にんげん じんかん ひとま と読みがある。
音読みは呉音、漢音となる。
漢字が伝わった時期と地域をあらわしている。
仏教語に世間 せけん、人間 にんげん、となる。
漢詩に人間 じんかん の語がつかわれる。よく引かれる。
人間到処有青山 人間到る処青山あり は、その出典を江戸時代にする。
唐代の白詩に人の語が見える。
にんげん という語が定着したのは、漢字移入の早い時期ととらえられるが、一方で、ひととひとのあいだを意味する用法がその後にあって、じんかん そのものの読みは限られた。いま使う人間の意味には、時代を下げている。
百科事典マイペディアの解説
六道【ろくどう】
六趣とも。仏教で衆生が輪廻(りんね)の間に,それぞれの業(ごう)の結果として住むことになる六つの境涯をいう。地獄・餓鬼・畜生・阿修羅(あしゅら)(修羅)・人間・天。
デジタル大辞泉の解説
にん‐げん 【人間】
1 ひと。人類。「―の歴史」
2 人柄。また、人格。人物。「―がいい」「―ができている」
3 人の住む世界。人間界。世の中。じんかん。「―五十年下天のうちをくらぶれば」〈幸若・敦盛〉
ひと‐ま 【人間】
1 人のいない間。人の気づかぬすき。「―にも月を見ては、いみじく泣き給ふ」〈竹取〉
2 人との交わりが絶えること。「少し契りのさはりある、―をまことと思ひけるか」〈謡・女郎花〉
ひと‐あい 〔‐あひ〕 【人▽間】
人づきあい。交際。「―、心様、優に情けありければ」〈平家・八〉
じん‐かん 【人間】
人の住んでいる世界。世間。にんげん。「老人に身をやつしまして暫く―に住んでおりました」〈中勘助・鳥の物語〉
にんげん‐どう 〔‐ダウ〕 【人間道】
1 人間として行うべき道徳。人道(じんどう)。
2 仏語。六道の一。人界(にんがい)。人道(にんどう)。
大辞林 第三版の解説
じんかん【人間】
〔「ジン」 「カン」ともに漢音〕
人の住む世界。世間。にんげん。 「 -に流行する欺詐(ぎさ)術策の容体なり/学問ノススメ 諭吉」
[句]人間到る処青山あり
にんげん【人間】
〔「にん」 「けん」ともに呉音〕
①(機械・動植物・木石などにはない,一定の感情・理性・人格を有する)ひと。人類。
②(ある個人の)品位・人柄。人物。 「なかなかの-だ」 「あの人は-ができている」
③人の住む世界。世間。世の中。じんかん。 「わがすることを-にほめあがむるだに興ある事にてこそあれ/大鏡 実頼」 〔③ が原義で,現代中国語でも「俗世間」の意。日本では,中世末から近世にかけて「ひと」そのものをあらわすようになった〕
[句]
人間到る処青山あり ・ 人間は万物の尺度である ・ 人間万事塞翁が馬 ・ 人間僅か五十年
ひとま【人間】
①人のいないすき。人が見ていない間。 「 -守り葦垣越しに我妹子を相見しからに言そさだ多き/万葉集 2576」
②人が訪れないこと。 「少し契りのさはりある-をまことと思ひけるか/謡曲・女郎花」
>江戸時代末期の僧釋月性の詩『將東遊題壁』より
(白文) (読み下し)
男兒立志出郷關 男児志を立て郷関を出ず
學若無成不復還 学若し成る無くんば復た還らず
埋骨何期墳墓地 骨を埋むる何ぞ墳墓の地を期せん
人間到処有青山 人間到る処青山あり
日本国語大辞典
にん‐げん 【人間】
【一】〔名〕
(1)仏語。六道の一つ。人の住む界域。人間界。人界。人間道。→じんかん。
*観智院本三宝絵〔984〕下「香のけぶりは仏をむかへたてまつる使なり。人間はくさくけがらはし。まさによき香をたくべし」
*色葉字類抄〔1177~81〕「人間 人事部 ニンゲン」
*平家〔13C前〕灌頂・六道之沙汰「人間(ニンゲン 高良本ルビ)のあだなるならひは、今更おどろくべきにはあらねども」
*伝光録〔1299~1302頃〕馬鳴尊者「人間天上の中に、しばらく諸仏と呼ばれ来り、鬼畜と呼ばれ来る」
*法華経‐法師品「愍〓衆生〓、故生〓此人間〓」
(2)人界に住むもの。ひと。人類。
*今昔〔1120頃か〕五・三「天人は目不瞬かず、人間は目瞬く」
*金刀比羅本平治〔1220頃か〕下・頼朝遠流の事「畜類なほ故郷の名残を惜しむ。いかにいはんや人間(ニンゲン)におひてをや」
*虎明本狂言・蚊相撲〔室町末~近世初〕「きゃつは人間では有まひ」
*浮世草子・好色一代男〔1682〕五・六「『われわれは何者とみえます』といふ。『人間(ニンゲン)と見ゆる』と申」
*読本・椿説弓張月〔1807~11〕続・四三回「人間(ニンゲン)一生の哀傷(かなしみ)は、親を喪ひ、子に後るるにます事なし」
(3)人倫の道を堅持する生真面目な人。堅物。
*雑俳・続折句袋〔1780〕「人間で一生仕廻ふ不器量さ」
*雑俳・折句柱〔1795〕「人間に仕てやる慈悲はむごふ見へ」4)見どころのある人。人物。人柄。
音読みは呉音、漢音となる。
漢字が伝わった時期と地域をあらわしている。
仏教語に世間 せけん、人間 にんげん、となる。
漢詩に人間 じんかん の語がつかわれる。よく引かれる。
人間到処有青山 人間到る処青山あり は、その出典を江戸時代にする。
唐代の白詩に人の語が見える。
にんげん という語が定着したのは、漢字移入の早い時期ととらえられるが、一方で、ひととひとのあいだを意味する用法がその後にあって、じんかん そのものの読みは限られた。いま使う人間の意味には、時代を下げている。
百科事典マイペディアの解説
六道【ろくどう】
六趣とも。仏教で衆生が輪廻(りんね)の間に,それぞれの業(ごう)の結果として住むことになる六つの境涯をいう。地獄・餓鬼・畜生・阿修羅(あしゅら)(修羅)・人間・天。
デジタル大辞泉の解説
にん‐げん 【人間】
1 ひと。人類。「―の歴史」
2 人柄。また、人格。人物。「―がいい」「―ができている」
3 人の住む世界。人間界。世の中。じんかん。「―五十年下天のうちをくらぶれば」〈幸若・敦盛〉
ひと‐ま 【人間】
1 人のいない間。人の気づかぬすき。「―にも月を見ては、いみじく泣き給ふ」〈竹取〉
2 人との交わりが絶えること。「少し契りのさはりある、―をまことと思ひけるか」〈謡・女郎花〉
ひと‐あい 〔‐あひ〕 【人▽間】
人づきあい。交際。「―、心様、優に情けありければ」〈平家・八〉
じん‐かん 【人間】
人の住んでいる世界。世間。にんげん。「老人に身をやつしまして暫く―に住んでおりました」〈中勘助・鳥の物語〉
にんげん‐どう 〔‐ダウ〕 【人間道】
1 人間として行うべき道徳。人道(じんどう)。
2 仏語。六道の一。人界(にんがい)。人道(にんどう)。
大辞林 第三版の解説
じんかん【人間】
〔「ジン」 「カン」ともに漢音〕
人の住む世界。世間。にんげん。 「 -に流行する欺詐(ぎさ)術策の容体なり/学問ノススメ 諭吉」
[句]人間到る処青山あり
にんげん【人間】
〔「にん」 「けん」ともに呉音〕
①(機械・動植物・木石などにはない,一定の感情・理性・人格を有する)ひと。人類。
②(ある個人の)品位・人柄。人物。 「なかなかの-だ」 「あの人は-ができている」
③人の住む世界。世間。世の中。じんかん。 「わがすることを-にほめあがむるだに興ある事にてこそあれ/大鏡 実頼」 〔③ が原義で,現代中国語でも「俗世間」の意。日本では,中世末から近世にかけて「ひと」そのものをあらわすようになった〕
[句]
人間到る処青山あり ・ 人間は万物の尺度である ・ 人間万事塞翁が馬 ・ 人間僅か五十年
ひとま【人間】
①人のいないすき。人が見ていない間。 「 -守り葦垣越しに我妹子を相見しからに言そさだ多き/万葉集 2576」
②人が訪れないこと。 「少し契りのさはりある-をまことと思ひけるか/謡曲・女郎花」
>江戸時代末期の僧釋月性の詩『將東遊題壁』より
(白文) (読み下し)
男兒立志出郷關 男児志を立て郷関を出ず
學若無成不復還 学若し成る無くんば復た還らず
埋骨何期墳墓地 骨を埋むる何ぞ墳墓の地を期せん
人間到処有青山 人間到る処青山あり
日本国語大辞典
にん‐げん 【人間】
【一】〔名〕
(1)仏語。六道の一つ。人の住む界域。人間界。人界。人間道。→じんかん。
*観智院本三宝絵〔984〕下「香のけぶりは仏をむかへたてまつる使なり。人間はくさくけがらはし。まさによき香をたくべし」
*色葉字類抄〔1177~81〕「人間 人事部 ニンゲン」
*平家〔13C前〕灌頂・六道之沙汰「人間(ニンゲン 高良本ルビ)のあだなるならひは、今更おどろくべきにはあらねども」
*伝光録〔1299~1302頃〕馬鳴尊者「人間天上の中に、しばらく諸仏と呼ばれ来り、鬼畜と呼ばれ来る」
*法華経‐法師品「愍〓衆生〓、故生〓此人間〓」
(2)人界に住むもの。ひと。人類。
*今昔〔1120頃か〕五・三「天人は目不瞬かず、人間は目瞬く」
*金刀比羅本平治〔1220頃か〕下・頼朝遠流の事「畜類なほ故郷の名残を惜しむ。いかにいはんや人間(ニンゲン)におひてをや」
*虎明本狂言・蚊相撲〔室町末~近世初〕「きゃつは人間では有まひ」
*浮世草子・好色一代男〔1682〕五・六「『われわれは何者とみえます』といふ。『人間(ニンゲン)と見ゆる』と申」
*読本・椿説弓張月〔1807~11〕続・四三回「人間(ニンゲン)一生の哀傷(かなしみ)は、親を喪ひ、子に後るるにます事なし」
(3)人倫の道を堅持する生真面目な人。堅物。
*雑俳・続折句袋〔1780〕「人間で一生仕廻ふ不器量さ」
*雑俳・折句柱〔1795〕「人間に仕てやる慈悲はむごふ見へ」4)見どころのある人。人物。人柄。