ちょうたく)潤色のことである。彼は雕琢潤色に文学の基本を置き、自然に発露する美を尊重、当時の技巧のみを競う弊害を正し、経書の精神に回帰しなければならないと説いた。同時代の鍾〓(しょうこう)の『詩品(しひん)』とともに文学理論の名著とされる。
[根岸政子]

以上、ジャパンナレッジより。 http://japanknowledge.com/psnl/display/?lid=1001000204446


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