語の形態は音声である。
これは音声言語をとらえて議論をすればその形式に音声が分析される。
形態素のレベルは形態になる音声の連合を音素のレベルに分解してその音素結合を明らかにする。
それはまた、語を固定して語の意味をとらえた上で、語彙的意味、文法的意味において形態素の単位をとらえる。
形態素 k- が表わすのは、形態 kuru kimasu konai などの、語となる、来る、の分析である。
形態素 s- も同様である。語は、する、である。このような分析については音声言語を言語学の対象とした議論である。
それに対して、日本語の場合は同様の形態素の議論が可能であるが、語の形態は文字であることに留意しなければならない。
その文字に漢字がある。
いま、語の形態が文字であるとして、これは文字言語をとらえて議論をすればその形式に漢字と仮名が分析される。
日本語の語彙を漢字文字、仮名文字の集合としてとらえることは、語彙の論を展開する語の項目に漢字の重要性を言わなければならない。
ひいては言語学を文字の論としても展開することになる。
日本語語彙論 形態
2013-10-01 12:48:26 | 語と語彙
語は形態論では形態である。文法の単位として形態を論じるものと語として論じるものがある。
文法論の形態論では形態が単位となり、統語論で語が扱われる。morphem における morph である。
あるいは文法の品詞、構文では語が単位となる。
形態論は文法論の一部門で、単語などの形態変化、活用、曲用などにみられる語形変化や語の構成について記述する。
形態素 morpheme は、意味を持つ最小の単位として、ある言語においてそれ以上分解したら意味をなさなくなるところまで分割して抽出された、音素のまとまりの1つ1つを指すと説明される。
その形態素の性質、結びつきなどを形態論で明らかにする。
あめ という単語は、自立形態である。その意味を、雨として、雨傘 と言えば、あめ-かさ の結合で、あまがさ となる。雨、傘ともに自立形態が、熟合して結合形態として、あま--がさ となっている。この雨と雨傘であるそれぞれの語は、形態素の あめ を持ち、あめ と、あま- は、それぞれの形態で、異形態の関係にある。語形変化をする語で、書く、という語を、書かない 書きます と、変化させたときに、kak- という形態素について、kak-u という形態が語となり、また、kaka-nai kaki-masu という形態が、それぞれ語となる。このときに、書か 書き は、書く についての異形態であると言う。
また、書かない kakanai 書きます kakimasu について、kak- の変化しない形態素が、その、書く という意味を担っている。また変化しない部分として語の中で基本的な部分として語基と呼ばれる。この、書かない 書きます について、語基と打消し、または丁寧を表す変化形の語尾によって、語となっている。
古語で音韻の現象に着目して、被覆形、露出形と、音韻の交替を説明した。さきの あめ の、異形態について言うと、単独で用いられる形と、他の要素がついて用いられる形で、異なる形をとるものとして、露出形、被覆形、と言う。あめ は、露出形で、あま は、被覆形である。この議論は上代特殊仮名遣いに見られるもので、古代国語の音韻現象を明らかにしている。
なお、二重語について、次はウイキペディアより。
>二重語(にじゅうご; 英語: doublet)とは、ひとつの言語の中で、共通の語源たるひとつの単語に由来しながら、それぞれに異なる語形をとり、異なる意味や機能のもとに併用されている、2つの語をいう。姉妹語ともいう。 似たものとして、三重語、四重語などの多重語もある。
借用語(外来語や古典語からの復活)が複数の時代・経路を通じて入ってきた結果生じたものが多いが、純粋な土着語が何らかの理由で複数に分化するような場合もある。
外来語の例:
マシン - ミシン
machine 「機械」から。原義に近い前者に対して後者は狭義化しているが、sewing machine をとったものとも言われる。
セカンド - セコンド
second から、野球用語とボクシング用語に。後者については、初期の試合で第2試合に出る選手をリングサイドに置いたことから、second match 第2試合に由来するのだという。
アイロン - アイアン
iron 鉄。かたや火熨斗、かたやゴルフクラブと、日本語ではいずれも特定の道具名になってしまった。
トロッコ - トラック
truck 運搬車より。
ほか、「異なる言語からの外来語同士のセット」まで含めれば、「うどん - ワンタン」 「歌留多 - カルテ - カード - チャート」 「襦袢 - ズボン - ジャンパー」 「ゴム - ガム - グミ」 「オブジェ - オブジェクト」 とか、果ては「ホイール - サイクル - サークル - チャクラ」など。
次は、リマインダーによる再録である。
日本語語彙論 色彩語彙
2013-10-25 23:24:34 | 語と語彙
色彩語彙は色名を一覧するか、その語の色の基本をとらえることになる。色の基本には色空間があり、色相、彩度、明度などのパラメータで表現することが可能であるので、それによってあらわされる色の名前を並べる。それはまた色名としての成立、現実世界の使用のかかわりを見ることになるが、厳密に色をとらえて表現することは日常生活では行われない。つまり語と色のあらわれかたは人間に認識できる範囲から、大方の基本的な表現を分類している。言語と認識の作用は色名において語による違いから語を用いることが認識を決めるという考え方を議論するものがあったが、いまでは語にかかわらず人間の認識はその作用のわたしたちに及ぼすところには変わりがないとみられる。つまり色を見るのに語によって分類することはあってもそれをもって思考作用を決めているわけではないと、とらえられる。日本語は古来、色名形容詞で4つしかないと言い切ればざまざまな色の認識が行われていないことになってしまうが、現実はもっと複雑に色名を与えて色の区別を行ってきている。
色は地域にもよるところ、光りと影のあいだに起こる。日本は山と海に囲まれて光の届き方が影を作り色のはっきりした現象をそのやまと海に見たかと思うと、光の出る明るさと、光のかくれる暗さとを対比し、光が跳ね返って輝く水面と、光を吸い込んでいくような山間に、そのそれぞれを色と捉えたようである。とすると、赤と黒はそれなりに色を表し得るが、白と青は色であったかどうかと思われる。しかし、それを色に見て表現した語彙は、輝くさまと息をひそめるみずみずしさを極端にして色を認識することになったであろう。墨色と白紙は祖先にとっては色の対比であったのである。黒から赤へ、そして青に移る、さらに照り輝く白を見たのであろう。
これは音声言語をとらえて議論をすればその形式に音声が分析される。
形態素のレベルは形態になる音声の連合を音素のレベルに分解してその音素結合を明らかにする。
それはまた、語を固定して語の意味をとらえた上で、語彙的意味、文法的意味において形態素の単位をとらえる。
形態素 k- が表わすのは、形態 kuru kimasu konai などの、語となる、来る、の分析である。
形態素 s- も同様である。語は、する、である。このような分析については音声言語を言語学の対象とした議論である。
それに対して、日本語の場合は同様の形態素の議論が可能であるが、語の形態は文字であることに留意しなければならない。
その文字に漢字がある。
いま、語の形態が文字であるとして、これは文字言語をとらえて議論をすればその形式に漢字と仮名が分析される。
日本語の語彙を漢字文字、仮名文字の集合としてとらえることは、語彙の論を展開する語の項目に漢字の重要性を言わなければならない。
ひいては言語学を文字の論としても展開することになる。
日本語語彙論 形態
2013-10-01 12:48:26 | 語と語彙
語は形態論では形態である。文法の単位として形態を論じるものと語として論じるものがある。
文法論の形態論では形態が単位となり、統語論で語が扱われる。morphem における morph である。
あるいは文法の品詞、構文では語が単位となる。
形態論は文法論の一部門で、単語などの形態変化、活用、曲用などにみられる語形変化や語の構成について記述する。
形態素 morpheme は、意味を持つ最小の単位として、ある言語においてそれ以上分解したら意味をなさなくなるところまで分割して抽出された、音素のまとまりの1つ1つを指すと説明される。
その形態素の性質、結びつきなどを形態論で明らかにする。
あめ という単語は、自立形態である。その意味を、雨として、雨傘 と言えば、あめ-かさ の結合で、あまがさ となる。雨、傘ともに自立形態が、熟合して結合形態として、あま--がさ となっている。この雨と雨傘であるそれぞれの語は、形態素の あめ を持ち、あめ と、あま- は、それぞれの形態で、異形態の関係にある。語形変化をする語で、書く、という語を、書かない 書きます と、変化させたときに、kak- という形態素について、kak-u という形態が語となり、また、kaka-nai kaki-masu という形態が、それぞれ語となる。このときに、書か 書き は、書く についての異形態であると言う。
また、書かない kakanai 書きます kakimasu について、kak- の変化しない形態素が、その、書く という意味を担っている。また変化しない部分として語の中で基本的な部分として語基と呼ばれる。この、書かない 書きます について、語基と打消し、または丁寧を表す変化形の語尾によって、語となっている。
古語で音韻の現象に着目して、被覆形、露出形と、音韻の交替を説明した。さきの あめ の、異形態について言うと、単独で用いられる形と、他の要素がついて用いられる形で、異なる形をとるものとして、露出形、被覆形、と言う。あめ は、露出形で、あま は、被覆形である。この議論は上代特殊仮名遣いに見られるもので、古代国語の音韻現象を明らかにしている。
なお、二重語について、次はウイキペディアより。
>二重語(にじゅうご; 英語: doublet)とは、ひとつの言語の中で、共通の語源たるひとつの単語に由来しながら、それぞれに異なる語形をとり、異なる意味や機能のもとに併用されている、2つの語をいう。姉妹語ともいう。 似たものとして、三重語、四重語などの多重語もある。
借用語(外来語や古典語からの復活)が複数の時代・経路を通じて入ってきた結果生じたものが多いが、純粋な土着語が何らかの理由で複数に分化するような場合もある。
外来語の例:
マシン - ミシン
machine 「機械」から。原義に近い前者に対して後者は狭義化しているが、sewing machine をとったものとも言われる。
セカンド - セコンド
second から、野球用語とボクシング用語に。後者については、初期の試合で第2試合に出る選手をリングサイドに置いたことから、second match 第2試合に由来するのだという。
アイロン - アイアン
iron 鉄。かたや火熨斗、かたやゴルフクラブと、日本語ではいずれも特定の道具名になってしまった。
トロッコ - トラック
truck 運搬車より。
ほか、「異なる言語からの外来語同士のセット」まで含めれば、「うどん - ワンタン」 「歌留多 - カルテ - カード - チャート」 「襦袢 - ズボン - ジャンパー」 「ゴム - ガム - グミ」 「オブジェ - オブジェクト」 とか、果ては「ホイール - サイクル - サークル - チャクラ」など。
次は、リマインダーによる再録である。
日本語語彙論 色彩語彙
2013-10-25 23:24:34 | 語と語彙
色彩語彙は色名を一覧するか、その語の色の基本をとらえることになる。色の基本には色空間があり、色相、彩度、明度などのパラメータで表現することが可能であるので、それによってあらわされる色の名前を並べる。それはまた色名としての成立、現実世界の使用のかかわりを見ることになるが、厳密に色をとらえて表現することは日常生活では行われない。つまり語と色のあらわれかたは人間に認識できる範囲から、大方の基本的な表現を分類している。言語と認識の作用は色名において語による違いから語を用いることが認識を決めるという考え方を議論するものがあったが、いまでは語にかかわらず人間の認識はその作用のわたしたちに及ぼすところには変わりがないとみられる。つまり色を見るのに語によって分類することはあってもそれをもって思考作用を決めているわけではないと、とらえられる。日本語は古来、色名形容詞で4つしかないと言い切ればざまざまな色の認識が行われていないことになってしまうが、現実はもっと複雑に色名を与えて色の区別を行ってきている。
色は地域にもよるところ、光りと影のあいだに起こる。日本は山と海に囲まれて光の届き方が影を作り色のはっきりした現象をそのやまと海に見たかと思うと、光の出る明るさと、光のかくれる暗さとを対比し、光が跳ね返って輝く水面と、光を吸い込んでいくような山間に、そのそれぞれを色と捉えたようである。とすると、赤と黒はそれなりに色を表し得るが、白と青は色であったかどうかと思われる。しかし、それを色に見て表現した語彙は、輝くさまと息をひそめるみずみずしさを極端にして色を認識することになったであろう。墨色と白紙は祖先にとっては色の対比であったのである。黒から赤へ、そして青に移る、さらに照り輝く白を見たのであろう。
日本語語彙論 色彩語彙色彩語彙は色名を一覧するか、その語の色の基本をとらえることになる。色の基本には色空間があり、色相、彩度、明度などのパラメータで表現することが可能であるので、それによってあらわされる...