日本語の言葉に漢字をあてるということがある。
当て字、借り字ともいう。
日本語を漢字で書く場合に、漢字の音や訓を、その字の意味に関係なく当てる漢字の使い方として、狭義には、古くから慣用の久しいものについて、目出度し めでたし と用いることを言う。デジタル大辞泉より。
借り字は、意味に関係なく、音または訓の同じものをあてて用いた文字、宛字とも書く。日本国語大辞典より。
また、当てる 充てる 宛てる 中てる と、いずれも、あてる であるが、字義によって異なる用い方をする。
たとえば、大辞泉で次のようである。
(充てる)全体の一部をそのために使う。「余暇を読書に―・てる」「ボーナスを旅費に―・てる」。
(宛てる)相手に向ける。「母に―・てて手紙を書く」
このように、当てる という言葉は、いくつかの意味を漢字表記することによって書き分けることができる。それをまた、当て字 という語になったときには、熟合して、言葉の意味が加わる。
宛字外来語辞典 柏書房 1979年11月 宛字外来語辞典編集委員会による。
いきなり目に入るのが、一二 という語である。
つまびらか、詳 審 委 くわしいさまと出ている。
なぜ宛字外来語か、それが辞典になるのか。端書を見ると次のように言う。
>ともあれいま、はっきりいえることは、宛字の外来語は、幕末・明治期の苦悶と願望、合理化と矛盾、権威と平等、さらにいえば外国崇拝と国粋、など、さまざまの相対立し相克する内・外因的要素をこやしとして狂い咲いた徒花(あだばな)の一つでなかったか、ということである。逆に言えば、国語の美しさとしたたかさを改めて再認識することになったこよは、まことに皮肉な結果というべきだろう。しかしこの時代に発揮された先人たちの営みのエネルギーの高揚を考えるとき、言語文化としてはもちろん、歴史事象としても評価さるべき一側面をもつことだけは確かなように思われる。 2ページ
なお例言にある通り、この外来語固有名の収録範囲、それに類する語彙の拡大に注目すべきものがあるので、まことに貴重な文献、労作である。
デジタル大辞泉
あ・てる 【当てる/充てる/宛てる】
[動タ下一][文]あ・つ[タ下二]
1 あるものを他のものに触れるようにする。直面させる。
ある物にぶつける。「ボールを頭に―・てる」「的に―・てる」
光・熱・風などに触れさせる。さらす。「日に―・てて布団を乾かす」「鉢植えを夜露に―・てないようにする」
密着させる。あてがう。「額に手を―・てる」「継ぎを―・てる」「座布団を―・ててください」
対抗させる。「練習試合で強豪に―・てて実力を試す」
2 期待やねらいどおりの状態にする。
くじなどで賞を得る。「一等賞を―・てる」
催しや企画などが成功する。「株で一山―・てる」「芝居で―・てる」
正しく推測する。「彼の年齢を―・てる」「小説の途中で犯人を―・てる」
3 他のものに合わせる。うまく振り分ける。
対応させてつける。「外来語に漢字を―・てる」
仮にあてはめる。「わが身に―・てて考える」
(充てる)全体の一部をそのために使う。「余暇を読書に―・てる」「ボーナスを旅費に―・てる」
指名してやらせる。「先生に―・てられる」
仕事や役などを割り振る。「重要なポストに新人を―・てる」
(宛てる)相手に向ける。「母に―・てて手紙を書く」→当てられる
当て字、借り字ともいう。
日本語を漢字で書く場合に、漢字の音や訓を、その字の意味に関係なく当てる漢字の使い方として、狭義には、古くから慣用の久しいものについて、目出度し めでたし と用いることを言う。デジタル大辞泉より。
借り字は、意味に関係なく、音または訓の同じものをあてて用いた文字、宛字とも書く。日本国語大辞典より。
また、当てる 充てる 宛てる 中てる と、いずれも、あてる であるが、字義によって異なる用い方をする。
たとえば、大辞泉で次のようである。
(充てる)全体の一部をそのために使う。「余暇を読書に―・てる」「ボーナスを旅費に―・てる」。
(宛てる)相手に向ける。「母に―・てて手紙を書く」
このように、当てる という言葉は、いくつかの意味を漢字表記することによって書き分けることができる。それをまた、当て字 という語になったときには、熟合して、言葉の意味が加わる。
宛字外来語辞典 柏書房 1979年11月 宛字外来語辞典編集委員会による。
いきなり目に入るのが、一二 という語である。
つまびらか、詳 審 委 くわしいさまと出ている。
なぜ宛字外来語か、それが辞典になるのか。端書を見ると次のように言う。
>ともあれいま、はっきりいえることは、宛字の外来語は、幕末・明治期の苦悶と願望、合理化と矛盾、権威と平等、さらにいえば外国崇拝と国粋、など、さまざまの相対立し相克する内・外因的要素をこやしとして狂い咲いた徒花(あだばな)の一つでなかったか、ということである。逆に言えば、国語の美しさとしたたかさを改めて再認識することになったこよは、まことに皮肉な結果というべきだろう。しかしこの時代に発揮された先人たちの営みのエネルギーの高揚を考えるとき、言語文化としてはもちろん、歴史事象としても評価さるべき一側面をもつことだけは確かなように思われる。 2ページ
なお例言にある通り、この外来語固有名の収録範囲、それに類する語彙の拡大に注目すべきものがあるので、まことに貴重な文献、労作である。
デジタル大辞泉
あ・てる 【当てる/充てる/宛てる】
[動タ下一][文]あ・つ[タ下二]
1 あるものを他のものに触れるようにする。直面させる。
ある物にぶつける。「ボールを頭に―・てる」「的に―・てる」
光・熱・風などに触れさせる。さらす。「日に―・てて布団を乾かす」「鉢植えを夜露に―・てないようにする」
密着させる。あてがう。「額に手を―・てる」「継ぎを―・てる」「座布団を―・ててください」
対抗させる。「練習試合で強豪に―・てて実力を試す」
2 期待やねらいどおりの状態にする。
くじなどで賞を得る。「一等賞を―・てる」
催しや企画などが成功する。「株で一山―・てる」「芝居で―・てる」
正しく推測する。「彼の年齢を―・てる」「小説の途中で犯人を―・てる」
3 他のものに合わせる。うまく振り分ける。
対応させてつける。「外来語に漢字を―・てる」
仮にあてはめる。「わが身に―・てて考える」
(充てる)全体の一部をそのために使う。「余暇を読書に―・てる」「ボーナスを旅費に―・てる」
指名してやらせる。「先生に―・てられる」
仕事や役などを割り振る。「重要なポストに新人を―・てる」
(宛てる)相手に向ける。「母に―・てて手紙を書く」→当てられる