日本語論は日本言語起源、日本語系統探求と、日本語の変化、変遷を議論する、個別論である。その集成をした日本語論著述はまだない。フリー百科の解説では日本語を比較、対照した議論を含むとある。それを、日本語がもつ特徴を挙げるとあるが、日本語とほかの言語の対照はさきの比較言語に手法をもって解決しない日本語論の類推に過ぎないから、広く含めて言えば、日本語系統学説の探求となる。日本語論の根底にあるものは孤立した言語という呪縛である。なにか、呪縛は孤立語屈折語を合わせた膠着語であるという言語類型には縛られないということである。そのどれをも様相として見せるだけでなく表記に工夫がなければ抱合語もその類型になりかねない呪いがある。仮名文字による工夫としているが、その文字の発明が日本語そのものになる。だからと言って文字は真字と仮名にする日本語音韻があり、言語日本語はその分析を受けない。曰く漢語を入れ、オランダ、英米の語彙を入れたところから、日本語はその姿を見せ始める。日本語論仮説に漢語を学び英語を学ぶ言語とする。
フリー百科、ウイキペディアより
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日本語それ自体の起源や構造・変遷について論じるものと、日本語と外国語(ひいては、日本人・日本文化と外国人・外国文化)を比較してその異同を論じるものとがある。
後者は、「日本語には他の言語とは異なるいくつかの日本語のみが持つ特有点があり、世界の言語の中でユニークな存在である」といった論旨であることが多い。 このような論は、以下のような理由に拠っている。
日本語は他の言語との類縁関係が立証されていない孤立した言語である。
日本語は平仮名・片仮名・漢字という3種類の文字体系を用いる。
英語をはじめとするヨーロッパ諸言語は、互いに類似しているが、日本語とは異なっている。
日本語の表記体系は世界有数の複雑さである。
一方で、言語学的には、日本語は他の言語と同じく、一定の規則に従うなど、他の言語との共通点がある。
文法において膠着語に属する朝鮮語・トルコ語などと共通点がある。
音韻論においてフィンランド語・ハワイ語などと共通点がある。
形態論においてオーストロネシア語族・印欧語族などと共通点がある。
http://seibundo-pb.co.jp/index/ISBN978-4-7924-1439-9.html
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日本語論の構築
糸井通浩著
時枝誠記の言語理論を学びながら日本語の表現機構に潜む発想や仕組みを明らかにする。
本書の構成
〔一〕 私の日本語論
一 日本語の哲学
二 「こと」認識と「もの」認識 ──古代文学における、その史的展開──
三 古代文学と「さま」認識の発達
四 基本認識語彙と文体 ──平安和文系作品を中心にして──
五 「体用」論と「相」 ──連歌学における──
六 場面依存と文法形式 ──日本語における──
七 文末表現の問題
〔二〕 日本語の諸問題──語彙・文法・文章
一 日本語にみる自然観
二 語彙・語法にみる時空認識
三 過程(様態・対象)と結果 ──個別研究を包括する研究、の一つの試み──
四 日本語助詞の体系
五 『手爾葉大概抄・手爾葉大概抄之抄』を読む ──その構文論的意識について──
六 文章・談話研究の歴史と展望
〔三〕 日本語のリズムと〈うた〉──音数律論
一 和歌形式生成の論理
二 「五三七」リズムと三輪歌謡圏
三 音数律論のために ──和歌リズムの諸問題──
四 日本語のリズムと〈うた〉のリズム ──「四拍子論」を見直す──
五 日本語のリズム
六 「日本語のリズム」に関する課題
〔四〕 日本語論に関する書評
鈴木 泰著『古代日本語時間表現の形態論的研究』
藤井貞和著『日本語と時間──〈時の文法〉をたどる』
根来 司著『時枝誠記研究 言語過程説』
山口佳紀著『古代日本文体史論考』