思想を語ることは思想を実践することであるから、思想家は自らの思想の実践者である。日本人の思想をさまざまと思いめぐらして、そこに思想性をくみ取る。日本人に思想があり、その実践を以て思想性を探ればおのずと明らかなことは、思弁となる論議は近代まで行われてこなかったことである。哲学思想は儒教、仏教の経典をそれぞれに解釈することと、そこに行われて来た原始信仰の神との対話であったため、コトバそのもに論理を見るか、実践行為である遥拝に思想の根本をおいてきたことに、神を体現することがあらわされてきた。日本人の思想性はそこにある。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
思想
しそう
thought; Gedanke; pensée
広くは精神の活動全般をさすが,一般には感情や意志に対して思考的現象をいう。より厳密には総合的な認識対象を理解する悟性ないし理性の働き,またはこのように理解されたかぎりでの対象をも意味する。
世界大百科事典 第2版の解説
しべん【思弁 speculation】
〈見る,観察する,看視する〉を意味するラテン語specio,ギリシア語skopeōに基づくラテン語speculatioに由来し,観察,観想,観照,静観,省察の意味で使われる用語。明治10年代から思弁,40年代には想考とも訳された。ボエティウスはこれを〈観想,理論theōria〉ならびに〈観照contemplatio〉と同義に用いた。エリウゲナには〈知性的な思弁〉〈理論的な思弁〉の用例があり,知性による原理の理論的な観想,省察の意味である。
デジタル大辞泉の解説
し‐そう〔‐サウ〕【思想】
[名](スル)
1 心に思い浮かべること。考えること。考え。「新しい思想が浮かぶ」
2 人生や社会についての一つのまとまった考え・意見。特に、政治的、社会的な見解をいうことが多い。「反体制思想を弾圧する」「末法(まっぽう)思想」「危険思想」
3 哲学で、考えることによって得られた、体系的にまとまっている意識の内容をいう。
「普天下の人をして自由に―し」〈中村訳・自由之理〉
大辞林 第三版の解説
しそう【思想】
①人がもつ,生きる世界や生き方についての,まとまりのある見解。多く,社会的・政治的な性格をもつものをいう。
②〘哲〙 〔thought〕 単なる直観の内容に論理的な反省を施して得られた,まとまった体系的な思考内容。
③考えること。考えつくこと。 「道上に於て,-することあれば,これを記録せり/西国立志編 正直」
デジタル大辞泉の解説
し‐べん【思弁/思×辨】
[名](スル)《〈ギリシャ〉theōriaの訳語》経験に頼らず、純粋な論理的思考だけで、物事を認識しようとすること。「―的な小説」
大辞林 第三版の解説
しべん【思弁】
( 名 ) スル
①よく考えてものの道理をわきまえること。
②〘哲〙 〔ギリシャ theōria; ラテン speculatio〕 実践や経験を介さないで,純粋な思惟・理性のみによって事物の真相に到達しようとすること。理論。観想。実践や経験を重んじる立場からは,抽象的理論・空論の意となる。 → 観想
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
思想
しそう
thought; Gedanke; pensée
広くは精神の活動全般をさすが,一般には感情や意志に対して思考的現象をいう。より厳密には総合的な認識対象を理解する悟性ないし理性の働き,またはこのように理解されたかぎりでの対象をも意味する。
世界大百科事典 第2版の解説
しべん【思弁 speculation】
〈見る,観察する,看視する〉を意味するラテン語specio,ギリシア語skopeōに基づくラテン語speculatioに由来し,観察,観想,観照,静観,省察の意味で使われる用語。明治10年代から思弁,40年代には想考とも訳された。ボエティウスはこれを〈観想,理論theōria〉ならびに〈観照contemplatio〉と同義に用いた。エリウゲナには〈知性的な思弁〉〈理論的な思弁〉の用例があり,知性による原理の理論的な観想,省察の意味である。
デジタル大辞泉の解説
し‐そう〔‐サウ〕【思想】
[名](スル)
1 心に思い浮かべること。考えること。考え。「新しい思想が浮かぶ」
2 人生や社会についての一つのまとまった考え・意見。特に、政治的、社会的な見解をいうことが多い。「反体制思想を弾圧する」「末法(まっぽう)思想」「危険思想」
3 哲学で、考えることによって得られた、体系的にまとまっている意識の内容をいう。
「普天下の人をして自由に―し」〈中村訳・自由之理〉
大辞林 第三版の解説
しそう【思想】
①人がもつ,生きる世界や生き方についての,まとまりのある見解。多く,社会的・政治的な性格をもつものをいう。
②〘哲〙 〔thought〕 単なる直観の内容に論理的な反省を施して得られた,まとまった体系的な思考内容。
③考えること。考えつくこと。 「道上に於て,-することあれば,これを記録せり/西国立志編 正直」
デジタル大辞泉の解説
し‐べん【思弁/思×辨】
[名](スル)《〈ギリシャ〉theōriaの訳語》経験に頼らず、純粋な論理的思考だけで、物事を認識しようとすること。「―的な小説」
大辞林 第三版の解説
しべん【思弁】
( 名 ) スル
①よく考えてものの道理をわきまえること。
②〘哲〙 〔ギリシャ theōria; ラテン speculatio〕 実践や経験を介さないで,純粋な思惟・理性のみによって事物の真相に到達しようとすること。理論。観想。実践や経験を重んじる立場からは,抽象的理論・空論の意となる。 → 観想