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日本語文法文章論 津波の「安全神話」

2014-10-26 | 日本語文法文章論
現代日本語文法文章論 題材は、タイトルが、津波の「安全神話」 とある。日曜版のエッセイである。日本経済新聞の文化面、20141026付けである。執筆者は、 高橋順子氏である。なお、有料会員サイトであり、著作の全文をこのように言語分析に資料としているので、そのことをお断りするとともに、ここにお礼を申したい。

冒頭の文は、次である。

> 東日本大震災から三年半が過ぎた。

末尾の文は、次である。

>海自身、津波を起こしたことを忘れたように凪(な)いでいた。

書き出しの文段は、次のようである。

> 東日本大震災から三年半が過ぎた。今なお震災前の暮らしを取り戻せない人びともいるし、取り戻しはしたものの、もう忘れたいという人もいるようだ。

末尾の文段は、次のようである。

> 私もまたその中に全身で漬かり、自分は海の子であると感じて育ってきた。この夏、飯岡灯台のある丘に上り、太平洋を見渡した。海自身、津波を起こしたことを忘れたように凪(な)いでいた。



春秋
2014/10/26付
日本経済新聞 

 朝食に雑炊3杯、牛乳1合ココア入り、菓子パン2個をたいらげ、昼はカツオの刺し身、粥(かゆ)3杯に梨、ぶどう酒も。間食として団子を4本、塩せんべい、夕食はまた粥を3杯、なまり節、キャベツ……。明治34年秋の、病床での俳人正岡子規の食事だ。死の前年である。

 当時の日記「仰臥(ぎょうが)漫録(まんろく)」には、連日こうした凄絶な「食」がつづられている。10月に入ると果物はたびたび柿で、1度に2個、3個。「かぶりつく熟柿や髯を汚しけり」の句が見える。大好物だったようで、じつは明治28年10月26日からの奈良旅行で詠んだといわれるのが、有名な「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」である。

 句の誕生にちなんで、きょうは「柿の日」だという。世にナントカの日は多いけれど、この時期のこの果実はまさにたける秋の風情そのものだからうなずける。中国原産なのに、じつに日本的な面持ちを感じるのは栽培の歴史が古いからか。かつて谷内六郎が描いた晩秋の山里には、しばしば枝に残る黄赤色の実があった。

 「柿くふも今年ばかりと思ひけり」。子規は死を予期してこんな句を残し、明治35年9月19日、柿の季節にはわずかに間に合わず短い生涯を閉じた。波乱の時代を駆け抜け、食べることにも最期まで懸命であった人だ。その心をとらえた秋の味も、平成の現代では皮をむくのがメンドクサイ、などと敬遠されがちだという。

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